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旅日記

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#旅行記

岩木山、盛岡

岩木山、盛岡

 翌日、八幡平へ向かいました。高度が高くなりながら、谷間をたくさんの川がながれ、湿原がつづく風景です。少し開けた車のまどから、硫黄のかすかな匂いがしてきました。塩酸泉の療養でゆうめいな玉川温泉のそばを通ります。ちょっとおどろおどろしい噂がありますが、この神秘的なみちゆきだけでも心が癒されるような、美しい独特の風景の奥にあるようです。そこをそれて八幡平の頂上に向かいました。車をおいて、美しい高山植物

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田沢湖から乳頭温泉、八幡平へ

田沢湖から乳頭温泉、八幡平へ

 午後、田沢湖から乳頭温泉に向かいました。昔、田沢湖のたつこ姫像のはなしを絵本で読んで憧れていたのですが、行けることになるとは。実は新婚のころ、この辺りに行く計画を立てたのですが、住んでいた関西からあまりに遠くてあきらめました。だから、夫が旅するのにあたって、是非行きたいということで足をのばしてみました。しんどかったけど、いってよかったです。まず、田沢湖のたつこ姫像を見に行きました。水がきれいです

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角館 突然江戸あらわる

角館 突然江戸あらわる

 角館は駅構内にある二階建てのJRホテルに泊まりました。うるさいかなと思ったのですが、秋田新幹線は単線で駅構内で徐行なのでしずかです。午後に秋田だったので、宿泊場所が少ない角館に泊まりました。部屋数の少ない、このホテルによくぞ部屋が取れたなあと感動です。角館は秋田内陸縦貫鉄道、この夏の熊騒動の鹿角市を通り、青森県に至る、日本でも最も奥深い地域をとおる鉄道の始発駅でもあるのです。鉄道好きにはたまら

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Fujitaを見に秋田に行く

Fujitaを見に秋田に行く

 藤田嗣治の「秋田の行事」を見に行きたいと思っていました。でもですね、ただ、大きな絵を一枚見に行くのですよ。ずっと迷ってましたが、行きました。秋田はもちろん初めてだったのですが、まず、印象的だったのは、県立美術館前の掘のはすの清らかさでした。そのなかで「秋田の行事」がありました。建物の大きな窓と池は、その掘のはすを意識しているらしく、そこからみえるはすのピンクとお城が美しかったです。

 絵は、マ

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札幌テレビ塔

札幌テレビ塔

 札幌テレビ塔に行ってみました。テレビ塔なんてと思っていたのですが、大通公園の端っこにある立地とほどよい高さがいいのです。公園をはさんでビルがみえる構図のうつくしさとまわりの建物のこまかいデティールがわかるのがよかったです。景色は高ければ高いほど、いいというわけではないんだなあ。しかし、地図を実感したいという人間の欲望はふしぎです。高層マンションも高いほど高価だって聞きますしね。

大雪山でしょう

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ライラックの並木 札幌植物園

ライラックの並木 札幌植物園

地下鉄大通駅にもどり、市役所のむかいの時計台に行きました。定番です。

煉瓦造りのたてものが旧の北海道庁のようです。湧水がわく池があります。ブラタモリで見た植物園に行ってみます。その奥です。北海道大学の一部のようですね。

まず、おおきな木が気になりました。はるにれです。エルムというのか。たくさんあって、初めて英文学にあるエルムの森を実感しました。ライラックにムラサキハシドイ(紫丁香花)とあり、和

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北海道神宮

北海道神宮

 朝早起きして、円山公園内の北海道神宮にいってみます。地下鉄のえきからまっすぐ公園をあるき、ちいさな流れをわたると鳥居があります。後で気がついたのですが、こちらが奥で表の鳥居は別のところなんですね。

 新緑がうつくしい。なかにいくと、開拓民をまつった神社や拓殖銀行社員の神社が、しずかに森のなかにあります。少し進むと本殿にでました。祭神は天照大神です。そうか、ここは明治に開拓された土地なのだのだと

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札幌へのたび

札幌へのたび

 四月からけが人がでて、しばらく出かけることができませんでした。家族がぜひにと言ってくれたので、思い切ってさっぽろに行ってみようと思いたった。格安チケットで行ったので飛行機は午後の便ですが、せっかく都内に行くので、ついでにお昼を都内で食べました。

 それで、品川駅のあずきバーで有名な井村屋がやっているAnna Miller'sに行ってみました。アメリカン・パイでゆうめいなお店のようです。アメリカ

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善光寺に参る

善光寺に参る

 松本のまちを善光寺にむかってみると、ここは県庁所在地というより、仏教以前の古くからの信仰の街なのだということが感じられます。活気があります。途中、宿坊の寺があり、日蓮など、宗派にこだわらず参っていたことが由来の立て看板からも納得できました。山門をくぐると、門前の茶店が寺に団体さんを案内しています。こういったところは伊勢神宮のようです。

にぎやかな商店街があり、聖と俗が渾然としています。おおきな

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雪解けのころに思い切っていってみてよかった

雪解けのころに思い切っていってみてよかった

 雪がかたづけられた道を10分ほど歩くと、再現された一茶の生家があります。

北国や いろりの隅の 葱畑

もう四月なのに雪に埋もれています。そして、そのとなりにある一茶が亡くなった納屋も保存されています。

ほんの一間ほどでしょうか。おとなりにあるのはご子孫の家のようです。

 一茶は、はなやかだけど、根無し草で心をすり減らす江戸の生活を捨てて、初老になって故郷に帰りました。そして、亡き母のあと

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信濃の春 小林一茶への旅

信濃の春 小林一茶への旅

 一昨年行った信州黒姫への旅について思い切って書いてみようと思います。鹿児島、屋久島で生涯を終えた詩人、山尾三省の「カミを詠んだ一茶の俳句―希望としてのアニミズム」という本に興味を持って、急に雪どけごろの信濃にいってみたくなりました。小林一茶は、「おくの細道」の松尾芭蕉とかにくらべると、ぐっとおちるユーモアのある下世話なおじさんというイメージで、彼の俳句のいみがわからなかったのです。しかし、この本

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