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esprit sans entrave

注がれたコーヒーの向こうから
まわりの雑踏にも哄笑にも
紛れぬしなやかな響き
日々、顔合わせるとき
時の流れを充溢して
奏でられるディアローグ
初めて出会い
初めてことばを交わすかのように
とつとつとおずおずと
なにも定められていないかのように
ふみしめられながら
その日そのとき
互いに生きるこの世界で
逃げようもない問いに
笑いで逸らす迎合を断ち
だれがだれを責めかかるのでなく
自分こそはと証言台に立つ
都市の自由において
日々の暮らしを破り
人生に刻まれる時として
そこに立ち合い
この生全体に投げかけられ
応答せずには生きられぬ衝迫に
ことばを削り
ことばをみがき
天に響けと歌いあげ
澄みわたる風景を共に探し求める
コーヒー重ねながら
あすまたあなたに出会えないとしても

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