2024年2月(後半)の読了本+感想
こんにちは。
2月後半は9冊読みました!面白い本ってたくさんあるなあ。
2/23日のstand.fm『第一芸人文芸部』の公開生配信、たくさんの方にお越しいただき本当に感謝です!
ゲストにたつろうさん、つぼみ大革命・糸原さんに来ていただき、めっちゃ盛り上がりました。2人の著書は、このnoteの後半で紹介しています!
そして2/25日、文学フリマ広島に来てくださった方、改めてありがとうございました!ブースにたくさん遊びに来ていただいて、本当に嬉しかったです。当日の詳しいことは以下のnoteにまとめました!ぜひ!
これからの予定
1) 3/3 神保町 『PASSAGE SOLIDA』さん で1日店長
こちらの本屋さん、3月にグランドオープンです。
色々な棚に借り主さんがいて、各々販売したい本を置いています。
バラエティに富んだ本棚は見ているだけで楽しいです!
こちらの店舗で3/3(日)12時〜、第一芸人文芸部で1日店長をさせていただきます!
販売するのは、『第一芸人文芸部 創刊準備号』『東京百景(又吉直樹)』『きょうも芸の夢をみる(ファビアン)』の3冊。
ぜひお越しください!
神保町駅A7出口が近いです。
棚主さんの検索はこちらから↓↓
2)5/19『文学フリマ東京』
参加予定です!
こちらでの発売に向けて、現在『第一芸人文芸部』の第2号を執筆中です!
タイトルや書影はまだ未定!決まり次第、報告します!
第一芸人文芸部の活動
1) stand.fm配信
毎週水曜日、22時からstand.fmの生配信で、今週読んだ本について語ったり、活動報告も行なっているので、ぜひ聴いてみてください!
次回(3/6)の放送のテーマは『女子高生が主人公の物語』
僕は宇佐美りんさんの『推し、燃ゆ』を紹介します!
2) Amazon Audible『本ノじかん』 配信中
番組のパーソナリティを担当させていただいております!豪華なゲストと本や創作について、めちゃくちゃ語っているのでぜひ!
また番組では『クチヅタエ』という企画で、バイク川崎バイク(BKB)、しずる・村上、3時のヒロイン・福田、ニッポンの社長・辻、レインボー・ジャンボたかおのリレー小説を朗読連載中。
読んでくださっているのは、声優の白井悠介さんです!
登録30日間は無料なので、ぜひ聴いてください!
3) 文芸誌『第一芸人文芸部 創刊準備号』の発売店まとめ
2024年2月(後半)に読んだ小説
1)『六人の嘘つきな大学生』 浅倉秋成
いわゆる『人が死なないミステリー』の最高峰だと思う。
すごいものを読んだ。完璧。完璧すぎて恐ろしい。究極の心理戦。
面白すぎて、ゾクゾクしてページを捲る手が止まらず、一気読み。
完全に手玉に取られ、浅倉さんの手のひらの上でコロコロされました。
めちゃくちゃおすすめ!
読書あまりしない人にも胸を張って進めることができる一冊。
ミステリを読むときは、どこでどんな情報が出てきたかメモりながら、整理しながら読むのだけれど、「これはわかった」「これはまだ」の「まだ」が本当に欲しいタイミングで出てくる。どうやってプロット考えてるんだろう。読者が何でモヤモヤするのか完全にわかりきっていないと、こんな極上の作品は書けない。
2024実写化予定だが、その完成もキャストの発表も楽しみすぎる。
———紹介(公式より)———
『教室が、ひとりになるまで』でミステリ界の話題をさらった浅倉秋成が仕掛ける、究極の心理戦。
「犯人」が死んだ時、すべての動機が明かされる――新世代の青春ミステリ。
成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。
全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。
仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。
彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。
2)『俺ではない炎上』 浅倉秋成
いや〜〜〜〜面白い。そして見抜けるかー、こんなトリック。
感想で皆さんが二度読んだと書いている意味がわかった。すごい構成や。途中まですらすら読めてたんやけど、終盤で「ん?」となり、完全に騙されました。
「36.361947,140.465187」はすぐわかって余裕ぶっこいてたけど、慢心はあかんね。誰が担当するかわからないけど、文庫化した時の解説がとても楽しみ。
