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つるかめ助産院

小川糸さんの小説「つるかめ助産院」は、家族の愛を知らないまりあが、南の島で出会った助産院の仲間たちとともに、自分の過去と向き合い、新しい命を迎える物語です。島の美しい自然や人々の温かさを描きながら、命の尊さや家族の絆を問いかける作品です。

私はこの小説を読んで、まりあの成長や変化に感動しました。まりあは、孤独な幼少期を過ごしたことや、夫に裏切られたことで、自分に自信がなく、人と深く関わることを避けていました。しかし、島で出会った亀子やパクチー嬢、エミリー、サミー、艶子さんなど、個性豊かな人々に支えられ、妊娠や出産という大きな試練を乗り越えていきます。
まりあは、自分の心に正直になり、自分の選択に責任を持つようになります。また、自分の産んだ子供に対して、愛情や誇りを感じるようになります。島の人々から家族の愛を学び、自分自身も家族の一員として受け入れられることで、幸せを見つけることができました。

この小説は、家族とは何か、命とは何か、ということを考えさせられます。
家族とは、血のつながりだけではなく、心のつながりや支え合いなのではないか。
命とは、偶然に与えられたものではなく、大切に育てられたものなのではないか。

家族の愛や命の奇跡を感じることのできる、素敵な作品です。


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