樽玉さん

こんにちは。読んだ本紹介していきますね。本好きな人と繋がりたいなって思っています。

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最近の記事

美しき凶器

かつて世界的に活躍したスポーツ選手4人が、ある男を殺害し、その秘密を守るために犯罪に手を染めていきます。しかし、その犯行を目撃した謎の女性「タランチュラ」が復讐のために彼らを次々と襲っていきます。タランチュラの正体や動機、そして彼女が持つ驚異的な身体能力の秘密などが、次第に明らかになっていく展開はスリリングで読み応えがあります。 悪と悪の戦いという構図がとても面白かったです。 スポーツ選手4人は、自分たちの栄光のためにドーピングに手を染め、証拠隠滅のために殺人に及んでしまっ

    • 11文字の殺人

      東野圭吾さんの「11文字の殺人」は、女流推理作家の主人公が恋人の死に関わる謎を解くために奔走するサスペンス小説です。犯人の正体や犯行の手口は予想外。また、最後の展開は衝撃的でした。 この小説は、恋人を殺された女流推理作家「あたし」と、彼女の友人で編集者の萩尾冬子が、事件の真相に迫っていく過程を描いています。彼女は、恋人の川津雅之が殺された理由や、彼が残した謎のメモの意味を知りたいという強い動機を持っています。しかし、彼女の行動が引き金になったかのように、次々と人が殺されてい

      • 麦本三歩の好きなもの

        住野よるさんの小説で、図書館勤務の20代女子「麦本三歩」の日常を描いた短編集です。 三歩は、ぼうっとしていて天然っぽい性格です。彼女の周りには、優しい先輩やおかしな先輩、麗しき友人や大学時代の男友達など、様々な人々が登場します。特別なことは何も起こらないけれど、三歩のなにげなく愛おしい日々が綴られています。 この小説はとても癒されました。 三歩の視点から見た世界は、シンプルで素直で、時にはほろ苦くて、時には甘酸っぱくて、とても魅力的でした。三歩の好きなものに共感したり、彼

        • 食堂かたつむり

          小説「食堂かたつむり」は、小川糸さんの小説です。主人公の倫子は、同棲していた恋人に裏切られ、声を失ってしまいます。故郷に戻った彼女は、一日一組の予約制の食堂を開きます。そこで彼女は、お客さんの願いや悩みに合わせて料理を作り、人々の心に触れていきます。しかし、倫子自身も母親との確執や初恋の相手との再会など、過去の傷に向き合わなければなりません。 倫子の料理は、ただ美味しいだけではなく、食べる人の感情や思い出に寄り添っています。料理のレシピや調理法も細かく説明されており、読んで

        美しき凶器

          ホテル・ピーベリー

          「ホテル・ピーベリー」は、近藤史恵さんのミステリー小説です。 主人公の木崎淳平は、教師を辞めた後、友人の勧めでハワイ島に旅行に行きます。 そこで泊まることになったのが、日本人夫婦が経営する「ホテル・ピーベリー」という小さなホテルです。 このホテルには、「滞在できるのは一度きり」「リピーターは受け入れない」という不思議なルールがあります。 木崎は、他の日本人の宿泊客と親しくなりますが、次々と不可解な死が起こります。 木崎は、ホテルの秘密と自分の過去に直面することになります。

          ホテル・ピーベリー

          舟を編む

          三浦しをんさんの小説「舟を編む」は、辞書編集者たちの仕事と人生を描いた作品です。主人公の馬締光也は、言語学の知識と感覚はあるものの、コミュニケーション能力に欠ける若手社員です。彼は辞書編集部に引き抜かれて、新しい中型事典「大渡海」の編纂に携わります。そこで彼は、辞書作りの奥深さや魅力、そして言葉の力を知っていきます。また、彼は下宿の大家の孫娘・林香具矢と恋に落ち、彼女との関係を言葉で表現しようとします。 この小説は、言葉に対する愛情と敬意が溢れる作品です。辞書編集者たちは、

          明日の子供たち

          有川浩さんの小説「明日の子供たち」は、児童養護施設で暮らす子どもたちとそこで働く職員たちの物語です。主人公は、元営業マンで施設の特集番組を見て転職した三田村慎平という新任職員です。彼は、施設の実情や子どもたちの思いに触れながら、成長していきます。また、施設の子どもたちの中でも、特に奏子という女の子との関係が重要な役割を果たします。 この小説は、施設で暮らす子どもたちの生活や感情をリアルに描いています。施設の子どもたちは、親に捨てられたり虐待されたりしたわけではなく、様々な事

          明日の子供たち

          愛なき世界

          小説「愛なき世界」は、三浦しをんさんの作品で、植物の研究に情熱を注ぐ大学院生・本村紗英と、彼女に恋をする洋食屋の見習い・藤丸陽太の恋愛物語です。 本村さんは、シロイヌナズナという植物に夢中で、人間の感情には無関心です。藤丸くんは、本村さんの研究に興味を持ち、植物の世界に分け入っていきます。周りには、殺し屋のような教授やイモ好きの老教授、サボテンマニアの同級生など、個性的なキャラクターがたくさん登場します。 この小説の魅力は、植物の神秘や美しさを描いた描写や、植物と人間の関

