マガジンのカバー画像

VINTAGE【とあるCAFEの不思議な日常】

30
別マガジン「戦略的モラトリアム大学生活編」のCAFEの出来事に特化した物語。とあるCAFEを訪れる人々の人勢模様を垣間見るしがない大学生視点で見るだけの話。 「生きること」ってど…
運営しているクリエイター

記事一覧

VINTAGE【スーさんの笑顔と、これから】㉚

卒業式まであと2カ月弱。卒業論文も終わり、あとは大学図書館を利用しつくすだけだ。もう何も…

VINTAGE【ストレスと生きるということ】㉙

「顔の半分の神経がね……耳もちょっとね……」 Mさんの調子が想像より悪かった。 「大丈夫な…

VINTAGE【ストレス・自分らしくあるために】㉘

「最近、Mさん見ないですね」 夕暮れの街並みをカウンターから見つめながら、帰路につく人の流…

VINTAGE【スーさん、ネギを語る】㉗

大学生は常に倹約を心掛けるものである。とはいうものの、Vintage通いはやめられないのだが。 …

VINTAGE【就職活動その後】㉖

大学4年ともなると、忙しいもので就職活動が活発になる。自分もその波に乗ろうと、東京新木場…

VINTAGE【とある日、オーナーのお話】㉕

「オーナーは以前何をしてらっしゃったのですか?」 3年近く、Vintageに通うと、自然と人とな…

VINTAGE【肘の具合・雨空の下】㉔

大学4年。5月の長雨。今日も朝からグズリ模様の空。 小雨の小康状態からの少し肌寒い、春の気まぐれ天気。 Vintageの中では除湿をかけているので、カラッとしている。 熱めのイタリアンコーヒーが香ばしい香りを漂わせ、カウンターから見える外の傘の行ったり来たりをずっと眺めている。 まもなくSサンがやってきた。いつもくたびれているのが、今日は様子がおかしい。 「ブレンドを……」 いつものようにコーヒーを注文し、おもむろに煙草に火をつける。しばらくしてカウンター横のギターに火を

VINTAGE【イデオロギー】㉓

大学4年ともなると、大学と距離を置きがちになるが、自分は特に就職活動もする気がないので、…

VINTAGE【選挙・戦況・広報の後方】㉒

時間は少し遡る。 とある真夏日 街中に選挙の看板が立つ。車のスピーカーから候補者の名前が…

VINTAGE【大学最後の1月を迎えて】㉑

4月からのことは何も決まっていないけど、とにかく学生生活は終わりらしい。そんなことはもう…

VINTAGE【教育実習その後 後編】⑳

「Sさん、お疲れ様です」 クタクタしていた様子だったので、とっさに声をかけた。レコーディン…

VINTAGE【教育実習その後 前編】⑲

大学4年の夏。ボクは東北のとある田舎で教育実習を終え、また大学のある街に戻ってきた。3週間…

VINTAGE【故郷からの仕送り】⑱

大きい段ボールが届いた。 コメ・梅干し・タケノコ…… どうやって料理すればいいのか……あ…

VINTAGE【帰省との狭間で】⑰

ききコーヒーは『モカ・マタリ』でようやっと正解。 今日も今日とて日曜日に大学でTOEIC IP試験を受けた後、VINTAGEで夕暮れを待っている。毎週こうやって週末が終わっていくのだ。大学3年になって、そろそろ地元に戻るカウントダウンだろうか。地元に戻って何をする?結局のところ地元で就職し、勝手気ままなこの生活は1年と少しで終わりを迎えるのだろう。 「こんな日が今になって惜しいと思いますね」 ふと自分がそう言うと、マスターがとっさに 「社会人になりたくないってこと?」