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冷え物/小田実(とても長い感想文と自戒、その3)

差別の話題から、第三項排除、についてって感じのアレです。

旅の中でも、定住してても思うのは、私は差別とかされてるとあまり感じないしむしろ外国人はめちゃくちゃ親切にしてくれてるな、っていうのと、むしろ日本人同士の見栄の張り合いや牽制とかマウンティングみたいなのの方がよっぽど無理だなっていう、まあ当たり前といえば当たり前なことです。

この間まで住んでいた街は、日本人街から30分くらいの距離なので、まあ日本人に会おうと思えばいくらでも会えるような場所でした。
それでたまにその日本人街に行くと、やっぱりものすごい日本人感を感じるんです。

前から駐在の人の話を聞いてなんとなくその縄張り争いみたいな、村っぽさみたいなのが本当に強くあるっていうのはおぼろげに知っていたけれど、すれ違う日本人は例外なくみんな、駐在と縁もゆかりもないような私のこともまるで品定めするかのように見るんですよね。
特に、俗に駐妻と言われるような、子供を連れてお買い物してる女性たちから……。

まあ色々鑑みると仕方ない部分もたくさんあるんだろうけど、なんかこう、この人たちだってそのヒエラルキーみたいなのから抜け出したいんじゃないの?!なのになんでそこに甘んじて自らもその構成員となっちゃってるの?!とか思っちゃう26歳独身女性は私です。

まあなんか、そういうわけで日本人街にいると好むと好まざるに関わらず牽制のなかにとりこまれるし、それを「自分はそんな日本人とは違うから!」なんて外から眺めてても、この国で私は結局のところ外国人であることには変わりなくて他から見たら同じ日本人だし、どうすればいいかとかぜんぜんわかんないけど、各方面となんとかうまいことやっていきたいな〜って思います。

私は今まで色々と「エンデちゃんはああいう子だからもう仕方ないよね〜」って許されてきたので、ここでもそうやって扱われたいです。
もちろん強くも逞しくもなりたいけどね!強いってなんなのかよくわからず「強くなりたい」って思い続けて20年くらい経つけど、最近ちょっとだけ強いの意味がわかってきた気がします。まあまだまだわからんけど。

あと、日本人コミュニティに入らないことで自分では「あの人たちとは違う」と思ってもそれも結局のところ差別ですよね。
自分たち「日本人」が被差別の対象、とまでは言わなくともマイノリティだと認める、そしてマイノリティは弱い、と認めることになる気が、私はします。
それこそ弱きの中での潰しあいというか排他的になることでなんとか結束していた戦後の貧しい日本人みたいじゃないですか。朝鮮人をいちばん差別したのが貧しい日本人だったっていうのと同じな感じ。

日本人街の人たちも、メリットがあって村を構成してるわけだし、住んでたらありがたいこといっぱいあるんだろうな〜ちょっと羨ましいな〜なんて思うし、みんながみんな排他的だとか攻撃的だとかではないんだろうけど、狭いコミュニティは生きづらいなあ〜ってやっぱりちょっと思います。

日本人同士で群れてる人たちのことをよく知ろうともせずディスる方が恥ずかしいってことですかね。
百聞は一見に如かず!
というわけでこの村に4泊しましたがまあ「わかる」って感じでした。
目的によってはいい街だと思います。なんのためにドイツに来たのかによりますね。あたりまえか!


私はここにいる限りヨソ者なわけで、たとえこの先何年も何十年もここで暮らしたりしたとして、仮に永住権をとったとしても、結局外国人にはかわりないんですよね。

自分がその時どう自認するかとかはわからないけど、完全に「私は日本人ではない」と思うっていうのは難しいんじゃないかなあと、少なくとも今の私は思います。他者からの意見はわからないけど、国籍が変わったところでその国の人だと誰もが認めるっていうのはなかなかない気がしています。それも差別とかになるかもしれないけど、私の認識としてまあ難しいよねってことです。

ドナウの旅人でマサコがシギィとの結婚に二の足を踏んだのと同じイメージです。どんなに言葉が通じて長く住んでもドイツ人として生きるのに自信がないのはやはりどこまでいっても外国人なのだ、という思い込みがあるからなんだと思います。

なんていうか、育った街以外なんて、日本国内でもこわいわ!


たぶんまだ感想文は続きます。





明日の朝でホテル暮らしは終わりです。
バスタブ最高だったな〜〜〜


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