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書評

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終わりなき積ん読との戦い 穿った見方、奇を衒った文章、絶え間ない邪推、無意識高い系書評
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#読書の秋2021

意識高い系のやりがい搾取共同体マーケティングとその不幸

意識高い系のやりがい搾取共同体マーケティングとその不幸

昨今、昭和型生産至上主義的企業はどんどん潰れていき、若者の就職先としての人気は皆無となっている。

現在、若者の就職先としての人気とされているのは、ウェルビーイング的なセカイ系スタートアップ企業だ。

「されている」と書いたのは、雑誌やインターネットの著名人がそう言っているからだ。

やりがい搾取による空虚なブルシットジョブではなく、利益の追求一辺倒ではない社会や環境のためになる利他的なやりがいの

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YouTubeで子どもを育てている親御さんたちへ

YouTubeで子どもを育てている親御さんたちへ

我が子(4歳)は今日もYouTubeに夢中。

起きている時間はほぼYouTubeを食い入るように眺めている。

我が子が特に好きなのは、いい年したおっさんが子ども用おもちゃで遊んでいるクソ情弱ゴミ動画。

あからさまな資本主義迎合態度によって生み出されたこのクソ情弱ゴミ動画だが、子どもには受けが良い。

アンパンマンやプリキュアの最新おもちゃが、甲高いおっさんの声で紹介されているだけのクソ情弱ゴ

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新書『独ソ戦』に見る意識高い系にありそうな失敗の本質

新書『独ソ戦』に見る意識高い系にありそうな失敗の本質

重篤中二病患者はみんな大好き『独ソ戦』、歴史上最も胸糞かつ近代社会が生んだ狂人が入り乱れるバーリトゥード。

そんな非大衆的胸糞本がよりによって売れに売れたのが2020年、新書大賞第一位『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』である。

我々(連帯無き中二病クランケ)にとって独ソ戦といえば、ハンス・ウルリッヒ・ルーデル閣下ですね。くわしくは公式サイトであるアンサイクロペディアを御覧ください。

かく言う僕も、独

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