まだ真夏が灼熱でなかったころ
きらきらしたものが好きで
透明なビンにつめて
太陽にかざした
まだ真夏が
灼熱でなかったころ
砂浜で貝殻集め
イソギンチャクと
カニと
ヤドカリ
さがして
すべって
びしょぬれになる
時代が変わりすぎて
もうあの頃のぼくはいない
あの頃の夢はもうない
ないものをねだっても
ないものはない
カモメが笑うだけ
ないからこそ
気負いもない
気取りもない
きれいさっぱり
波が
砂浜を洗う
黙って
沖を見つめる
私の足元まで
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