見出し画像

Guitar1012

降るなんて聞いていなかった気もするんだけど、日が落ちてから雨が降ったので練習へ出かけることにした。

最近は練習時間も減り、頭を使うことも(ますます)減ったので、ギターで弾くものは紙に書き留めて出るのではなく、練習場所で音源を聴きつつ一緒に弾いて短期記憶で乗り切ってみるスタイルにしている(だいたい乗り切れていないんだけどね)。
人間なんて怠惰な生き物なので、使わない力は開かないし使わなくなった力は容赦なく朽ちてゆく。
私は練習とたまに行う買い出しの他はしっかり自宅に引きこもっていて危険な輩との遭遇を避けている。労働に伴う脳や身体の使用も一切無くなったし、運動どころか発声することすらなく、本(というか消え物以外)はもう極力買わないことにしたのと図書館にすら行きたくないので新しい書物や知に触れる機会も今はほぼ無い。諸々衰える一方の生活の中で唯一、脳も身体も使う機会となるのがギター練習なのだ。この場を有効活用しない手はない。

"Affirmation"(Savage Garden)で最後まで残してしまった王道ラブソング"I knew I loved you"を歌うか、それともの歌でも歌うか、現地に着いた時の気分で決めようと思っていたんだけど、湿った空気の中ふわりと漂う甘い香りに気付いた。

金木犀、咲いたんだ。

先週末に今年は咲いたか咲いていないのかもわからないまま歌った「赤黄色の金木犀」。あの時思いついたチート版の志村さんのリフを試してみようと即予定を変えた。野鳥は気ままなものである。

下から二番目の弦を半音上げ、上から二番目の弦を半音下げる。そうするとあのリフで左手で押さえるべきところは「ファ」を作るための一つだけになるし、全ての音の弦がバラけるので非常に弾きやすくなる。
右手はとりあえず人差し指中指で、はじめは歌無しでリフを弾いてみる。こんなに継続的に複数弦を上から下まで幅広く行き来するものはこれまで弾いたことがなかったから、苦戦するかなと思っていたんだけど案外あっさりいけそうだった。
歌をつけてみる。やっぱり歌と一緒だと負荷が上がるなとは思いつつ、リズムが一定であるのもありそこまで大きな混乱は無かった。


というわけで、2回目の「赤黄色の金木犀」。

前回は歌える部分は原キーで歌っていたんだけど今回はオクターブ上げてしまった。

初めてギターボーカルの人が弾くリフを弾きながら歌ってみて、やっぱりボーカルと合わせやすいギターは歌の特にリズムと干渉しにくいものなんだろうなと思った。
そしてギターリフはバンドの中だからこそ活きると痛感した。周りで色々動いているからそれとの関連性の中で味を添えるわけで、他を引き立て他に引き立てられるのがギターリフなんだな、と。単体だとどうもしっくりこない。歌のみとだと不自然な箇所もあるし(そういうところはバンドでは他のギターや鍵盤ベース等がきちんと合うものを弾いている)。
独りで弾いて歌うんだったら、ギターリフよりもベースのほうが、しっかりと都度歌と進行が連動しているので気持ち悪くない。コード弾きができるならもっと楽しいんだろうけど、なかなかハードルが高い。

後から振り返ってみたら、弦の位置を見るため、ギターを手にした当初のようにだいぶフレットを横にして弾いてしまっていた気がするんだけど、今回は元々チューニングからしてチート版だから、ということで大目に見ることにした(たまには達成感を得ることも必要である)。
あともしかしたらその傾きのせいかもしれないんだけど、今回はいつもベース的に弾いている時よりも弦の跳ね返り抵抗が少なかった気がして、それも弾きやすさの要因だった。

おそらく角度は私の中では大きな課題で、普段弾いている時にもちょっと動いて座り直した時などにいきなり弾きにくくなるということがあるし、もしかしたらこの間の何故かギターの音が低くなっていたというのも、楽器を持ち直した時に角度がずれたから(押さえる位置は同じでも角度がついて左側に寄っていた?)かもしれない。

録音の聴き直しによって、音から導き出せる部分についてはある程度類推することもできるけど、自分の姿勢やフォームはオーディオには乗らず、検証不能なので困る。検証できれば考察を元に対応できるのに。

そんなことを色々考えながら帰宅したんだけど、やっぱり雨が降るとめちゃくちゃ冷える。またソフトダウン+ベスト型ダウンを着込んで出ていたんだけど、それでもぶるぶる震えていた。

いつまで弾けるだろうか。


栗羊羹が食べたくなったんだけど、ポイントをまた失効させないために箱で買った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?