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#6 ぶっちゃけ世間から見た保健所ってどういうイメージなの?

2年近く前のこと。
初めて行った美容室で、私は悩んでいた。

美容師に「お仕事は何をされているんですか?」と聞かれ、答えに迷ったのだ。


当時保健所で例の肺炎の事務をやっていた自分だが、どう答えるべきか。



仕事の内容がかなり独特なので、保健所というワードを出さずに、かつ例の肺炎をほのめかさずに仕事の話をするのも難しい。

パソコンいじってます、程度に留めるのが無難なのか。嘘はついてないし。


保健所で働いているとわかると露骨に嫌な顔された」と話す同僚もいたので、ためらってしまう。

まぁ美容室は営業始めるときに保健所に開設届を出したりするから、違う意味で嫌な顔をされるかもしれないが……


また、住民の方からこんな問い合わせを受けたことも。

「不妊治療の助成金の申請をしたいんですけど、今って保健所は通常通りの営業ですか?」

大丈夫ですよ!

一部中止になった業務もあるけれど、当時はほとんどの業務が普段通り動いていた。

私は感染症の仕事もやりながら、もともと担当だった不妊治療助成金の仕事も進めていた。

※助成金事業について思ったことも綴っているので興味があればぜひ。


またある時、別の住民の方から

「そちらに申請に行きたいんですが……陽性者の方がいたりはしませんか?」

保健所に陽性者が立ち入っていると思っていたとのこと。

公的機関だから不特定多数の人の出入りはあるが、窓口の様子は市役所と大差ない。
(むしろ市役所より人の出入りは少ないと思う)

職員は陽性者と接触する機会があっても、きちんと防護服を着用している。
窓口に来る方には影響がないので、安心してお越しいただきたい。



それにしても、住民から見た保健所ってそうなのか、なるほど。

ニュースなどですっかり保健所=感染症のイメージがついてしまっていたようだ。


別件で電話をした住民の方から、「今はそちらも大変ですよね…」とお声掛けいただいたことも。

別の職員も「(仕事で関わった)警察の人が、保健所も大変だよねって労ってくれた」と話していた。

わかる人はわかってくれるんだなぁ。


勤務先がバレてしまったこともある。

職場の健康診断で引っかかってしまい、病院で再検査を行った。
その際に病院に渡した健康診断の結果に、勤務先の保健所の名称がしっかり印字されていた。

自分を診察した医師は
「保健所で働いてるの!?お互い大変だよねー!」
としゃべった後、豪快に笑っていた。

思わず和んだ瞬間であった。



報道やSNSでは「電話がつながらない」、「検査をやってくれない」などとばかり言われていた時期であった。
保健所に関する悪い話を見聞きするたびに、鬱々とした気持ちになっていた。

そんな中、上に挙げたような「わかってくれる人」の存在はとても有り難かった。


この記事を読んでいる方がどのくらいいるかは分からない。
ただ、自分の書いた記事を通して、保健所に対するマイナスイメージを少しでも払拭していけたら良いと思う。