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【1分フィクション】

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1分以内で読み切り可能なフィクション作品集。 2022年1月より週1本追加しています。(2024.4時点) 追記:2024年度は不定期更新
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2022年12月の記事一覧

愛と希望の大晦日

愛と希望の大晦日

心の苦しみを共にしてくれる者も
分かち合って怒りを冷ましてくれる者も
僕の隣にはいない。

この世に愛があるのか
そんなのわからない
でも僕に愛なんて必要なくて
ただ苦しさを和らげたいだけだ。

人の行動も言動も読めてしまうから
単純な思考さえあればとつい思ってしまう。
言葉に惑わされて、愛と希望を信じたい。

愛は優しさ、希望は未来。
人に与える優しさは所詮皆自分のためであり
予測想像する未来は

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銀色の氷華

銀色の氷華

雲に覆われ
薄暗い街で
埃のように
氷華が舞い
歩く道では
靴を濡らす

他愛のない
毎日の中で
灰色一色は
心にもやを
被せていく

日の美しさ
熱の温かみ
空の青さに
恋焦がれて
頬は紅色に
肌は青白い

翌る日の朝
灰色の街は
光を反射し
銀となって
きらり輝く

一面に咲く
氷華たちよ
時を越える
無数の夢を
無数の愛を
幾度となく
受けとめて
何光年先も
咲き晴れろ

雨あがり、冬夜街

雨あがり、冬夜街

濡れたアスファルトがネオンに照らされ
隙間に溜まった水はキラリと光る。

すーーっと大きく息を吸ってみた。

キンキンに冷えた気体が肺へと入り込んで
脳が目を覚ます。

塵が落ちてくれたせいか
空気が新鮮で美味しい。

賑やかな声のする狭い路地に入ると
小さなお店が立ち並び、
人が沢山愚痴を言って、笑って、泣いていた。

煌びやかな場所ではないけれど、
人と人が慰め合って笑い合って
それぞれの日常

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不毛な葛藤

不毛な葛藤

躊躇い。

僕の中で二人の妖精が交互に囁く。

食べたいんだろ?食べりゃいいじゃんか。
と言う妖精A。

本当にいいの?家にあるもので我慢したら、節約できるのに。と言う妖精B。

今日一日頑張ったんだから、いいんだよ。
と言う妖精A。

その積み重ねがいつか大きな後悔を生むんだよ
と言う妖精B。

正直、食べたい。
けど、サービス料はもったいなく感じる。
だって、行こうと思えば自力で行けるし。

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あめ色の空

あめ色の空

灰色に染まった空が
透明な液状の粒を
重力に乗せて
降らせた
この日

地球の圧力は
脳の髄を握りつぶし
精神の柱まで折り倒し
私は立つことを諦めた

活力というものが
この世に存在しないように
どこもかしこもどんよりとしている
窓から見える薄暗い街

食も仕事も放棄して
床に伏せたまま
小さなブラックボックスの中で
息をしていた

見えない顔を想像して
リアルでは言えない本心を言い
右から左へと

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