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祗燈 柃夜
2022年12月31日 22:28
心の苦しみを共にしてくれる者も分かち合って怒りを冷ましてくれる者も僕の隣にはいない。この世に愛があるのかそんなのわからないでも僕に愛なんて必要なくてただ苦しさを和らげたいだけだ。人の行動も言動も読めてしまうから単純な思考さえあればとつい思ってしまう。言葉に惑わされて、愛と希望を信じたい。愛は優しさ、希望は未来。人に与える優しさは所詮皆自分のためであり予測想像する未来は
2022年12月25日 23:35
雲に覆われ薄暗い街で埃のように氷華が舞い歩く道では靴を濡らす他愛のない毎日の中で灰色一色は心にもやを被せていく日の美しさ熱の温かみ空の青さに恋焦がれて頬は紅色に肌は青白い翌る日の朝灰色の街は光を反射し銀となってきらり輝く一面に咲く氷華たちよ時を越える無数の夢を無数の愛を幾度となく受けとめて何光年先も咲き晴れろ
2022年12月19日 16:14
濡れたアスファルトがネオンに照らされ隙間に溜まった水はキラリと光る。すーーっと大きく息を吸ってみた。キンキンに冷えた気体が肺へと入り込んで脳が目を覚ます。塵が落ちてくれたせいか空気が新鮮で美味しい。賑やかな声のする狭い路地に入ると小さなお店が立ち並び、人が沢山愚痴を言って、笑って、泣いていた。煌びやかな場所ではないけれど、人と人が慰め合って笑い合ってそれぞれの日常
2022年12月12日 17:42
躊躇い。僕の中で二人の妖精が交互に囁く。食べたいんだろ?食べりゃいいじゃんか。と言う妖精A。本当にいいの?家にあるもので我慢したら、節約できるのに。と言う妖精B。今日一日頑張ったんだから、いいんだよ。と言う妖精A。その積み重ねがいつか大きな後悔を生むんだよと言う妖精B。正直、食べたい。けど、サービス料はもったいなく感じる。だって、行こうと思えば自力で行けるし。作
2022年12月5日 18:56
灰色に染まった空が透明な液状の粒を重力に乗せて降らせたこの日地球の圧力は脳の髄を握りつぶし精神の柱まで折り倒し私は立つことを諦めた活力というものがこの世に存在しないようにどこもかしこもどんよりとしている窓から見える薄暗い街食も仕事も放棄して床に伏せたまま小さなブラックボックスの中で息をしていた見えない顔を想像してリアルでは言えない本心を言い右から左へと