事件自体もあり得る世の中だけに怖さが際立っていた。実際にこの炎上を起こそうと思えば、誰もが起こせるし、スマホさえあれば手段は整っていることが怖い。自分も他人も武器を持っていることを自覚しておかないといけない。
あと初羽馬の名前(漢字)がずっとツボでした。初ペガサス。初ペガサスの入ってるサークルの主張が胡散臭くて、サクラにガツンと言われた時は爽快感がありました。
————紹介(公式より)————
ある日突然、「女子大生殺害犯」とされた男。
既に実名・写真付きでネットに素性が曝され、大炎上しているらしい。
まったくの事実無根だが、誰一人として信じてくれない。
会社も、友人も、家族でさえも。
ほんの数時間にして日本中の人間が敵になってしまった。
必死の逃亡を続けながら、男は事件の真相を探る。
3)『銀色の青』 笑い飯・哲夫
あーーーおもしろ。アホすぎる小説。
「これ言ったらどう思われるだろう」「こんな顔したらどう思われるだろう」の極み。
主人公の清佐(きよすけ)は、クラスメイトの弥太郎・詩織・玲子と野球部のエースの一挙手一投足を気にしすぎてしまい、振り回され、自己肯定感が奈落の底まで落ちていく。
自分も思春期に、ここまでではないけれど同じようなことを考えたことがあるので懐かしさを感じる部分もあった。簡単には覆せないクラス内の立ち位置や学校でのヒエラルキーはその後の人間形成にも影響すると思うし、中学の時これを読んでいたらどうなっていたのだろうと思う。
そして最後の食堂でのシーンでのまさかの真実も、母とのシーンや清佐と名付けた理由を教えてくれるところはめちゃくちゃ良かった。慈悲。
また哲夫さんの仏教本を読んでからこの小説を読んだので、清佐が雑念だらけであることがおかしくて輪をかけて笑ってしまった。悟りの境地とは真反対。哲夫さんだから書けたのだと思うし、これに似た小説を見たことがない。
よく考えたら漫才でも相席食堂のロケでも、この小説と同じくらいしつこく同じボケしてたな。最高。
—————紹介(公式より)—————
「野球部のエースに、たかが100円返せなんか、おれみたいなやつは言ったらあかんような気がするねん」
貸した「100円」を、自尊心が邪魔して「返せ」と言えない高校2年生の清佐(きよすけ)。そして「100円が返ってこない」ことによって、恋も、友人関係も、壊れはじめ…。リアルな青春小説。
泣けて、驚いて、笑える。
初めての読後感が押し寄せる青春小説。
「衝撃の大どんでん返し」と書店員さんたちが口々にした結末とは――
文豪作品を愛する稀代の漫才師、初の青春小説。
4)『花びらに寄る性記』 笑い飯・哲夫
哲夫さんの書いたアホすぎるエロ小説。エロ小説に「アホ」部門があったら間違いなく1位。『青春』じゃなくて『性春』。
クラスの好きな女子と、性欲の対象としている塾のかわいい女子。2人のことが気になるものの、クラスでも目立たない存在で、女子とまともに会話すらできない主人公はもちろん童貞。もっぱら想像の世界で2人との接触を試みていた。
しかしある日主人公のもとに、2通のラブレターが届く。1通は塾のかわいい女子、もう1通はクラスの好きな女子だった。しかしその2人は、主人公が想像だにしない真意を隠し持っていた。
一章が話のメインで、二章、三章、四章は別の視点から見た一章のアナザーストーリーとなっている構成だが、この視点がすごい。めちゃくちゃ挑戦してる。
不器用で、童貞で、女子と何を話ししたら良いかわからなくて、話しかけられても返事の言葉を考えている間に「きも」と言われてしまうダメな中学生。めちゃくちゃ応援したくなるけれど、その独白部分がもうエロいことだらけで笑ってしまう。けれど最後の神社のシーンは、良かったなあ。中学生の主人公からしても忘れられない体験だろうし、読者の自分にも忘れられない読書となった。とにかくアホ。
発売日見たら、哲夫さん自分の誕生日に出しているし、最高の生き方だなあ。
————紹介(公式より)———
笑い飯 哲夫から全国のへタレ/SM好き/変態男子中学生へ贈るクリスマスプレゼント。
「手を握るどころか好きな女子と一言も会話したことがない」にもかかわらず「変態SMの世界に興奮して仕方がない」「こんなエロいこと考えているのは自分だけかもしれない」……云々。
そんな悩みを抱えながら、ひとり悶々とエロDVDやエロ本でコトを済ましている全国の男子中学生諸君!
