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brutal desire myth

かわきの限界
もうこれ以上耐えられないからと
いのちは失いたくないからと
目にした湧き水に
ともをはねのけ突き倒し
のどをうるおす
ひとはそんなことはしない
飢えの限界
もうこれ以上たえられないからと
自分の命は百万倍愛おしいからと
はらからの手にするパンをぶんどって
はらからを撲殺する
ひとはそんなことはしない
ひとのいのちを軽んじるのは
うえやかわきの限界の前から
欲望になりふりかまわず暴力を振るうものだとは
いったいいつだれがつくりだして
暴力を肯定してきたのか
分かち合いのむかしを消し去るために
敵をつくり敵は欲望のために鬼畜になるとし
群れのうちには、みんなのためといって
犠牲を強要し
分かち合いのむかしを
汚くみすぼらしく生きるに値しないと
いつからそんなものがたりを
集団で生き始めたのか
人間の中のうちなる獣性だって
だれがなにを見てきたのか
動物がそうだから人間もそうだと
動物でさえ群れに生きるものは
そんなことはしない
止め処ない欲望に支配されることを
自分には肯定し
ひとがいのちをなげだすことを知って
ひとには犠牲を強要する
この自滅ののろい打ち砕く鍵いずこ

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