          愛なき世界

          つるかめ助産院

          小川糸さんの小説「つるかめ助産院」は、家族の愛を知らないまりあが、南の島で出会った助産院の仲間たちとともに、自分の過去と向き合い、新しい命を迎える物語です。島の美しい自然や人々の温かさを描きながら、命の尊さや家族の絆を問いかける作品です。 私はこの小説を読んで、まりあの成長や変化に感動しました。まりあは、孤独な幼少期を過ごしたことや、夫に裏切られたことで、自分に自信がなく、人と深く関わることを避けていました。しかし、島で出会った亀子やパクチー嬢、エミリー、サミー、艶子さんな

          つるかめ助産院

          エレジーは流れない

          三浦しをんさんの小説「エレジーは流れない」は、温泉街で暮らす高校生たちの日常を描いた作品です。主人公の怜は、母親が二人いるという複雑な家庭の事情や、進路の選択、自由奔放な仲間たちに振り回されながら、悩み多き日々を送っています。ある日、町の博物館から土器が盗まれたという事件が起こり、怜たちはそれに巻き込まれていきます。 怜の幼なじみである竜人は、干物店の息子で、彼女の愛美とのラブラブぶりが目立ちます。もう一人の幼なじみである和樹は、喫茶店の息子で、怜に対してひそかな想いを抱いて

          エレジーは流れない

          キラキラ共和国

          小川糸さんの「ツバキ文具店」の続編です。前作で出会ったモリカゲさんと結婚した鳩子は、鎌倉で文具店と代書屋を続けながら、モリカゲさんの娘QPちゃんの母親になります。しかし、QPちゃんの亡き母美雪さんへの思いや、レディ・ババという謎の女性の存在など、鳩子の心にはさまざまな葛藤があります。そんな中、鳩子は代書の仕事を通して、人生の悩みや喜びを抱える人々と出会い、彼らの手紙を書くことで自分の気持ちにも気づいていきます。 この本の魅力は、何といっても小川糸さんの美しい文章と、キラキラ

          キラキラ共和国

          ツバキ文具店

          小川糸さんの「ツバキ文具店」は、鎌倉で文具店と代書屋を営む主人公・鳩子の物語です。鳩子は、様々な依頼者の思いを手紙にすることで、自分の過去や祖母との関係に向き合っていきます。この小説は、手紙というコミュニケーション手段を通して、人と人とのつながりや想いを描いた作品です。 鳩子は、祖母に反発して家を出た過去を持ち、代書屋の仕事にも最初は消極的でした。しかし、依頼者の人生に関わりながら、自分の気持ちや祖母への想いに気づいていきます。鳩子の代書する手紙は、依頼者の言葉や感情をその

          ツバキ文具店

          神去なあなあ日常

          三浦しをんさんの「神去なあなあ日常」は、林業という職業や自然との関係について知ることができる小説です。主人公の平野勇気は、高校卒業と同時に三重県の山奥にある神去村で林業の研修を受けることになります。そこで彼は、個性的な村人たちや自然との関わり方、神去村の秘密などに触れていきます。 この小説は、林業という私にとって馴染みのない仕事を通して、自然の大切さや美しさを教えてくれます。チェーンソーや薪割り機などの道具や技術、木々や山々の種類や特徴、林業に関する用語や知識などが細かく説

          神去なあなあ日常

          あの家に暮らす四人の女

          小説「あの家に暮らす四人の女」は、三浦しをんさんの作品で、東京の古い洋館に住む刺繍作家の佐知とその母・鶴代、佐知の友人の雪乃と多恵美、そして謎の老人・山田という家族のようで家族でない人々の日常を描いた物語です。この小説は、2015年に単行本が刊行され、2018年に文庫本が刊行されました。 この小説の魅力は、登場人物たちの個性的で魅力的なキャラクターと、彼らが織りなす奇妙で不思議でかしましくも和やかな日々の描写です。 彼らが様々な出来事に巻き込まれたり、互いに関わり合ったりし

          あの家に暮らす四人の女

          まずはこれを食べて

          原田ひ香さんの連作短編集です。医療系ITのベンチャー企業「ぐらんま」で働く社員たちの日常と心の葛藤を、家政婦が作る美味しい料理を通して描いています。 この小説の魅力は、登場人物たちがそれぞれに持つ秘密や過去、感情や思いを、料理の描写や会話で巧みに表現しているところです。 また、この小説は、驚かせる展開や意外な結末も持っています。特に、途中で失踪してしまった創業者の存在が物語のキーとなっています。彼が抱えていた秘密や動機が明らかになるとき、物語は一気にシリアスなトーンに変わ

          まずはこれを食べて

          みかづき

          小説「みかづき」は、森絵都さんの長編小説で、2017年に本屋大賞2位を受賞しました。この作品は、戦後から現代までの日本の教育と塾の歴史を背景に、塾に生涯をかけた大島吾郎と赤坂千明夫婦とその家族三代にわたる物語です。 私はこの作品を読んで、教育とは何なのか、どうあるべきなのかという問いについて考えさせられました。吾郎と千明は、時代や社会の変化に対応しながらも、自分たちの理想を追求していきます。しかし、その理想は必ずしも正しいとは限らないし、周りの人々や家族との葛藤や苦悩を招く