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なぜ視覚風景にはただちに前後が見て取れるのか、あるいは、ものの近い遠いをほぼ誤ることな…

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なぜ視覚風景にはただちに前後が見て取れるのか、あるいは、ものの近い遠いをほぼ誤ることなく生きていられるのか、考えている日々です。

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antediluvian murmurings

生まれて来なければよかったと つぶやき続ける子らよ 生まれて来るものはわざわいだと どうして知りえなかったのか 生まれてくる前にもどるすべに なぜ気づかないのか 生ま…

exarator
6か月前

nos interdiscentes

まなびあえるさいわいに いつになれば おもいいたるのか 自分のために学ぶものは いくらもどこにもいるだろう 自分のためと学ばせる親も 数限りなくはびこっている ひとを…

exarator
4年前
2

lied van bloemen

くさばなはうたい 樹々は楽をかなで 風にからだを揺らす こころもからだも みなをまねき 歓待する なまえを生きているけど 自分からは名乗らず ことばで応答せずとも 姿の…

exarator
4年前

voluntary slavery

自由なひろば かけまわる野原 こどもだけ 自由勝手に作られた王国は おとぎ話になった この世界に生まれてきたのに 生まれた途端に 国に大人に囚われ 小さな大人として 大…

exarator
4年前
1

vestigia vivendi

ひろばではねまわるおさなごら 頭から天に向かって生きる ああ遠く過ぎ去ったことと 今を笑い飛ばすことに 知恵まわし 次から次 繰り出す話に うれしくもにがく かなしくも…

exarator
4年前
1

brutal desire myth

かわきの限界 もうこれ以上耐えられないからと いのちは失いたくないからと 目にした湧き水に ともをはねのけ突き倒し のどをうるおす ひとはそんなことはしない 飢えの限…

exarator
4年前
2

inania memoriae

君は記憶の空隙をのぞきに行ったかい ちょっと素敵な思い出たどって 味わってごらん いつもどおり 今までどおり とてもしあわせな気持ちになれたかい では今度はわたしが一…

exarator
4年前
2

esprit sans entrave

注がれたコーヒーの向こうから まわりの雑踏にも哄笑にも 紛れぬしなやかな響き 日々、顔合わせるとき 時の流れを充溢して 奏でられるディアローグ 初めて出会い 初めてこ…

exarator
4年前
1

compaignon

この世に生きる手だて尽きるとき よわきもの ちからなきもの まずしきもの やまいに陥ったもの からだの自由こころの自由喪失したもの みないかになせば パンとスープにあ…

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4年前
4

aventure nocturne

よるのとばりに天空の星またたき ともにつどいとなりにならび 未来に向かい泳ぎいでる 交わすことばにこころひびきあい 世界をおりなすあやをとき 世界の現相にひるむこと…

exarator
4年前
3

violence insensée

敗北の朝 敗因は自明のものだった あの時あそこで だれがこれをこうしておけば そんな反省をすること 無駄だった 敗北は戦う前に決していた 理念なき集団に勝利はない だれ…

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4年前
4

ἀπαιδευσία

こどもはあしたをつくる この地球が終わりかけて あと100年先も見えなくなって 目に見えないこどもに気がついた されどそれはほんの限られたところに 止まりつづけ 地球が…

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4年前
3

εἰς τὴν ἀγοράν

雑踏のなかに なにを求めて 埋没するか 都市化されて 単純化されたルーティーンに 埋没する労働が からだに染みこみ それがそのひとを つくりあげ 埋没することに 意味もな…

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4年前
6

cutibus mutatis

季節がめぐりめぐって ころもをぬぎかえるように はだかの自分を ぬぎかえようと ひとつの自分を この肌からそぎおとすと ひりひりいたみ いままでの うらみつらみ うそい…

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4年前
4

dormiens pennata

手も足も もはや自分のものだということも忘れ 全身すみずみ からだの奥まで 眠りにひきこまれ どこに来たかも いつからだったかも どこにどうして打ち伏せたかも 憶えぬま…

