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メタバースで何が便利になるのだろう?

個人的に今のメタバースは未体験なのですが、10年以上前に流行った「セカンドライフ」は割とのめり込んでいました。

セカンドライフと今のメタバースで、何が変わったのかよく分からないのですが、確かに処理速度は速くなっているから、細かい描写とかスピードといったものはクオリティアップしているのでしょうね。
でも、本質的には、一体何が変わったのでしょうか?

頭の中にはセカンドライフのイメージしかないので恐縮ですが、その感覚で話していきます。

産業利用で何が便利になるのか?

三次元の仮想空間は、それなりのワクワク感とか、癒しもあって、それなりの面白さがある空間ではあるから、ゲームとかレジャー、シミュレーションの要素はあると思うのですね。
だから、そういう方面での利用なら、メタバースに新しい空間を作ってそこで楽しむというのは理解できます。

現に僕もセカンドライフで旅行をして、心地よい気持ちになったり、サンドボックスで3Dオブジェクトを作って動かしたり飛ばしたりして楽しんでいました。

セカンドライフの失敗

でも、あの頃のセカンドライフは、失敗したのです。感覚的に2010年〜12年ぐらいには誰もいないゴーストタウンが広がっていて、寂しい気持ちでその中を歩きました。
どう失敗したかというと、大手企業がこぞって参入したのに、成果が上がらなかったのです。

その一つには、処理速度の問題があったかもしれません。
大きな広場を作ってイベントを開催しても、何百人と人が集まると動かなくなったりした記憶があります。効果的に大衆に情報伝達ができなかったのですね。

あと、3Dでモノを作って売る人が沢山いましたが、単価がとても安かったのです。何百円というレベルです。正直なところ、ままごとみたいだなあと思いました。

利便性とか効率とか

新しい技術が出てきたときに、普通は利便性が高まったり、効率が上がったりするものだと思います。

たとえばホームページが登場したときに、寝ていても商品が売れていくというわけで24時間働く営業マンや販売員みたいなものだと言われました。

電子メールが登場したとき、相手の都合に関係なくメッセージが送れるということで、お互いに時間を同期させなくても、好きなときに発信してコミュニケーションができるようになりました。

SNSが登場して、個人間のやりとりが活発になりました。電子メールの利便性をそのままに、新たに多対多のマルチなコミュニケーションや、情報が拡散するというメリットが享受できるようになりました。

しかし、メタバースはどうなのでしょうか?
3Dアバターは、自分で操作しなければなりません。話すときも、自分が話す必要があります。相手とコミュニケーションをするとき、お互いに時間を共有してリアルタイムにやり取りしないといけません。
リアルタイムなら、直接自分を表示できるZoomのようなもので済むのではないでしょうか。

ホームページやブログのように、ウェブサイトに書いておけばみんなが勝手に見るというものではありません。
SNSのように、自分が好きなときに投稿に「いいね」するというリアクションはありません。必ずその場に一緒にいて、リアクションをしないといけないのですね。

つまり、ウェブサイトのように勝手に取引してくれるバーチャル・エージェントではなくて、常に自分が出て行って取引しないといけないのです。

こんな効率の悪い、不便なコミュニケーション手段のどこに、企業は目をつけて投資するのでしょうか?
それが、僕は頭が悪くて想像できません。

例えば、アバターがエージェント(代理ロボット)として機能するのであれば、人間は操作から解放されます。
アバター同士が勝手に取引して、成果を上げることができると思います。
ただそうなると、三次元のアバターという存在を誰も見ないので、三次元である必要も無いような気がします。
普通にウェブサイトでいいのでは?あるいはバックグラウンドで動くデーモンでいいのでは?と思ってしまいます。

声高にメタバース、メタバースと言うけれど

マスコミ含めて「これからはメタバース」みたいなことを言いますが、メリットをきちんと理解しているのでしょうか?

利便性や効率を考えると、ウェブサイトやSNSの方がいいケースも沢山あると思います。
冒頭に書きましたが、ゲームやレジャーとして捉えるならいいのですが、産業の効率化を図ろうとする目的で、メタバースって使えるのでしょうかね。
それでビジネスが加速するのでしょうか?

何度も言いますが、ゲームならいいと思います。
現に、ゲームの世界は大きな市場を持っているから、そこにメタバースがドッキングするのなら、一定の大きな市場を形成できると思うのですね。

でも、そうじゃない産業分野で、メタバースを利用するメリットが、僕は掴めずにいます。ウェブサイトやSNSで十分なことばかりのような気がします。

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