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約束を守るため、走れメロス!文豪が綴る物語から生まれた2-wayリング

指きりげんまん♪ 太宰だざいおさむ著『走れメロス』の主人公が守り通した「約束」をテーマにした、イヤーカフにもなる小指用のリング

 メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐じゃちぼうぎゃくの王を除かなければならぬと決意した。

「走れメロス」より

みなさま、こんにちは!
歴史と読書が好きなミュージアム部プランナー・ささのはです。
note冒頭の引用文に、いきなり何事!?となった方もきっといらっしゃいますよね。ご紹介させていただきますと、この文章は太宰治によって書かれた『走れメロス』という小説の書き出しにあたる部分なのです!

『走れメロス』とは:妹の結婚式準備の買い物をしに、都・シラクスの市にやってきたとある羊飼いの青年・メロスは、市全体に漂う寂しく陰気な雰囲気に気がつく。街ゆく人から「王が人を信じられず、罪のない民を殺している」と聞いたメロスは激怒し、その足で暴君が君臨する城へ。王の怒りを買ったメロスは「三日後に街に戻って殺される」ことを約束し、親友セリヌンティウスを人質に置いて妹のもとへ急ぎ戻るが……。
古代ギリシャの伝説とドイツ人作家の詩をもとに作られた、友情と信じる心の尊さを知る、太宰治がつづった物語の中でも特に明るく救いのあるお話。

『走れメロス』は国語の教科書に掲載されていることが多いため、知っている! 読んだことある! という方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん私もそのうちの一人!!

荒波にもまれ予期せぬ困難を打ち倒し、心身ともに疲労困憊ひろうこんぱい&くじけそうになりながらも、最後は「友に信じられているから」というただ一点のみを拠り所に、約束を守るため駆け抜けたメロス……!! 完全無欠の存在とは言えない人間が、守りたいもののために血反吐ちへどを吐きながら必死にがんばる姿はカッコイイ!!!
そんな甘酸っぱい想いを青春時代に抱いたプランナーが、ものづくりができる仕事に就いて数年の時が経ち……ある日ついに気がついたのでございます。

メロスは約束を守った⇒約束といえば「指きりげんまん」⇒メロステーマで小指に関するグッズを作れば最強なのでは……!?

という訳で、そんなひらめきをきっかけに名作『走れメロス』に着想を得たピンキーリング(兼イヤーカフ)を作りました^^

ミュージアム部 太宰治著『走れメロス』の約束をともす
イヤーカフにもなるピンキーリングの会

月1個 ¥2,000(+10% ¥2,200)
※1個だけ(1ヵ月だけ)の購入も可能です。
※詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご確認ください。

指輪は物語の重要シーンをモチーフにした、古代文明の雰囲気漂う繊細なデザイン。ラインナップをご紹介いたします♪


い友たちの約束〉

 竹馬の友、セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。暴君ディオニスの面前で、き友と佳き友は、二年ぶりで相逢うた。メロスは、友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言で首肯うなずき、メロスをひしと抱きしめた。友と友の間は、それでよかった。

『走れメロス』より

〈佳い友たちの約束〉リングは、古代ギリシャを代表する装飾文様「メアンドロス模様」と、“約束”という花言葉を持つ「三つ葉のクローバー」をモチーフにしています。
メアンドロス模様はトルコにあるマイアンドロス川(メンデレス川)の名前に由来する柄で、その連続したデザインから“永遠”という意味を持つとも言われているそう。久しぶりの再会にも関わらず友人を信じた親友セリヌンティウスとメロスの間にある、永遠に変わらない友情を表現してみました。


〈荒れくるう大浪おおなみ

「ああ、しずめたまえ、荒れ狂う流れを! 時は刻々に過ぎて行きます。太陽も既に真昼時です。あれが沈んでしまわぬうちに、王城に行き着くことが出来なかったら、あの佳い友達が、私のために死ぬのです。」

『走れメロス』より

メロスが親友を人質として都に置き、急いで村に戻って挙行させた妹の結婚式の翌日のシーンより。〈荒れくるう大浪〉リングは、暴君のもとへと急ぐメロスの眼前に突如現れた「濁流渦巻く川」をモチーフにしています。
古代ギリシャの壺などに描かれる波文様を参考にした、激しく立つ波頭と飛び散る波しぶきのデザインで、川岸に辿たどり着いた瞬間にメロスが感じた絶望を表現してみました。