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4年前
3

monologists

あなたもわたしも 生きている すべてをそのままに 何かがつつみこんで 外から見守られなければ この世界は立ち行かないのか もしそうだとしても だからといって あなたもわ…

exarator
4年前
3
antediluvian murmurings

antediluvian murmurings

生まれて来なければよかったと
つぶやき続ける子らよ
生まれて来るものはわざわいだと
どうして知りえなかったのか
生まれてくる前にもどるすべに
なぜ気づかないのか
生まれてくる前にもどるとは
いまの世における命を
断つこととお思いか
もしそうであるならば、
あなたはまた
生まれて来なければよかったと
つぶやくだろう
命を断つとは、御身を傷めることと
異なることか
御身を傷めて、いまの世を去れば
「生

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nos interdiscentes

nos interdiscentes

まなびあえるさいわいに
いつになれば
おもいいたるのか
自分のために学ぶものは
いくらもどこにもいるだろう
自分のためと学ばせる親も
数限りなくはびこっている
ひとを押しのけ生き抜くために
まなぶことしか生まれてこのかた
教わったことのないおとなは
どれだけいるだろう
この社会を
自分の頭で
自分の足で立って
考え作り変えていくために
みながみな
だれもがだれからも
まなびあえる自由とさいわいを

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lied van bloemen

lied van bloemen

くさばなはうたい
樹々は楽をかなで
風にからだを揺らす
こころもからだも
みなをまねき
歓待する
なまえを生きているけど
自分からは名乗らず
ことばで応答せずとも
姿のうちに
四季の移りゆきにあわせ
四季の歌うたい
天の響きを伝えゆく

voluntary slavery

voluntary slavery

自由なひろば
かけまわる野原
こどもだけ
自由勝手に作られた王国は
おとぎ話になった
この世界に生まれてきたのに
生まれた途端に
国に大人に囚われ
小さな大人として
大人の自画像を生きらされ
どこもかしこも
無表情の兵舎か鶏小屋に
家から追い出され
閉じ込められ
毎日毎日奴隷のように
黙従するあやつりに
つくられるため
唯一自由寝具宇宙をはぎとられ
てくてく
とぼとぼ
歩かされ
整列させられ
すわ

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vestigia vivendi

vestigia vivendi

ひろばではねまわるおさなごら
頭から天に向かって生きる
ああ遠く過ぎ去ったことと
今を笑い飛ばすことに
知恵まわし
次から次
繰り出す話に
うれしくもにがく
かなしくもあまく
あかるくもすっぱく
だれからも話止めず
時に目一杯悪ぶり
ののしりこぶしをつくり
時にこみあげるおもいに
なみだをそそぎ
時に顔を歪め
おい詰まりいのちを断たんばかりに
嘆きに沈む
今を笑いにつどう三すじの航跡
昨日までは続

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brutal desire myth

brutal desire myth

かわきの限界
もうこれ以上耐えられないからと
いのちは失いたくないからと
目にした湧き水に
ともをはねのけ突き倒し
のどをうるおす
ひとはそんなことはしない
飢えの限界
もうこれ以上たえられないからと
自分の命は百万倍愛おしいからと
はらからの手にするパンをぶんどって
はらからを撲殺する
ひとはそんなことはしない
ひとのいのちを軽んじるのは
うえやかわきの限界の前から
欲望になりふりかまわず暴力を

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inania memoriae

inania memoriae

君は記憶の空隙をのぞきに行ったかい
ちょっと素敵な思い出たどって
味わってごらん
いつもどおり
今までどおり
とてもしあわせな気持ちになれたかい
では今度はわたしが一緒に
その始まりはいつだったの
ここね、ものがたり、ここで始まったのね
君の後ろで同じ景色を見ていたひとが
ほらあそこに、君には見えにくかったけど
でも熱中していたのは、見たくなかったからかも
あのひと忘れていたの
見覚えあるんだ、立

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esprit sans entrave

esprit sans entrave

注がれたコーヒーの向こうから
まわりの雑踏にも哄笑にも
紛れぬしなやかな響き
日々、顔合わせるとき
時の流れを充溢して
奏でられるディアローグ
初めて出会い
初めてことばを交わすかのように
とつとつとおずおずと
なにも定められていないかのように
ふみしめられながら
その日そのとき
互いに生きるこの世界で
逃げようもない問いに
笑いで逸らす迎合を断ち
だれがだれを責めかかるのでなく
自分こそはと証言

