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海外ひきこもり旅

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3ヶ月の海外旅行日記です。
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リスボンのトラウマ/引き継がれる記憶

リスボンのトラウマ/引き継がれる記憶

リスボンを歩いていたらトゲトゲした建物に出会った。

その名もCasa dos Bicos。日本語にすると「くちばしの家」もしくは「トゲトゲの家」といったところらしい。この特徴的なファサードは、元々の持ち主であったインド提督が当時のイタリア・フランスの建築様式を組み合わせて取り入れたものだという。

この建物は16世紀ほどに建てられ、現在はリスボンの歴史を伝える博物館となっている。館内にはCasa

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【備忘録】3ヶ月の海外旅行のパッキングまとめ

【備忘録】3ヶ月の海外旅行のパッキングまとめ

3ヶ月10カ国を旅するために持っていったもの、持っていかなかったけれど必要だったものをまとめた。海外旅行に役に立つかもしれない、貴重品の防犯対策なども書き留めておく。

基本装備:大きなリュックと小さなリュック

3ヶ月間の旅をするにあたり、最も恐れていたものはロストバゲッジだった。およそ3日、長くても2週間で別の都市や国に移動するため、一度荷物をロストすると二度と帰ってこない可能性がある。そのた

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アバンチュールと脱走

アバンチュールと脱走

I like your eyes. は世界で一番手軽な口説き文句だ。モロッコで3回言われた。

一度目はマラケシュの市場で、二度目はバスツアーで、三度目はツアー中に宿泊したホテルで。三度目ともなると言われた瞬間に、ああカモとしてロックオンされたのね、と納得できてしまった。

旅行先に出会った現地人と一晩のアバンチュールを過ごし、その後恋人同士になる。いかにも映画にありそうなシチュエーションだが、実

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少年と鬱屈とキャメルライド

少年と鬱屈とキャメルライド

モロッコの街はサーモンピンクの壁で覆われている。

朝7時にリヤドの扉がノックされ、促されるまま朝日も昇らない街を歩く。マラケシュの旧市街は迷路のように入り組んでいて、車は基本的にメイン通り以外には入場できない。「砂漠ツアー」用のバスが駐車されている道端まで運転手と私、2人分の足音が響く。2泊3日のツアーが始まる。

旅行地にモロッコを選んだのはサハラ砂漠を見たかったからで、そのためにはパックツア

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ビジネスのにおいと長電話

ビジネスのにおいと長電話

モロッコのマラケシュ空港には、羽田空港からイスタンブール経由で24時間かけて行くこととなった。イスタンブール空港での待ち時間は5時間。文庫本を1冊消化した。

そういえば、タイトルについて語る前に今回初めて乗ったターキッシュエアラインについて記しておきたい。(本題を読みたい場合はスクロールダウンしてほしい)。エコノミークラスでの搭乗だったが、とてもよいサービスだった。

まず機内食。とにかく種類が

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海外ひきこもり旅

海外ひきこもり旅

はじめに

一人旅に出るからには、徹底して出会いを避けながら過ごしたい。

海外旅行が好き、というと「アクティブですね」「各地のおいしいもの、楽しみですね」「素敵な出会いがあったりとか」といった声をかけられることが多い。実際、国内海外を問わず旅行の一般的な醍醐味は、風光明媚な景色を目に地元の食材をふんだんに使った料理に舌鼓を打つといった、その土地ならではの体験を味わうことだ。その場所の歴史やしきた

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