VINTAGE【肘の具合・雨空の下】㉔
大学4年。5月の長雨。今日も朝からグズリ模様の空。
小雨の小康状態からの少し肌寒い、春の気まぐれ天気。
Vintageの中では除湿をかけているので、カラッとしている。
熱めのイタリアンコーヒーが香ばしい香りを漂わせ、カウンターから見える外の傘の行ったり来たりをずっと眺めている。
まもなくSサンがやってきた。いつもくたびれているのが、今日は様子がおかしい。
「ブレンドを……」
いつものようにコーヒーを注文し、おもむろに煙草に火をつける。しばらくしてカウンター横のギターに火を