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VINTAGE【とあるCAFEの不思議な日常】

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別マガジン「戦略的モラトリアム大学生活編」のCAFEの出来事に特化した物語。とあるCAFEを訪れる人々の人勢模様を垣間見るしがない大学生視点で見るだけの話。 「生きること」ってど…
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#小説

VINTAGE【スーさんの笑顔と、これから】㉚

卒業式まであと2カ月弱。卒業論文も終わり、あとは大学図書館を利用しつくすだけだ。もう何も…

VINTAGE【スーさん、ネギを語る】㉗

大学生は常に倹約を心掛けるものである。とはいうものの、Vintage通いはやめられないのだが。 …

VINTAGE【就職活動その後】㉖

大学4年ともなると、忙しいもので就職活動が活発になる。自分もその波に乗ろうと、東京新木場…

VINTAGE【とある日、オーナーのお話】㉕

「オーナーは以前何をしてらっしゃったのですか?」 3年近く、Vintageに通うと、自然と人とな…

VINTAGE【肘の具合・雨空の下】㉔

大学4年。5月の長雨。今日も朝からグズリ模様の空。 小雨の小康状態からの少し肌寒い、春の気…

VINTAGE【選挙・戦況・広報の後方】㉒

時間は少し遡る。 とある真夏日 街中に選挙の看板が立つ。車のスピーカーから候補者の名前が…

VINTAGE【大学最後の1月を迎えて】㉑

4月からのことは何も決まっていないけど、とにかく学生生活は終わりらしい。そんなことはもう分かってはいるけれども、U大の大学院の教授からは「うちの大学院においでよ」と、誘いを戴いた。ありがたいことだが、この街から別の街に引っ越すことは考えていないし、経済的にはもう不可能だろう。実家は頼れないし。 さて、2年の間、足繫く通ったVintageともあと3カ月でお別れになるのだろうか。うまくいけばこちらで働けるかもしれないが……。 またいつものように店に向かう。見慣れた店内に少しノス

VINTAGE【教育実習その後 後編】⑳

「Sさん、お疲れ様です」 クタクタしていた様子だったので、とっさに声をかけた。レコーディン…

VINTAGE【教育実習その後 前編】⑲

大学4年の夏。ボクは東北のとある田舎で教育実習を終え、また大学のある街に戻ってきた。3週間…

VINTAGE【帰省との狭間で】⑰

ききコーヒーは『モカ・マタリ』でようやっと正解。 今日も今日とて日曜日に大学でTOEIC IP試…

VINTAGE【生きにくい世の中に】⑮

インフルエンザの流行が恒例行事のようにテレビで流れている。うがい手洗いは小学校の時に教わ…

VINTAGE【意志とは】⑬

年の瀬も迫った12月 街中慌ただしく、大きな買い物袋をぶら下げてスーパーから出てくる人も目…

VINTAGE⑫【クリーニング屋さんの苦難】

「いや~秋も深くなってきたねぇ」 ばっちりリーゼントを決めたやせ形小柄のおじさんがカウン…

VINTAGE⑪【御大の降ろせない肩書】

学園祭が終わり、どことなく年末の忙しなさが木枯らしにのってやって来る。季節の移り変わりに少し郷愁を感じるのは少し熟成した人間になったということであろうか。VINTAGEの中も秋の深まりを感じるようになった。カウンターテーブルに何気なく置いてある団栗がどうしても自分に時の経過を告げているようで、少し残酷であった。 ニット帽のSさんは草臥れた様子で、店内に入ってきた。家の掃除やら仕事やらで一日中フル稼働だったらしい。いつものように世間話をしていると、ふと窓際のテーブルに目がいく。