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compaignon

compaignon

この世に生きる手だて尽きるとき
よわきもの
ちからなきもの
まずしきもの
やまいに陥ったもの
からだの自由こころの自由喪失したもの
みないかになせば
パンとスープにありつけるのか
手だてが尽きているのが
だれの目に見えていても
働いてお金を稼いで
ものを買えと
ルールを忘れるなと
棍棒誇示して立ちはだかるのか
パンを配るために
パンをみな分かちあうために
君らは貧しきものに雇われている
富めるもの

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aventure nocturne

aventure nocturne

よるのとばりに天空の星またたき
ともにつどいとなりにならび
未来に向かい泳ぎいでる
交わすことばにこころひびきあい
世界をおりなすあやをとき
世界の現相にひるむことなく
あらがいたちむかい声かけよびあい
おしよせる波濤に声うちけされても
たがいのいのちをささえつつ
ふれあいにつつまれて
世界地平の向こうへ
おたがいの生きたあかしを
きざみゆく

violence insensée

violence insensée

敗北の朝
敗因は自明のものだった
あの時あそこで
だれがこれをこうしておけば
そんな反省をすること
無駄だった
敗北は戦う前に決していた
理念なき集団に勝利はない
だれが何のために
だれのために戦っているのか
本気で考えたこともない
戦う前にともに戦う友の前で
何を語るべきか
ひとの戦いの歴史も知らず
ただ無言でしたがうあやつりと
生きた戦いがなせると
見誤ったとき
戦いは決していた
戦いは殺意を

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ἀπαιδευσία

ἀπαιδευσία

こどもはあしたをつくる
この地球が終わりかけて
あと100年先も見えなくなって
目に見えないこどもに気がついた
されどそれはほんの限られたところに
止まりつづけ
地球がおわりつづけていることも
人類がみずから首をしめていることも
うすうす気づきながら
おとながこどもをそだてることも
みずからおやになるまなびもわすれ
こどものまえで
こどものてをひきながら
平気でしてはならないことをし
まわりからみ

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εἰς τὴν ἀγοράν

εἰς τὴν ἀγοράν

雑踏のなかに
なにを求めて
埋没するか
都市化されて
単純化されたルーティーンに
埋没する労働が
からだに染みこみ
それがそのひとを
つくりあげ
埋没することに
意味もなく向かう
集合生物
作られたエンターテインメントの中に
作られた祝祭の中に
自分の解放を求めて
埋没する集合生物
作られた消費
作られた埋没
作られた自己解放
すべてはひとを商品化したがために
雑踏に埋没する中に
商品化を脱する手

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cutibus mutatis

cutibus mutatis

季節がめぐりめぐって
ころもをぬぎかえるように
はだかの自分を
ぬぎかえようと
ひとつの自分を
この肌からそぎおとすと
ひりひりいたみ
いままでの
うらみつらみ
うそいつわり
その時のにがみくるしみを
いまに改めてはだに
きざんだ
わたしは鏡のなかで
まだまだ哀しみを
たたえていた
愛された子ではなかったと
泣き始めていた
わたしはさらにころもを
ぬぎかえるように
素のままの自分を
ぬぎかえようと

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dormiens pennata

dormiens pennata

手も足も
もはや自分のものだということも忘れ
全身すみずみ
からだの奥まで
眠りにひきこまれ
どこに来たかも
いつからだったかも
どこにどうして打ち伏せたかも
憶えぬまま
すべて自分の持続が消え失せる時
うつりゆき
眠りの底の底にいたって
数えられぬ時の果て
突如目もあざやかに
灼熱の砂漠に立って
焼けつくような足を
砂にとられつつ
歩むや数歩
背を鷲掴みされて
大空に舞い上がる
さしつらぬく光の

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monologists

monologists

あなたもわたしも
生きている
すべてをそのままに
何かがつつみこんで
外から見守られなければ
この世界は立ち行かないのか
もしそうだとしても
だからといって
あなたもわたしも
生きているその違いを
打ち消し
みんな何もかも
ひとしなみに
ものとして支配する道具に
この世界がしばられて
いかなければならない
そんなことには
ならないけれど
どこまでいっても
いつの世でも
だれでも
おたがいのちがいの

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