exarator

なぜ視覚風景にはただちに前後が見て取れるのか、あるいは、ものの近い遠いをほぼ誤ることな…

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なぜ視覚風景にはただちに前後が見て取れるのか、あるいは、ものの近い遠いをほぼ誤ることなく生きていられるのか、考えている日々です。

最近の記事

antediluvian murmurings

生まれて来なければよかったと つぶやき続ける子らよ 生まれて来るものはわざわいだと どうして知りえなかったのか 生まれてくる前にもどるすべに なぜ気づかないのか 生まれてくる前にもどるとは いまの世における命を 断つこととお思いか もしそうであるならば、 あなたはまた 生まれて来なければよかったと つぶやくだろう 命を断つとは、御身を傷めることと 異なることか 御身を傷めて、いまの世を去れば 「生まれて来なければよかった」と つぶやくことはなくなると どうして確かめられよう

    • nos interdiscentes

      まなびあえるさいわいに いつになれば おもいいたるのか 自分のために学ぶものは いくらもどこにもいるだろう 自分のためと学ばせる親も 数限りなくはびこっている ひとを押しのけ生き抜くために まなぶことしか生まれてこのかた 教わったことのないおとなは どれだけいるだろう この社会を 自分の頭で 自分の足で立って 考え作り変えていくために みながみな だれもがだれからも まなびあえる自由とさいわいを 求めて生きることがなければ 生きたことばを語れるおとなは 育たず こどもたちにも

      • lied van bloemen

        くさばなはうたい 樹々は楽をかなで 風にからだを揺らす こころもからだも みなをまねき 歓待する なまえを生きているけど 自分からは名乗らず ことばで応答せずとも 姿のうちに 四季の移りゆきにあわせ 四季の歌うたい 天の響きを伝えゆく

        • voluntary slavery

          自由なひろば かけまわる野原 こどもだけ 自由勝手に作られた王国は おとぎ話になった この世界に生まれてきたのに 生まれた途端に 国に大人に囚われ 小さな大人として 大人の自画像を生きらされ どこもかしこも 無表情の兵舎か鶏小屋に 家から追い出され 閉じ込められ 毎日毎日奴隷のように 黙従するあやつりに つくられるため 唯一自由寝具宇宙をはぎとられ てくてく とぼとぼ 歩かされ 整列させられ すわらさせられ 一方的に耳にあれこれ投げこまれ 鸚鵡返しできないものは 人間でないか

        antediluvian murmurings

          vestigia vivendi

          ひろばではねまわるおさなごら 頭から天に向かって生きる ああ遠く過ぎ去ったことと 今を笑い飛ばすことに 知恵まわし 次から次 繰り出す話に うれしくもにがく かなしくもあまく あかるくもすっぱく だれからも話止めず 時に目一杯悪ぶり ののしりこぶしをつくり 時にこみあげるおもいに なみだをそそぎ 時に顔を歪め おい詰まりいのちを断たんばかりに 嘆きに沈む 今を笑いにつどう三すじの航跡 昨日までは続けてきた 今日もたった今の今まで この足元まで人生がついてきた さて明日をどうや

          vestigia vivendi

          brutal desire myth

          かわきの限界 もうこれ以上耐えられないからと いのちは失いたくないからと 目にした湧き水に ともをはねのけ突き倒し のどをうるおす ひとはそんなことはしない 飢えの限界 もうこれ以上たえられないからと 自分の命は百万倍愛おしいからと はらからの手にするパンをぶんどって はらからを撲殺する ひとはそんなことはしない ひとのいのちを軽んじるのは うえやかわきの限界の前から 欲望になりふりかまわず暴力を振るうものだとは いったいいつだれがつくりだして 暴力を肯定してきたのか 分かち

          brutal desire myth

          inania memoriae

          君は記憶の空隙をのぞきに行ったかい ちょっと素敵な思い出たどって 味わってごらん いつもどおり 今までどおり とてもしあわせな気持ちになれたかい では今度はわたしが一緒に その始まりはいつだったの ここね、ものがたり、ここで始まったのね 君の後ろで同じ景色を見ていたひとが ほらあそこに、君には見えにくかったけど でも熱中していたのは、見たくなかったからかも あのひと忘れていたの 見覚えあるんだ、立ち止まっちゃだめ 帰れなくなるから また忘れることにして、次に行こう ここが君を

          inania memoriae

          esprit sans entrave

          注がれたコーヒーの向こうから まわりの雑踏にも哄笑にも 紛れぬしなやかな響き 日々、顔合わせるとき 時の流れを充溢して 奏でられるディアローグ 初めて出会い 初めてことばを交わすかのように とつとつとおずおずと なにも定められていないかのように ふみしめられながら その日そのとき 互いに生きるこの世界で 逃げようもない問いに 笑いで逸らす迎合を断ち だれがだれを責めかかるのでなく 自分こそはと証言台に立つ 都市の自由において 日々の暮らしを破り 人生に刻まれる時として そこに