笑い飯哲夫はそんな君へ告ぐ。「中学生男子よ、エロ小説を読め!」と。
エロDVD、エロ本、エロ動画など、「エロ」が暗闇から日常の明るい世界ですぐ手に届く存在となってしまったいまの中学生たちは、想像力がすっかり欠如してしまった。
その状況を嘆く笑い飯・哲夫が、即物的な裸の画像よりも、想像の世界で愉しむ「エロ」の素晴らしさを中学生に知ってもらい、想像力、発想力を養い、慈悲深い大人に成長してほしい!
という至極真面目かつ真っ当な志のもと、日本の未来を担う全国の男子中学生に向けて贈る「おもしろくてためになるエロ小説」です。
5)『列』 中村文則
おそろしく文章がうまい。すごい。
独白、描写、セリフ。セリフの間に差し込まれる独白、急な話題転換も不自然さが皆無。
情景が「列」の世界と「雪山」「小屋」が多く、雑音が少ないからだろうか。小説家に文章うまいと言うのは失礼かもしれないが、群を抜いているように感じた。
そして物語。
1部は「列」の世界。
先が見えず、後ろも見えない「列」に知らないうちに並んでいる主人公。後ろの人ともめたり、前の人が少し居なくなった間に前につめたり、ちょっと進んだだけで信じられないほど喜んだり、隣の列の方が良く見えたり。
列あるある。
そして著者インタビューでも語っていたが、「列」は人生や現代社会の象徴ともなっていて、基本的に並ぶ苦しさ、他者と比較して自己肯定感を失ってしまう辛さなどが描かれている。陰鬱で殺風景な世界観。
主人公はなぜ自分が列に並んでいるかだけでなく、自分は誰なのかということさえ忘れてしまっている。
2部は主人公・草間の過去。
大学で非常勤講師として「猿」を研究している草間は、論文を発表して名声を得て、助教授となり安定した職につきたい。行動を共にする石井は、他の大学院に通っている助手。
「群れと群れが接触した時なにがおきるか」をテーマに論文を書くため、猿の群れを追っている。生物学者が積み上げてきたチンパンジーの研究を踏まえた上で、猿人類を研究し何かしらの結論を出すことで、人間と近い動物の習性から人間について深く知ろうとしている。そんなある日、研究小屋の前に猿の死体が転がっていて……。
猿に火を教えようとするシーンはとても良かった。
3部は草間の過去と「列」が結びつく。
「列」の正体、その始まりを知った時は予想と違ってびっくりした。生活をする実態が別にあり、その社会構造を表す象徴として比喩的に、抽象的に「列」が使われていると思っていたが、まさか地続きの物語だったとは。
「1秒と15年」の章が面白かった。石井を殺すかどうか「15年かけて手に入らなかったものが1秒で手に入ってしまう世界」は、けっこうありふれていそうで怖さがあった。
また一部と二部がリンクし人物像が明らかになっていくところは、すごい構成だなと思った。
しかしなんだろう。純粋に物語としてはめちゃくちゃ面白かったのに、もやもやしたものが残る……。
本書が前提とする思想・考え方に共感できないせいで、物語を通して主人公が獲得していく思想・考え方にも共感できなかったことが原因だと思う。
「列」は競い合い、比べ合う社会を象徴し、日本や社会の生きづらさを風刺しているように書かれているが、そんな風に感じたことはあまりない。むしろ日本も社会も自分も希望に満ちているし、列に並ぶことで得られた楽しさや学びがたくさんあったからかもしれない。
僕は一回の人生楽しまないと損だと思って楽観的に生きているタイプ。
読む人によってかなり感想に差が出る作品だと思う。ということはかなり良い小説であり純文学。
6)『カーテンコール』筒井康隆
「これがおそらくわが最後の作品集になるだろう」
帯に大きくそのように書かれている筒井さんの作品集。
1934年生まれの89歳。2020年末~23年、86歳〜89歳までの25作品が収録されている。
巨匠であり、文豪。書き上げ、出版していただけたことがファンとして嬉しい。