棍棒こんぼうを携えた山賊たち〉

「何をするのだ。私は陽の沈まぬうちに王城へ行かなければならぬ。放せ。」
「どっこい放さぬ。持ちもの全部を置いて行け。」
「私にはいのちの他には何も無い。その、たった一つの命も、これから王にくれてやるのだ。」
「その、いのちが欲しいのだ。」

『走れメロス』より

メロスが濁流渦巻く川をなんとか泳ぎ切った後、日が西に傾き始めたシーンより。〈棍棒を携えた山賊〉リングは、メロスがなんとか登りきった「峠」と、王城へと急ぐ彼の前に立ちふさがった「棍棒を持った山賊たち」をモチーフにしています。
古代ギリシャの壺などに描かれる人々のポーズを参考に、山賊たちは全員横を向いたデザインに。作中でメロスが山賊を三人殴り倒して走り抜けた描写があるので、リングデザインも打ち倒される三人にフォーカスしてみました。


〈三日目の日没〉

それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。

『走れメロス』より

濁流を突破し山賊と対決、そして照りつける灼熱しゃくねつの太陽。容赦なくたたみかけてくる厳しい現実に一度は心折れかけたメロスが、再び立ち上がり走り出すシーンより。〈三日目の日没〉リングは、ずんずんと地平線に沈みゆく「赤く大きい夕陽とその残光」をモチーフにしています。
作中の描写を参考に、まっすぐな地平線に太陽がかすかに顔をのぞかせるデザインに。葉や枝を燃えんばかりに赤く輝かせる斜陽は、きらきら輝く光をイメージした小さな粒の連なりで表現してみました。


物語の舞台とされる古代文明の雰囲気漂うデザインを、かすれた質感が高級感を感じさせるメッキで仕上げました♪

指輪は、サイズの微調整が可能なオープンタイプ。ゆっくり広げると、5~7号サイズに調整できます。

メロスが王と交わした約束を込めた、小指用のリング。身に着けたら、どんな約束だって守れそう♪

集めて重ね着けにしても◎

オープンタイプだから、イヤーカフとしても楽しめます。

しっかりした作りのパッケージにセットしてお届けします。大切なお友だちへのちょっとしたプレゼントにも最適です^^

〈荒れくるう大浪〉の台紙は、すべてを呑み込まんばかりに渦巻く暗い川をイメージしています

人にとって本当に大切なことは何か。そんな中々答えの出ない問題に、ほんのりと、ひとつの答えを示してくれる名作『走れメロス』。
久しぶりにその名前を聞いたという方も、愛読書にメロスを挙げる方も、このピンキーリングを身に着けて物語のページをめくってみたら、また新しい答えが見えるかもしれません。

ミュージアム部 太宰治著『走れメロス』の約束をともす
イヤーカフにもなるピンキーリングの会

月1個 ¥2,000(+10% ¥2,200)
※1個だけ(1ヵ月だけ)の購入も可能です。
※詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご確認ください。


「本当にあった昭和版メロス」

実は作者・太宰治も、メロスと同じく「とある約束のために友人を人質に置き、一時撤退した」経験があります。人呼んで「熱海あたみ事件」!!

~熱海事件とは??~

作家・檀一雄だんかずおは、太宰の妻に頼まれて、熱海の宿に宿泊する太宰にお金を届けることに。彼を東京に連れ戻す任務を兼任していたにも関わらず、新しく遊ぶお金をゲットした太宰に誘われた結果、二人はそろって放蕩三昧ほうとうざんまい!!!
そして当然、借金はさらに増え……。それらをなんとか返済するべく、太宰は「お金を借りに東京に行き、すぐ熱海に戻ってくる」と約束し、宿を|《た》発ったのです。

フラグの予感!!

借金取りの人質として熱海に残った檀。しかし、待てど暮らせど太宰は帰らず……。しびれを切らした檀が方々に頭を下げつつ太宰を探しに東京へおもむくと、なんと彼は自身の師匠・井伏鱒二いぶせますじの家で将棋を指していました!!!!
あまりのことに怒り心頭に発する檀に向かって、太宰は泣きそうな顔で「待つ身が辛いか、待たせる身が辛いか……」と暗くつぶやいたそうな。

現実は厳しく、『走れメロス』のようにはいかないということですね><
でも、師匠にお金のことを言い出せずにダラダラしてしまう太宰の方が、ある意味メロスより人間らしいかもしれません

記事内の作中文章引用元:
①太宰治(1940)『走れメロス』青空文庫より


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