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キラキラ共和国

小川糸さんの「ツバキ文具店」の続編です。前作で出会ったモリカゲさんと結婚した鳩子は、鎌倉で文具店と代書屋を続けながら、モリカゲさんの娘QPちゃんの母親になります。しかし、QPちゃんの亡き母美雪さんへの思いや、レディ・ババという謎の女性の存在など、鳩子の心にはさまざまな葛藤があります。そんな中、鳩子は代書の仕事を通して、人生の悩みや喜びを抱える人々と出会い、彼らの手紙を書くことで自分の気持ちにも気づいていきます。

この本の魅力は、何といっても小川糸さんの美しい文章と、キラキラとした世界観です。鎌倉の四季折々の風景や、鳩子たちの食事や行事など、日常の一コマ一コマが丁寧に描かれています。読んでいると、鳩子たちの暮らす鎌倉に行ってみたくなります。また、代書の物語もそれぞれに感動的で、手紙の力や言葉の大切さを教えてくれます。特に、川端康成の本を題材にした話や、タカヒロ君のお母さんへの手紙の話は印象的でした。

この本は、生きることや家族について考えさせられる本でもあります。鳩子は、モリカゲさんやQPちゃんとの関係を築くために、自分の過去や感情と向き合わなければなりません。また、レディ・ババとの対決や、ミツローさんの故郷への旅など、鳩子の成長の節目となる出来事もあります。鳩子は、モリカゲさんの言葉や、バーバラ婦人の教えなど、さまざまな人からの支えを受けながら、自分の幸せを見つけていきます。

「キラキラ共和国」は、心温まる物語であり、心揺さぶる物語でもあります。小川糸さんの作品は、読んでいると心がキラキラしてきます。この本を読んで、自分の周りにもキラキラとしたものを見つけられるようになりたいと思いました。


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