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2021年9月の記事一覧

天草

天草

 大学の卒業旅行で天草に行った。全然知らないところで、友達が全部計画してくれて、それに乗っかって行ったのだが、すてきな津崎教会とかをめぐりえらく感激した。

 バスで橋をわたり島原で向かう途中えらく騒いで、何もない田舎、どこがいいですかって、若い運転手が目を細めながら言った。まだ、ダサくて子供っぽい若い娘たちだった。

 バスは港に着き、そこから船で島原に渡った。海も空も青かった。

 遠藤周作の

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井上陽水

井上陽水

若いときだからだろうけど、井上陽水の詩が好きだ。

最初に知ったのは高校の文化祭で何人も男の子たちが歌っていた「東に西へ」

 これ、本木雅弘が紅白でカバーした曲だったか。コンドームをたくさんつるした衣装で度肝をぬかれ覚えてなかったんだな。

なんと、マッチョな歌詞なんだろうと。それから聴きだして、「傘がない」でびっくらしました。

「都会では自殺するで若者が増えている」で始まり、傘がない、彼女に

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本屋に行く

本屋に行く

 本屋さんって少なくなったなって思う。こちらで充実してると思うのは、某大学近くの書店一軒だ。それでも年齢層が高くなっているので、五木寛之とか一昔前のベストセラー作家の本が多い。コアなファン層がいる。まあ、元々本を常に読んでいる人は、思ったより少ない。

 それでも変わったなと思うのは漫画の棚の充実だ。さすがに60代ぐらいの人は少ないが、50代だと普通に読んでいる。大人の経験値に見合う、作品を描く若

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車にのる

車にのる

 この頃は車によく乗る。しばらく、健康のために歩くことを優先していたのだが、このご時世ではそれは危ないと感じるようになった。世の中に疲れているのかもしれない。

 駅から仕事に行く習慣がない田舎では人々の移動は車がほとんどだ。子供たちも遠足でほぼ初めて電車にのる。だから、電車に乗ること慣れなくて怖いことでもある。それなので、今、道路はとても混んでいる。

 田舎で歩くと知り合いに会うと感じる人もい

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ことばが残る

ことばが残る

掃除してきよめるとき、私は吉田兼好の徒然草、十九段の

 閼伽棚(あかどの)に菊、紅葉など折り散らしたる、さすがに住む人のあわれなるべし。

という一節をいつの間にが唱えてる。

 

 彼が、山奥を歩いていると人知れずきよらかな草庵に住んでいる人がいた。いいなって思った。

 冒頭の閼伽棚とは仏花や水をそなえたりする棚らしい。その語感がいいので頭に入ったんだろう。

 

 実は、文章はその人が

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