〖感想〗河川敷と、タバコと、瑠璃色と。
猫暮てねこの創作暮らしさんの創作大賞２０２４年エントリー小説
『河川敷と、タバコと、瑠璃色と。』の感想記事です。
ネタバレありで書きますのでよろしくお願いします。
第１話
最初の河川敷の細かい描写に「河川敷に下りたいなぁ」と懐かしさがよぎる。
今いる所は下りれるような川ではなくて残念なんです。
学生の頃、良く川の流れるのをぼぅっと眺めていた思い出が蘇る。
京都の川は下りれる所がいっぱいだからね。
主人公・柿崎が河川敷のベンチで謎の女性と出会うのだけれど
いきなりのシガーキス・・・
マジですか。
照れる。
めっちゃいいシチュエーション。
それにしても、柿崎視点のこの女性、魅力的すぎる。
私の好み。そしてそれにあたふたしている柿崎もカワイイ。
どこかで、彼女を見たことがあるような気がする。
はてさて、どうつながるのかな？
第２話
シガーキスの君、西野ゆう。
自然体の鎧をまとった
惹かれながらも、西野に抱く違和感を的確に表現しきっている言葉。
その後、カウンセラーだったことがあるのかどうかの柿崎の質問に「ああ、でも大好きな小説があって～」と答える西野。
対して柿崎はその後のセリフで「まずは肯定的傾聴からだね」と、彼自身もカウンセリングに詳しい事を伺わせている。
西野が好きな小説は柿崎の？彼女は柿崎を知っていて近づいたの？
ここは引っ張らずに、すぐにある程度の答えが出た。
そして彼女の事もここでわかる。
『レンタル彼女』
私自身はその職業に「演技力いる商売だなぁ・・・」と、需要側に疑問を抱くでもなく
ただひたすら演技力と瞬間的に場を把握する力、やり遂げる精神力のいる仕事だと、前々から『レンタル家族』系の商売を興味深く見ていた。
その演技力が彼女、西野の魅力。
第３話
西野の『レンタル彼女』の真偽はともかく、夜の河川敷にいる陽斗くんへ対応するための口調や雰囲気の変わり方。
彼女の演技力の確かさが伺える場面。
第４話
そして西野さん、柿崎が作家だって知らなかったのね。
ファンからの言葉は嬉しいし、それが他ならぬ西野さんからというのもぼくを気持ちを暖かくしてくれた。
(省略)
そんな眼差しで、ぼくは無理やり暖を取っている気がして、後ろ暗かった。
“素”の西野さんの描写に対して、含む所がある柿崎の内心。
第5話
奇妙な登場の山吹老人。 西野さんの女優っぷりがはっきりとわかる。
最後まで読んでこその感想なのだけれど、『シノノメ』と名指しされた時のこの彼女の“演技の選択”はどういう意図なのだろう。
母親になにか関係があると踏んで、ノーを言いつつ気を持たせた？
それこそシノノメカオリの様に・・・？
第6話
ロジーとキミヨは、あまりにもよく似ていたというだけの話だよ
個人的な感情で選考の判定を決めさせてしまうほど、 柿崎(神埼)の作品は山吹に届いた。という事なのだろう。
第７話
紐をかけるタイプの茶封筒に入っている原稿!! (文具好きも極まっててごめん・・・)
細かい演出が好き、 上手いな。
和泉の台詞で、2人の過去の関係が全てわかる。
今までの柿崎の過去の思い出のピースがはまっていく。
ある意味で、お互い呪いにかかってしまっていたのかもしれない。
人間関係において、呪いをかけあうことは割とあると思うなぁ・・・良い呪(まじない)ならそれが成長になるのかな・・・・
どうなんだろ？
第8話
しっかりと甘えて、生きなさい
どんなに二人三脚で歩まなくちゃいけない状況でも、子供は、子供でいる権利があるんだ。
第9話
それから二人で、なんとなく見つめあっていた。奇妙に長く、奇妙に短い時間だった。なんとなくだが、共鳴とはこんな状態を呼ぶのではないかと肌で感じていた。意識が混同し、身も心も互いに潜心していく。
こういう状況、なってみたいなと思うな。
誰かと心も体も越えて、意識が繋がりあう。みたいな。
大人になってしまった今はもう叶わないんだろうな。
最終話
本当におそろしいのは女ですよね・・・・
この一言だけで終わってもいいかな。
いやー。
「あー、そう来る！？」って叫んじゃったｗ
『レンタル彼女』だってのが始まりなのに、なんでそんなに入れ込んだかねぇ・・・
最後まで読んで
作中に出てくる
『瑠璃色の空とありし日の君』
や
『見返り美人』
などの作品読んでみたい！
そう思う程、作中での存在感が強く、印象深いキーアイテムでした✨
いや本当、手にとって読んでみたいよ😆
感想に関する記事はこちらにも
創作大賞２０２４に応募している作品もありますので、こちらもご覧ください。
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