SF、ブラックユーモア、ドタバタ劇など、多彩な“筒井ワールド”がギュッと詰め込まれている。
「書いている最中から、『もうこれ以上ないな』と思った」
「書いたら面白そうだという着想はあるけど、書く前や書きかけて、『ああ、これ前に書いてるわ』って」
そうインタビューで語る筒井さんが最後に書き上げたのは、昔知り合った小料理屋の女将が出てきたり、劇団の女優が久しぶりに公演を行ったり、人生を振り返って書いたのだろう。哀愁を感じる題材が多かった。
特に好きだったのは、「楽屋では役作りに専念してください」と助監督に厳しく言われ続け、腹いせに復讐を試みる『楽屋控』、時間航行し、古代人を連れてきて現代の美食を食べさせる『美食禍』。最高のショートショート。
そして以下の3作を語らずには、この本を読んだことにならないだろう。
『コロナ追分』では、コロナ禍の日本・世界の出来事をめちゃくちゃリズミカルな文体で茶化しながら綴った。めちゃくちゃ面白い。そして最後には今を生きる作家へのメッセージが付いている。本当に筋が通った不良作家のままずっと生きてこられたんだなあと、感動した。直木賞選考委員を批判して暴れ回った『大いなる助走』から何一つ変わっていない。最高。
『カーテンコール』は名前+セリフの脚本形式で書かれていて、若いころに見て影響を受けた映画の記憶を、監督や俳優らの奔放な会話を連ねることで想起していく。過去の名作に明るくないから理解できない部分も多々あったので、後で調べて視聴したいと思う。
『プレイバック』では検査入院中の筒井さんのもとに、『時をかける少女』の芳山和子、唯野教授、富豪刑事、パプリカら、過去の作品の主人公が訪れ、筒井さんに向けて「よくもそのように書いたわね!」と非難めいた言葉を残して去っていく。筒井さんしか書けないようなすごい設定。筒井さんは言い訳したり、受け入れて謝ったり。面白いなあ。
そして最後、なんと小松左京と星新一が筒井さんのもとを訪れる。
小松左京は「おれの日本沈没の、たった三十枚のパロディで儲けやがって」
星新一は「そもそもおれのアイデアだ。おれの言ったことやしたことをそのまま小説に書きやがって」と言うために出てきたのだ。
そして最後「なんでそんな長生きなんだよ」と言われた後の筒井さんのセリフ、粋だったなあ。
———紹介(公式より)———
巨匠、最後の挨拶(カーテンコール)は25篇もの怒濤的傑作掌篇小説集!
著者曰く「これがおそらくわが最後の作品集になるだろう」(編集者「信じていません!」)。
筒井文学の主要登場人物が打ち揃う「プレイバック」をはじめ、巨匠がこれまで蓄積した技倆と思索の全てを注いだ、痙攣的笑い、恐怖とドタバタ、胸えぐる感涙、いつかの夢のごとき抒情などが横溢する圧倒的傑作掌篇小説集爆誕!
2024年2月(後半)に読んだネタ本
1)『#アイドルあるある推しごと図鑑』 つぼみ大革命・糸原沙也加
現役のアイドルが綴る、アイドルあるある本。
アイドルあるあると、アイドルファンあるある、どちらも楽しめる構成。
糸原さん自身もアイドルファンでもあるとのことで、あるあるの解像度が高くて面白い!
「曲の終わり頃は次の曲のことで頭フル回転中」「目に汗が入ったのをウインクで誤魔化している」「親の喋り言葉が若くなる」など知らないことたくさんで、そんなこと考えてるんだとか新鮮な発見がたくさんあった。
あるある本としても、アイドルという日本が生み出した素晴らしいお仕事のカタログや図鑑としても楽しめる!
————紹介(公式より)————
つんく♂さんも推薦! 男女問わずアイドルファンを読者対象とした、アイドル側+ファン側の「あるある」集です。
アイドルのあるある→「曲の終わり頃は次の曲のことで頭フル回転中」「曲では『希望』つかみがち」「私服を全身で投稿していたら褒めてほしい合図」 etc.
ファン側のあるある→「推しの誕生日には自分もケーキを食べる」「夜行バスを押さえるのがプロ」「推しを『嫁』と言い出すとアブナイ」 etc.
