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死ぬまでに読んでおきたい名作①

「本とわたし」シリーズ第一弾📚

●今後、週一のペースで計10回にわたり
書いていくことにしました。

理由は、青春時代に読んだ名著から
心に刻むべき財産をたくさん得ることができ、
その蓄積が10年後、20年後に間違いなく
活きてくるから
です。

とくに、10代、20代の多感な時期には、
確かな指標となる優れた思想や哲学にいかに
積極的に触れていけるかは極めて大事
になる。

さまざまな体験を通してわかること。

それは、

偉大な人物や天才たちと、
平凡な、かつ狭い枠の檻の中で生きる人たち
との違いは、決定的に、
持ちたる思想・哲学の違いにたどり着くし、
行動力により差が開いていくことが見えて
くるから
です。

有難いことに、
世界的な名著と呼ばれるものが
手軽な値段で入手でき、読むことができます。

セミナーや講座に10万、20万と支払う
価値以上の、偉人が積み上げてきた資産を、
積極的に求めればいくらでも読める。

どんな学位を持とうと、学歴が高くても、
読書してきた人間とそうではない人間は
全く人としての厚みが違うと感じています。


前置きはここまでにして、
早速、始めますね!

はじめの一冊は、
『ファウスト』(ゲーテ)
です。

一人の力は限界があるかも知れないけれど
コトバの力は世界を変えることができる。

15cの活版印刷発明が
ヨーロッパのルネッサンスを生み、
宗教革命、文芸復興に繋がる。

人はいつかは死を迎える。

しかし、
人が残したコトバは永遠に生き続けていく。

「いつかは目的地に到達しようなどぐらいの気持ちで歩んでいてはだめなのだ。一歩一歩が到達地であり、その一歩としての価値があるべきなのだ」(ゲーテ)


画家・東山魁夷
以下のコトバを残しています。 

「私は白い紙に向かい合う。それは紙ではなく鏡である。その中には私の心が映っている。描くことは心の映像を定着させようとする作業である」

これは人との関係にも言えることでしょう。

相手は自分を映し出す鏡であり、
鏡に向かって頭を下げれば、
映し出す鏡の姿も頭を下げているように。

自分の目が曇れば、鏡に映る自分も曇る。
自分が変わらない限り相手も変わらない。
付き合う相手も友人も結婚もすべて、
自分以上の人はやってこないのだから。

さて、今回紹介する一冊、
大文豪ゲーテの名作『ファウスト』。 

学生時代に読んだのが初めての
ゲーテ作品との出会いでした。
正直読み切るのが大変だった。

しかし、
ゲーテとはいかなる人物かを知ったとき、
その受難の人生に強く引き寄せられた。

ナポレオンがエジプト遠征の際に
ポケットに忍ばせ、7度読んだと伝えられる
『若きウェルテルの悩み』も有名だけど、
ゲーテはナポレオン同様に波乱万丈の生涯を
過ごした。

彼が五人の子どもを自分より早く失い、
(次男が死産、長女がわずか二十日で死亡、
三男もまた十六日で死亡、次女も三日しか
生きられなかった)

「平生は、あれほど沈着なゲーテが、
ほとんど気が狂ったのかと思うほどに
とり乱して大声で泣きわめきながら、
床の上をころげ廻った」

と伝えられている。

最愛の長男までも四十歳の若さで
急死したとき、ゲーテは81歳。

苦しみのあまり長男の死を聞いた半月後、
大喀血し、命をかろうじてとりとめ、
不撓不屈の精神で立ち上がり書き上げたものこそ

『ファウスト』だ。

 『ファウスト』は、
彼が青年時代から六十年の歳月をかけて
書き上げた「今世の使命」の作品で、
『ファウスト』の最後の一行を書いたのは、
長男の死の十か月後だった。

ゲーテは言っている。 

「勇気を出して、元気よく働くのだ!」

「人間にとって、最初にして最後のものは、
勤勉である」 

「75歳にもなると、ときには死について考えてみないわけにはいかない。死を考えても、私は泰然自若としていられる。なぜなら、われわれの精神は、絶対に滅びることのない存在であり、永遠から永遠に向かってたえず活動していくものだと固く確信しているからだ。それは、太陽と似ており、太陽も地上にいるわれわれの目には沈んでいくように見えても、じつは、けっして沈むことなく、いつも輝き続けているのだからね」


いま、目の前の課題を使命と感じ、
全力を注ぐ生き方の中にしか「永遠」はない。

“未来はいまにあり” 

そう教えてくれた大文豪の生涯であり
名作でした。

何より一番こころに余韻を残したコトバは、
主人公ファウストが、
「女性なるものの魂」によって救われていく
という結末。

女性なるものとは一体、
何を伝えたかったのか?
愛なのか、慈悲なのか、
余韻を残しながらも思索させられます。

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