          esprit sans entrave

          compaignon

          この世に生きる手だて尽きるとき よわきもの ちからなきもの まずしきもの やまいに陥ったもの からだの自由こころの自由喪失したもの みないかになせば パンとスープにありつけるのか 手だてが尽きているのが だれの目に見えていても 働いてお金を稼いで ものを買えと ルールを忘れるなと 棍棒誇示して立ちはだかるのか パンを配るために パンをみな分かちあうために 君らは貧しきものに雇われている 富めるものの倉を守るためではない 倉を開放して無事分かち合うためだ 君らはだれを守ろうとし

          compaignon

          aventure nocturne

          よるのとばりに天空の星またたき ともにつどいとなりにならび 未来に向かい泳ぎいでる 交わすことばにこころひびきあい 世界をおりなすあやをとき 世界の現相にひるむことなく あらがいたちむかい声かけよびあい おしよせる波濤に声うちけされても たがいのいのちをささえつつ ふれあいにつつまれて 世界地平の向こうへ おたがいの生きたあかしを きざみゆく

          aventure nocturne

          violence insensée

          敗北の朝 敗因は自明のものだった あの時あそこで だれがこれをこうしておけば そんな反省をすること 無駄だった 敗北は戦う前に決していた 理念なき集団に勝利はない だれが何のために だれのために戦っているのか 本気で考えたこともない 戦う前にともに戦う友の前で 何を語るべきか ひとの戦いの歴史も知らず ただ無言でしたがうあやつりと 生きた戦いがなせると 見誤ったとき 戦いは決していた 戦いは殺意を駆り立てた集団のものではない 敵の理不尽な暴力を無に帰するために 友とともに 自

          violence insensée

          ἀπαιδευσία

          こどもはあしたをつくる この地球が終わりかけて あと100年先も見えなくなって 目に見えないこどもに気がついた されどそれはほんの限られたところに 止まりつづけ 地球がおわりつづけていることも 人類がみずから首をしめていることも うすうす気づきながら おとながこどもをそだてることも みずからおやになるまなびもわすれ こどものまえで こどものてをひきながら 平気でしてはならないことをし まわりからみられているとき 意味なくこどもをしかりつけ いかりにまかせて ちからづくにふるま

          ἀπαιδευσία

          εἰς τὴν ἀγοράν

          雑踏のなかに なにを求めて 埋没するか 都市化されて 単純化されたルーティーンに 埋没する労働が からだに染みこみ それがそのひとを つくりあげ 埋没することに 意味もなく向かう 集合生物 作られたエンターテインメントの中に 作られた祝祭の中に 自分の解放を求めて 埋没する集合生物 作られた消費 作られた埋没 作られた自己解放 すべてはひとを商品化したがために 雑踏に埋没する中に 商品化を脱する手立てはなく みずからつどい フォーラムをなせ アゴラを呼び戻せ 商品化され埋没す

          εἰς τὴν ἀγοράν

          cutibus mutatis

          季節がめぐりめぐって ころもをぬぎかえるように はだかの自分を ぬぎかえようと ひとつの自分を この肌からそぎおとすと ひりひりいたみ いままでの うらみつらみ うそいつわり その時のにがみくるしみを いまに改めてはだに きざんだ わたしは鏡のなかで まだまだ哀しみを たたえていた 愛された子ではなかったと 泣き始めていた わたしはさらにころもを ぬぎかえるように 素のままの自分を ぬぎかえようと もうひとつ自分を さらにはだから そぎおとすと 忘れていた 自分が出てきた ず

          cutibus mutatis

          dormiens pennata

          手も足も もはや自分のものだということも忘れ 全身すみずみ からだの奥まで 眠りにひきこまれ どこに来たかも いつからだったかも どこにどうして打ち伏せたかも 憶えぬまま すべて自分の持続が消え失せる時 うつりゆき 眠りの底の底にいたって 数えられぬ時の果て 突如目もあざやかに 灼熱の砂漠に立って 焼けつくような足を 砂にとられつつ 歩むや数歩 背を鷲掴みされて 大空に舞い上がる さしつらぬく光のなかを 突き抜け 大宇宙のブランコのごとく 広大な砂漠を 軽々と 弧を描くように

          dormiens pennata

          monologists

          あなたもわたしも 生きている すべてをそのままに 何かがつつみこんで 外から見守られなければ この世界は立ち行かないのか もしそうだとしても だからといって あなたもわたしも 生きているその違いを 打ち消し みんな何もかも ひとしなみに ものとして支配する道具に この世界がしばられて いかなければならない そんなことには ならないけれど どこまでいっても いつの世でも だれでも おたがいのちがいのために おたがいちがっていても あなたがわたしの身になって わたしがあなたの身に

          monologists