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3歳の時 ホームスクールをする前 1年半・世界半周の旅 サハラ砂漠の話

※画像は3歳の時、モロッコのサハラ砂漠にて

◆ 神奈川県で、妻と息子(2011年生まれ、現在11歳、小学6年生の学年)と3人でホームスクールしています。旅と音楽と哲学を中心に、ホームスクーリングしています ◆

まだホームスクールを始める前、2歳になった息子と妻と、バックパッカースタイルで世界半周の旅に出かけました。これは3歳の時にサハラ砂漠を旅した話。この時はまだホームスクールという言葉は知りません。

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アフリカ大陸の北西部、ジブラルタル海峡を渡ればすぐヨーロッパという位置に、モロッコはあります。スペインのアルヘシラスから海峡をフェリーで渡り、港町タンジェ、青色のシャウエン、古都フェズと旅し、そこからバスで8時間。サハラ砂漠の玄関口メルズーガに到着しました。

旅人目線で、世界をこう分けてみます。 ユーラシアとアフリカ大陸サハラ以北を「旧世界」。南北アメリカ大陸とオセアニアは「新世界」。サハラ以南のアフリカは「ブラック・アフリカ」。

「旧世界」には、四大文明が生まれ、いつも世界史の中心はここで、いくつもの国が興っては滅んでいった激動の場所。ここモロッコのサハラ砂漠入り口とは、日本から旅をしてくると、その旧世界の果ての果てに感じられます。実際に、サハラ砂漠を境に北と南では劇的に文化圏が変わります。この砂漠を越えることは容易ではない、ということを、しみじみ思わせられるのです。

メルズーガの宿である本を薦められました。内容は1960年代に1人の日本人の青年が、当時まだ世界で誰も達成したことのない、ラクダによるサハラ砂漠単独横断を試みた実話の話です。

その青年は周到に準備をして、現地でラクダの民にラクダの扱いを学び、決行後も慎重かつ大胆に行動したにもかかわらず、サハラで迷い、死にました。

原因は年若いラクダの選択、そしてその血気盛んなラクダの、逃走でした。全ての荷物とともにラクダは逃げてしまい、彼に待ち受けたのは、乾きの地獄。 その本は青年の日記を元に書かれています。

「死につつある人間」の日記を読むのは、なんとも言えないものです。 現在書いているこの日記も、私の死は、おそらくまだ先のことではありますが、たとえ遠くとも、いつかは死がやってくるのだから、「死につつある人間」という意味では、同じだと思うのです。

人はいずれ、死ぬのです。

ならば「やっておけば、よかった」ことは、やっておきたいものです。

宿に移り、宿主のベルベル人に引き連れられ、ラクダに乗りこみサハラ砂漠(メルズーガ大砂丘)へ向かいました。ベルベル人とはモロッコに住む先住民族で、社会的にはアラブ人の支配下にあります。

おおざっぱに言って、エジプト、リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコ、これらサハラ以北のアフリカは中近東と同じくアラブ人の住む世界。宗教はイスラム教、気候は地中海沿岸には温暖なところもあります。

なので私達は今回、初めてアフリカ大陸の地に足をつけたのですが、「アフリカ来たぞ!」という感じはなく、中近東ヨルダン・イスラエルの旅の延長のような気分で、ここモロッコにたどり着いたのです。日本人が想像するアフリカとは、サハラ以南のことになると思います。

ベルベル人は主にサハラ以北のアフリカで広範囲な地域にまたがって生活しています。その総数は1,500万人ほどと言われるので、国家を持たない最大の少数民族クルド人が2,500万人ほどと言われてので、ベルベル人の数の多さに驚きます。ちなみにアラブ化したベルベル人をベドウィンと呼び、リビアの故カダフィ大佐などが有名でしょう。

立ち上がったラクダの高さは思いのほか高く、馬とは違い、右手と右足が、左手と左足が同時に進行するため、かなり揺れます。しかし乗ってみると、この長い手足はまさに砂漠を歩行するのにぴったり。人間や馬の足では砂に沈み込んでしまい、思うように歩くことができないのです。

ベルベル人が被るこのスカーフは、砂嵐や太陽の直射を避けるのに役立ちます。スカーフだけでなく、衣食住全てが砂漠で生きるのに適しているのです。 人間は、他の動物や昆虫と同じように、住む環境によって生活を変えます。これが「知恵」だと言うのなら、全ての動物や昆虫にも、同等の「知恵」があるのでしょう。

人間が作り上げた現代文明や都市なるものも、ただ環境に合わせただけの代物であって、それはアリの巣や蜘蛛の巣が複雑なのと、なんら変わりはない、ということではないでしょうか。

砂漠に入って30分もすると、あたりは一面の砂漠です。方向感覚が全くわからないため、1人で迷ったらとても抜け出せそうにありません。自分の命をベルベル人とラクダに委ねているようです。

砂漠のど真ん中にある常設テントで一夜を明かしました。砂漠の中とは思えないほど快適で、各自ベッド付きの個室テントがあり、食事用の大きめなテントも用意されていました。トイレはないので、外で用を足します。「あれ」に関していえば一瞬のうちに乾燥し、これなら数日で砂と化してしまうことがよくわかります。

夜はベルベルの食事と音楽が待っていました。旅の一行は約10名、みなでベルベルの食事に舌鼓をうち、楽器を演奏し、楽しみました。

息子はラクダに疲れてしまったのか早めに寝てしまいましたが、聞こえてくるこの音楽は、心地よい子守唄になったことでしょう。 夜は当たり前のように満点の星空で、星が眩しいと、胸をはって言えます。

息子はこのサハラ砂漠の旅を今も覚えています。

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◆ 中学入学まで残り半年。親が表に出て友達を探すのは残り最後の半年のつもりで、noteで書くことによって息子のホームスクール友達を探しています。これから書くいくつかの記事を読んで、息子と遊んでみようと思った方は、是非ご連絡ください ◆

episteme-homeschool@yahoo.co.jp