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編集者が食いつく著者・3つのポイント Part❾(その1)

Q. 本を売ることの難しさや流通のしくみ、書店の気持ちがよくわかりました。その中で売れている著者に共通することって何かあるのでしょうか?

🙋‍♂️ 正直、いまの時代、売れる法則みたいな形あるものが示しづらくなっていて、偉そうに書くことさえ戸惑いがあるんだけど、売れる、売れないは一旦脇に置き、編集者が出したい!と思う著者はどんな人?っていう観点から書こうと思います。
 
過去の記事で、ヒントになるワードをちょこちょこ出してきたんだけど(↓)

 
▶「あなたの強み以外で書くな!」
▶「出版に向いている人は例外なく〈ド変態〉な人だ」
▶「書籍は著者のフィルターを通して観ている世界の表現」

だから、その世界が面白ければ読者は買う。
▶「ベストセラー作家に等しく共通するのは〈常識破壊者〉である」
常識を破壊されるからこそ、驚きと新しい発見、気づきを読者に与える。
▶「この人、どれだけ売れる人なの?がわかる根拠を示せ」

 
これらをより具体的に、シンプルに3つにまとめて書いていきますね。

 
【編集者が食いつく著者・3つのポイント】
 
1.プロフィール(信用・実績)
2.運の強さ・相性
3.オリジナルな言葉をもつ

 
いまの時代、シンプルにファンを多数抱えている人に編集者は食いつくわけですが、
特定のファンを抱えていなくても、実績に裏打ちされた、あなたがもつ素材(コンテンツ)の魅力と、その素材を活かす料理人になる編集者との組み合わせ次第でヒット作が生まれることはよくあります。
 
つまり、
コンテンツ・企画力勝負が一番になります。
 
そのコンテンツ・企画力で勝負するといっても、上記の3つは極めて大切です。
 
そして、
 
その元にある著者の「情熱」の強さ、
「熱量」の高さというのが大前提になります。
 
4月30日に発売されたばかりの
「売れる個人」のつくり方 安藤美冬・著(Clover出版)
でも、いまの時代、売れている人に共通するのは「エネルギーの量と熱」だと断言しています。


さて、
1.プロフィール(信用・実績)から説明しましょう。
 
プロフィールは自己紹介であると勘違いしている方がおります。間違いではありませんが、
 
その本質は、
あなたは誰を救える人ですか?
どんな不満や不安、痛みを解決できるプロなのですか?
を感じ取れないプロフィールはNGです。

 
また、過去にどんなにプロとして活躍していてもよほど全国の人に知られた人で、その道のNO.1のポジションを取れていればまだしも、今も変わらず活躍している人というのが条件になります。
 
読者は鋭敏に時代の空気を嗅ぎ分けます。
価値観が多様化している、時代の変化が速いいま、いまここで活躍しているという人が大事になります。
 
本題に戻り「信用」「実績」についてですが、
誰にでもわかる言葉で説明しなければなりません。
 
一番やりがちな過ちは、形容詞で表現する人です。
 
「きれい」「うつくしい」「すごい」「おもしろい」などを使って実績を表現する人。
 
形容詞はあくまで主観にすぎません。
 
「きれい」で表現したいなら、
なぜ「きれい」なのか?
何をもって「きれい」なのか?
または、その「きれい」を保証してくれる有名人がいればまだしも、自分が勝手に言っていれば誰も信用しません。
 
「お金持ち専門の…」なんていう表現も同じです。

何をもって「お金持ち」なのか?
年収なのか?投資で成功した人を指すのか?年商なのか?など、あなたの言葉で定義してあげなければ誰でも言える言葉として見向きもされないでしょう。
 
答えは、
 
固有名詞や数詞で「信用」できる人だと説明しなければダメなのです。固有名詞と数詞であれば共通言語として伝わりやすくなります。
 
その固有名詞や数詞で表現されたプロフィール
を見て実績がわかります。

もちろん、その固有名詞や数詞を具体的にみていかなければなりませんが、ここでは省きます。
 
最後にもう一つ。
 
ダメだった時の自分と成功することができた今の自分の間にギャップがある表現を短い言葉で
伝えられるかが大切になります。


「売れる人」はギャップが凄いものです。
いまの自分と過去の自分のギャップにストーリーがあるものです。プロフィールにそれを入れるかどうかの判断もありますが、プロフィールに入れない場合は、前書きに入れて、誰を救える人なのかを具体的に伝えていけばよいでしょう。
 
次回は、
2の「運の強さ・相性」
について書いていきますね。

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