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寝ているとき以外はすべて修行である
あるお坊さんが、とある本の中で「寝ているとき以外はすべて修行である」と語っていた。自分の人生をあらわすなら、まさにこの言葉の通りである。
少しおこがましいかもしれないが、寝ているとき以外はまるで「職業:哲学者」のように、ありとあらゆる事象について「なぜ?」と問い、疑問に対する答えがみつかるまで考えるタイプである。
そしてもう一つ付け加えるなら、寝ているとき以外は修行であって、その修行とは私にとって仕事である、ということだ。母は、そんな私と話していると「禅問答みたい」とよく言うが、正直この言葉はあまり嬉しくはない。
一年ほど前から、事業家になりたいと思いはじめた。自分でも最初はわけがわからず、母親も戸惑っていたが、Webライターとして出発したあの頃からしてみると、まさに今の状況は想定外だった。
事業家として軌道にのるように今は様々な企業にアプローチをかけ、バックアップ体制を整えている。具体的にどんな準備をしているのかは、まだお披露目できないが、事業家には体力も精神力も何より強い意志が必要なのだと、何回も感じているのが現状である。誰もが平等に24時間を与えられているが、心身ともに解放されるのは、ほんとうに寝ている時間だけだ。
私の今の段階は「スタートアップ」とも表現できない段階なのだろう。まだスタートアップとしてさえ認めてもらえない段階だ。ただあえて表現するならば、間違いなくシード期であって、この数ヶ月で何度悔しい想いをしただろうか。
これまで仕事、いや事業にかけてきた合計金額を振り返ると、それはそれはもう恐ろしくて、そんな私をありのままに認めてくれた両親には頭が上がらない。
多額の投資をしても、なんだか、うまくいかないときは多々ある。今の私は何者なのだろうか、と考える瞬間もある。具体的なサービスを発表しているわけではないし、何かプロダクトを開発しているわけでもない。ただうまくはいえないが、水面下ではもうバタバタ泳いでいて、何度も心が折れかけている。
先日、あまりにつらい出来事が立て続けに起きて「休養届」と題して作成し、実家と自分の部屋に貼り付けた。それくらい悔しい思いをした。
もう私は8年間頑張ってきたのだから、多少ゆっくりしてもいいだろうと思った。ところが気づいたときには近所のカフェに行って、何か前に進むためのきっかけを拾えないかと内神さまと対話している私がいる。
この世界は「実績」で動いている。Webライターとしての実績はそれなりに積んできた。けれど、起業家、事業家としての初作品はまだ何も生まれていない。
実績がないから、どれだけ想いを伝えても企業や人は動かない。無数のビジネスアイデアを発芽させるのに、あとどれだけ時間がかかるのだろう。今までの5年があっという間だったから、あと5年、なんて考えていると、私はあっという間に35歳を超えている。
35歳に到達する頃には、おそらく「ママになる」という選択肢は少しずつ厳しくなってくる。(私の場合は持病もあるため)それは何回も書籍や雑誌、Webメディアで目を通してきた現実である。20代と30代は何もかもが違う。自分の状況だけではなく周りも同じように環境が変わり、ある日を境に人間関係が一変する。
ただ不思議なもので失ったものが多くても、事業家を目指したいと思う。まるで使命からは逃れられないように、熱い気持ちが自分の内側から込み上げてくる。
何度心が挫けても、私は事業家の未来を選択し続けている。起きている限り、何かについては考えている。
事業が大きく発展しきれていない今はまだ事業家と名乗る資格もないのかもしれないが、私はたぶん女性としての幸せより仕事に生きるように生まれた瞬間から運命づけられている気がする。なんともいえないが、ひしひしとそう感じる瞬間が日々の中にある。
毎日暮らしている仕事部屋兼アトリエは、お寺でいうと本堂のような場所であり、一歩入ればひたすら創作活動を続けている。創作活動するためのエネルギーが残っていないときも、一歩でも前に進めないか、脳みそは稼働している。
魂は喜怒哀楽を常に味わい、情報を更新している。寝ているとき以外は修行、の感覚からいつになったら解放されるのか、そもそもこの感覚自体が私に組み込まれている生まれもったプログラミングならば、一生、回遊魚のように泳ぎ続けなければいけないだろう。
そんな自分をとても面倒くさいと感じるときもあれば、思いきり海の底に投げ出したいときも多々あるのだが、一周回ってみると「これが自分らしい人生なんだよな」という結論にたどり着く。弱いなりに強く生きていたい、毎日の暮らしを、人生を、創造的に生きていたい。それが私の、私らしい自分軸なのだと、繰り返し思い続けている。
今日一日を大切に
太陽の恵みに感謝
ERICA YAMAGUCHI
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