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アートの正解とは
今回は画家・クスノキタクヤの個展を通して
アートの見方や得られるものについて
個人的な解釈を含め解説していきたい。
個人の感性を大切に
アートに「絶対の正解」は存在しない。
美術業界的に評価されているものや、
著名な作家が認めた作品があったとしよう。
芸術の専門知識がない者からすれば、
あたかもそれが「正解」のように
感じるだろうが、実際の「正解」は
受け手の感性の中にのみ存在する。
絵画鑑賞の第一歩
まずは目の前にある作品が
好きか嫌いか、理屈よりも直感的に
どう感じるのかを大切にして欲しい。
そして、その直感について掘り下げることが
新しいものの見方を発見できたり、他者の
思考を受け入れられる機会になったり、
人生の豊かさに繋がっていく。
![](https://assets.st-note.com/img/1696089464546-q6SC7RE8il.jpg?width=1200)
クスノキタクヤの作品は実体のあるものと
二次元的創作を融合させた作風で、
鋭い色面や線のせめぎ合いにより生まれる
判然としない空間が描かれている。
例えば下図の作品は、少女が
鮮やかな色彩で描かれている。
実際には草むらで黄色いワンピースを着て
こちらを見ている様子だが、
現実には横断歩道を彷彿とさせるような
ボーダーの背景は存在していない。
空間の抜ける部分が加わることで、
奥行きや現実と幻想の狭間のような
曖昧さがうまれ、画面が成立している。
![](https://assets.st-note.com/img/1696170659551-goyQx8Ddnk.jpg?width=1200)
直感の理由について考える
好き、嫌い、癒される、不気味、落ち着く
怖い、疲れる、面白い、不思議、など、
作品を見た第一印象に対し、
なぜそう感じたのかを考えてみて欲しい。
モチーフ、色、素材、サイズ、作風などから
自分がどういったものに惹かれ、
どういったものを拒絶するのかが見えてくる。
アートは何のために?
アートの世界に触れることは
物事の抽象度を高めることによって、
世界をより幅広く多角的に捉える
能力を育むことに繋がる。
![](https://assets.st-note.com/img/1698206633461-MvNCuM8bBA.jpg?width=1200)
特に抽象表現については難しい、
わからない、と感じる人が大多数だろう。
しかし、説明的すぎる内容は意味を限定し、
想像の幅を制限してしまうことになる。
美術館やギャラリーで作品を鑑賞するときは、
是非「考える」ことに取り組んでほしい。
また、一緒に訪れた人と意見交換をしたり、
ギャラリーの場合は作家本人やオーナー、
キュレーターと会話をしてみると、
自身の中には存在しなかった捉え方や
新しい見方を発見でき、視野を拡げる
機会になるだろう。
クスノキタクヤ
![](https://assets.st-note.com/img/1698224241465-NONm8vSIhX.jpg?width=1200)
1987年福岡県生まれ、岐阜県在住。
家族をテーマに、身体性のある
シンプルな薄塗りと鋭い色面や線の
せめぎ合いによって生まれる空間を描く。
2023年には2度の個展を開催し、
精力的に活動している。
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