現役アイドルが自ら、メンバーや他アイドルたちの生態を赤裸々に語り、さらにファン側の行動・生態も含めて楽しくイラスト付きで描く作品です(アイドル自身も、なる前はアイドルファンの子が多いです)。
ファンにとっては、「あるある」本の面白さに加えて、アイドルに近づく(より覚えてもらう)ための心得も学べる実用的な面もあります。
2)『嫌な男あるある - じわじわムカつく言葉 200 』 たつろう
いや〜面白い。自分に当てはまってるところもちらほらあり、ドキッとする。タイトル通りの単なる“嫌な男あるある”ではなくて、嫌な男だけど笑えてしまうあるあるに昇華させているのがすごい。
全てのあるあるが見出しのほか、例文が載ってるんだけど、字数制限があるなか200個も考えるの大変だっただろうなあ。特別収録のおまけ「芸人の楽屋の嫌な男あるある」と、自伝コラムもめちゃくちゃ面白かった。
自分に当てはまっていたのは『オススメを聞いておいて頼まない男』『帰り道は一人になりたい男』『現金持ってこない男』。されて嫌なのは『内容を言わずに予定だけを聞いてくる男』かな。
———紹介(公式より)———
YouTubeチャンネル登録者36万人!絶妙な再現ネタが大人気のたつろう初の単行本。
フジテレビ『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』の常連・たつろうがSNSで発信してきたネタを“読むあるある”に変換&大ボリュームの書き下ろしもつけて書籍化。
ネタの中でも特に反響の高いジャンル「嫌な男」——好きにも嫌いにもなれないけどあまり一緒にいたくない“薄っすら嫌な男”、あなたの周りにいませんか?
リアル過ぎる再現に思い出し怒り&思い出し笑いすること間違いなし。あるあるだとわかった瞬間、日々のストレスが笑いに変わる!
3)『大阪人の格言: 苦しいときこそ笑わなアカン! 』 小杉なんぎん
人間関係から人生訓まで『笑い』の一言で世渡りしてきた大阪人の知恵が詰まっている。大阪在住のコラムニストである小杉なんぎんさんだからこそ書けた一冊。
めちゃくちゃ面白い。ずっと読んでいられる。
聞いたことあるものからマニアックなもの、いつ使うんや!って思うものまでたくさん収録されている。
気に入ったものをいくつか。
・「今のセリフ、瞬間冷凍させてもろたで」
禁煙や禁酒を人前で宣言すると、首根っこを掴むようにこう宣言する大阪人がいる。対義語は「お前のセリフは、すぐ腐ってまうのお」
・「牧場は北海道やで」
大阪人の言い回しに源までさかのぼるというのがある。
例えばうどん屋で肉うどんを注文して出てくるのが遅かったとする。
はじめは「肉うどんまだか?」「えらい、遅いのお」くらいだが、それでも全然注文がこないと「肉買いに行ってんのか?」「牛育ててるんか?」「牧場は北海道やで」まで行き着く。
・「やる気とお日さんは出すもんちゃう、出るもんや」
人のやる気は出そうと思って出るわけではない。
・「下向いても地べたしかないで」
叱咤激励の言葉も大阪ではこうなる。落ち込んで俯いていてもいけない、胸を張れという意味。
・「花が枯れんと、花瓶は見えへんからねえ」
外見の美しさに惚れて付き合ったけれど、内面がとんでもない奴だった時に言う言葉。花の美しさに目を奪われて、本質が見えていなかったことになる。
———紹介(公式より)———
「下向いても地べたしかないぞ」「きつねうどんにきつねはおれへんで」「出世魚も最後は刺し身や」「大吉出るまでおみくじ引き続けんかい」「人生やり直すんやったら精子からやり直せ」「百パーセントはジュースだけにしとこ」「無理はせなあかん。けど、無茶はしたらあかん」
辛らつだけど、どこか温かくて、ときどき真理をついている。そんな魅力あふれる言葉を集めた、読むだけで元気が湧き出る「大阪人の格言」集!
逆境を軽やかに生き抜くための大阪人の言葉165を収録。
拙著『きょうも芸の夢をみる』について
“芸人”をテーマにして書いたショートショート&短編小説集『きょうも芸の夢をみる』について、こちらの記事に発刊への想いを綴っています。
そして以下のリンクから芸人の解散をテーマにして書いたショートショート『エルパソ』を無料公開しているので、ぜひ読んでみてください!
思い出写真
面白いもの書きます!