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パリ1日1話

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パリのはしっこ18区の、ふつうの毎日を書き綴ります。
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2020年2月の記事一覧

【パリ1日1話】15 おっさんピンクとバラ色の日々

【パリ1日1話】15 おっさんピンクとバラ色の日々

パリの人っておしゃれなんでしょう?

と、たまに日本のひとに聞かれるけど、なんというか、それは「人による」としか言えない。

おしゃれとはなんぞや、という定義の問題にもなるが、もし「流行に敏感でていねいに着飾ること」がおしゃれならば、日本のひとのほうがよほどおしゃれだ。

パリで、「流行に敏感でていねいに着飾っている」ひとは、人口比で考えると非常に少ないと思う。ファッション関係や編集者なんかの、そ

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【パリ一日一話】14 冬とコロナとパリのアジア人

【パリ一日一話】14 冬とコロナとパリのアジア人

お昼ごはんを食べながらつけっぱなしのテレビを眺めていると、13区の中華街にあるドラッグストアでマスクが売り切れて、住民が不安を抱いているといっていた。数週間前のこと。

フランス人は、冬でもマスクをしない。コロナウィルスが世間を賑わせはじめた頃、マスクをしないフランス人が、マスクを買い始めた。

ひょっとすると、祖国でのマスク不足を予感した在仏中華系人が、買い占めて中国まで送っていたのかもしれない

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【パリ1日1話】13 ガレット・デ・ロワ、或いは上のおっちゃんの話

【パリ1日1話】13 ガレット・デ・ロワ、或いは上のおっちゃんの話

いつの頃からか日本でもガレット・デ・ロワをよく見かけるようになったので、説明は不要かもしれない。ざっくりいうと、フランスでは1月5日ごろの日曜日がエピファニー(公現祭)というキリスト教の祝祭日で、その日に食べることになっているのがガレット・デ・ロワだ。

敬虔な信者以外にとっては、ガレットを食べる日である。この時期、フランスでは日常会話においてはわざわざ「ガレット・デ・ロワ」とは呼ばない。なぜなら

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