社畜は死語になりつつある
最近「社畜」という言葉を聞かなくなったなあと思っているところ。
社畜とは
社畜とは、会社員のことを悪く言う言葉なのですが、その意味合い・背景・ニュアンスとしては・・
会社の仕事ばかりで自分の時間が持てない
やりたくない仕事をさせられて自己肯定感が持てない
起業家や自営業者の自己体験に基づく会社員のイメージ
会社員が自分の辛い日常を吐露したい
といった辺りだと思います。
「社畜」という言葉の現状
ツイッターを検索してみると、次のような投稿が多い印象です。
「社畜」がアカウント名に含まれている
自分のことを「社畜」と言っている
つまり、他人に向かって「社畜」を用いている人はかなり少なそうですね。
だいたい「社畜」って、受け止め方としてあまりいい感じがしない言葉なので、あんまり使いたくないなという気持ちが起きやすい言葉だと思います。
だから、特に言う必要がなければ、言わないで済ませられる言葉なのでしょう。
なぜ聞かなくなってきたのか
そもそもは、長引く平成の大不景気の頃に、組織に縛られない自由な生き方(働き方)として「フリーランス」が注目されたり、自ら仕事を作り出そうとする「起業家」が増えたりした中で「社畜」という言葉が生まれてきたのだと認識しています。
会社の奴隷のようになって働く人々を嘲笑するような表現として使われていたのではないでしょうか。
フリーランス・起業家も大変
しかし令和以降、フリーランスも決して楽じゃないということが分かってきました。組織にも法律にも守られない形で、組織からいいように利用される自営業者も多いという実情が見えてきたからです。
また、昨今の情勢により、
起業したとしても事業がうまくいくイメージが持ちにくい
実際に世の中の経営者も辛い思いをしている
ということで起業家もやはり大変だという認識が広まっている可能性があります。
このようなことで、少なくとも他人のことを「社畜」だと言っていられない状況が生まれています。
会社員にも楽しい面がある
昭和の喜劇王 植木等は
「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」
と歌っていましたが、昔の感覚だと、自営業者や経営者から見るとサラリーマンは気楽でいいというイメージがあったのですね。
その感覚が今は無くなったかというと、そうでもないと思います。
会社員はなんだかんだ言っても、とりあえず一ヶ月働いたらちゃんと給料をもらえるという生活をしているので、それだけでも気楽だと言うことができます。
世の中には「趣味」やお金にならない「活動」が好きな人も沢山いるため、そういう人にとっては、安定的に趣味や活動ができるバックグラウンドとして、会社員という仕事を選ぶ動機があります。
また、事業を起こすほど独自性やマネジメント能力がない人は、会社員の方が向いています。
なにかの能力にたけていても、経営が苦手な人、そういうものに時間を割きたくない人にとっては、会社員は魅力的な働き方なのです。
平成から令和になり、時代背景も変わってきていて、一時のブームも収束した感じがある今日この頃、「社畜」という捉え方も薄れてきたのではないでしょうか。
そもそもスラングだった?
「社畜」という言葉は、起源は知らないのですが、もともとはツイッターやネット掲示板などで好んで用いられた「スラング」だったのではないでしょうか。
その意味では、もともとメジャーな言葉でも無かった気もするのですね。これからも細々と使われていく言葉なのかもしれません。
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