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monologists

あなたもわたしも
生きている
すべてをそのままに
何かがつつみこんで
外から見守られなければ
この世界は立ち行かないのか
もしそうだとしても
だからといって
あなたもわたしも
生きているその違いを
打ち消し
みんな何もかも
ひとしなみに
ものとして支配する道具に
この世界がしばられて
いかなければならない
そんなことには
ならないけれど
どこまでいっても
いつの世でも
だれでも
おたがいのちがいのために
おたがいちがっていても
あなたがわたしの身になって
わたしがあなたの身になって
ききとどけあい
かたりあい
おたがいにいつくしみに
生きられる
そんなことばが
いつでもどこでも
世界の果てまで
終わりなく息づいている
そういう日常を
どうしてあなたがたには
おもい見られなかったのか
冷徹、理性的、よくよく
そんな共感性のなさが
どこから生まれて来たか
冷徹に、理性的に
考えてみれば
よいものなのに
新たに文字をつくって
世界のものというものを
名付けなおして
アルファベット
エレメントにまで
分解して
ひとり世界の外に立って
この世界を統制、統御する
そんな道具、考えるのは自由だけど
それってみんなで使えない
使えるひと
この世界の外で
ひとりで十分なのに
なんでそんな支配の言語のために
みんなひとりになって
おたがい壁作りながら
その道具の使い勝手について
ひとり語り、モノローグ社会に
閉じこもる快楽に生きているのか
なぜこんなひとびとを
あがめまつる世の中に
なってしまっているのか
一生かかっても
おたがい知り合うこともないひとが
集まって暮らすようになったからといって
三千年、四千年かかって
滅びのことばのために
ひとはひとからひとへと
おもいを受け継いで来たのか
ききとどけあい
かたりあい
時にはうたに託して
思い合い
時にはふれあい
ひとつになる
これほどうるわしいことはない
なのにあなたがたには
人間として生きることが
そんなに退屈だったのか

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