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ἀπαιδευσία

こどもはあしたをつくる
この地球が終わりかけて
あと100年先も見えなくなって
目に見えないこどもに気がついた
されどそれはほんの限られたところに
止まりつづけ
地球がおわりつづけていることも
人類がみずから首をしめていることも
うすうす気づきながら
おとながこどもをそだてることも
みずからおやになるまなびもわすれ
こどものまえで
こどものてをひきながら
平気でしてはならないことをし
まわりからみられているとき
意味なくこどもをしかりつけ
いかりにまかせて
ちからづくにふるまう
滅びゆく世界の前で
沈みゆく難破船の上で
こんな自分の欲望をおさえられない
おとなたちのまえに
こどもがおとなになりたいわけがない
こどもがあすを信じられるはずがない
お金で人格も教育も外注された
打算のこどもたちは
もうかるからそのおとなと同じく
正しいことがどちらかとっさに
打算で加担する
正義は名ばかり
巧みな舌先におどるもの
畢竟ただしいことなどなく
みんな自分のために
白も黒もなく
へいきでじぶんの好きなように
みられていなければ
なんでもなし
みられている時には
自分の利益を計算し
上から押さえつけられることには
上目遣いで姑息にしたがう
下衆な人間になりさがる
こどもが自分を生きようとするはずもない
こどもは意味なくおさえられ
小さくされたことをからだが忘れない
尋ねられても答えられないほど
からだに染み込み
生きるためにことばをやめ
閉じこもり感情を失う
その最後の手だても失えば
からだが理不尽な暴力にあばれ
復讐しこの世界を捨て去る

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