kakuku@小学校教諭

教員生活11年目。自分の中で学んできたこと,考えたことを整理していこうと思います。当た…

kakuku@小学校教諭

教員生活11年目。自分の中で学んできたこと,考えたことを整理していこうと思います。当たり前を疑うこと。ワクワクすること。明日も早く帰りましょう。

最近の記事

「引き出し」より、まずはosを確認。

「引き出しが多いこと」 先生という仕事始めたばかりの頃、 引き出しが多い、先輩の先生の姿が とてもかっこよく見えた。 多様な実践、数々の挑戦。 これまで積み上げてきたものが、 その人をつくる。 「初任からの5年間が勝負。若いからどんだけ走ってもなんとかなる。チャレンジできるうちに、どんどんやってみて。失敗なんかない。」 きっと色んな引き出しも増えて、 かっこいい先生に近づくのだ。 管理職との面談で、 こんな言葉をかけてもらったのも懐かしい。 もうすぐ先生の仕事も1

    • ぱりんこからソフトサラダになった娘の世界

      「あれ、こんなにしゃべったっけ?」 「こんな気持ちの表し方、どこで覚えたんだ?」 夏休みになって,自分の娘と過ごす時間が一気に増えました。 今学期から地域の保育園に通うようになり,人になっていく自分の娘の成長は,どうやら私の知らない間に進んでいたということに気づかされました。 最近の娘の言動 「さすさすして。」 背中をさすってあげると,落ち着いて眠たくなるらしい。この言葉が出てくると,お昼寝へのカウントダウンが始まります。 おやつは基本的に一人で食べるのではなく

      • 最小努力の法則に従っていく。

        肉体労働も知的能力も 目標を達成するのに 複数の方法が存在する場合、 人間は最終的に最も少ない努力で済む方法を選ぶ。 この1学期は、まさに最小努力の法則。 最も少ない努力で目標を達成しようと、 最大限の利益を出そうと頑張りました。 異動でした。 はい。 異動先は、前任校の倍以上の規模があります。 同じ仕事なのに、学校が変わるとこうも変わるか。 そして昨年度までとは、1日の時間の使い方が 変わりました。劇的に。 頭の中の優先順位を変えました。 何より

        • サーチライトは何本持っててもいい

          もうすぐ新年度。この空白期間は知識の充電期間,ってことにします。 でも,補充する分野はあまり教育とは関係ないです。いろんな分野に侵入しては,おいしいところだけを食べて帰ります。作者の皆さんからすると,「そこ前菜だから」とお叱りを受けそうですが。 最近この本を読んでいますが,勉強になることが多いです。 この本の内容から私が考えたことを整理していきます。 パーソンズのサーチライト 科学の分野において,「概念」あるいは「理論」を使って対象を考えることで,見えてくる「現実」

        「引き出し」より、まずはosを確認。

          みんな違って、みんなどうでもいい。もはや自己満でいいや。

          卒業おめでとうございます。 担任として、この1年間。 「ピンチをチャンスに」を合言葉に駆け抜けた1年間。 本当にあっという間でした。 時計の時間と心の時間。ここまで心の時の流れの速さを実感できたのは、ひょっとしたら、コロナのおかげなのかもしれません。 唯一コロナによって得られた充実感、、、かな。 ただ、このコロナウイルスは、私たちが計画していた全てを壊した、本当に最悪のものでした。 でも、諦めたくありませんでした。 むしろ、今まで当たり前に取り組んでいた全ての活

          みんな違って、みんなどうでもいい。もはや自己満でいいや。

          プロフェッショナル✖️先生

          「この子には,どんな武器作ったんだっけ?」 「この子は,どんなボスと戦ってたかな?そういえば経験値は結構もらってたな。」 年度末,成績処理をしているときの私の頭の中は,こんなこと考えています。だから全然進みません。面白いからいいんですけどね。 私が行いたいのは,無力なゲリラである若者たちが,自分たちが弱者である日本社会というフィールドで戦えるように,「武器としての教養」を配ることなのです。 京都大学客員教授として,「意思決定の授業」をしていた,エンジェル投資家の滝本哲

          プロフェッショナル✖️先生

          遊びによって,なれる人間の余地が広がる。

          「人間は意識よりも、無意識に動かされている部分が、想像以上に大きい。」 これは心理学の進歩によりわかってきた真実。 さあ月曜日、今日は朝、布団から出れない教え子と電話しながら1校時が始まりました。kakuさんです。今週もよろしくお願いします。 冒頭の文章は、職員室の机の上に置かれていた情報誌の中にあった(何だったか思い出せない),歴史学者,磯田道史さんのお話の中にありました。 タイトルは「無為・無意識を大切にする教育へ」 この話のポイントと自分の考えを整理したいと思

          遊びによって,なれる人間の余地が広がる。

          ルールに対する考え方を整理するために。【14歳からの社会学】

          前回,私たちがいる学校のルールについて,子どもたちと考えた話をしました。 今回はもう少し,違った角度から,子どもたちと話し合った"学校"と"ルールに"ついて考えてみました。 学校という”社会”から絶えず影響を受け続けている子どもたち。私たちも何かしらの”社会”に属し,常に影響を受けて生活しています。 そんな”社会”の影響,”社会”との関係について,宮台真司さんの『14歳からの社会学』のからの知識を参考にします。 (読書メモ+自分の見方でまとめてみました。) 「共通前

          ルールに対する考え方を整理するために。【14歳からの社会学】

          「できない。意味なし。」と思う大人に、忖度する子ども。

          「将来のために本を読むべき。漫画はいいけど,将来を考えたら漫画より図書室の本。学校でわざわざ読まなくていいでしょ。」 「そもそも必要ないもの。図書館の本は勉強になる。漫画持ってきたらトラブルのきっかけになるし,切り替えができなくて邪魔になる。」 「ですよね。」 子どもたちの頭と心をすごい勢いで動かしている。 卒業を目前に,子どもたちが学校に対して”ある違和感”を持ち始めた。と思う。 そしてその一連の流れと子ども,先生,学校に,私自身も”違和感”を持った。 この違和

          「できない。意味なし。」と思う大人に、忖度する子ども。

          伝えたいことをゲームに置き換えて考える

          みなさんゲームしますか?ゲームボーイとか。 そして、ゲーム世界を例にして 話をしたことありますか? 小学校で子どもに話をする時、 気づいたらゲームを例に話をする自分がいたので、 頭の中を整理するために、以下のようにまとめます。みなさんはどう考えますか? (しょーもない話が始まります。) はじまりの町 私の世界は、崩壊の危機に瀕している。 誰かが立ち上がらないと。 このままでは、 誰もが望まない最悪な結果が待っている。 すごい悩んだけど、決めた。 「行ってくる。」

          伝えたいことをゲームに置き換えて考える

          今日を生きるために、引きこもる。

          職員室の机の上には、様々な回覧書類が来ます。自分に直接関わるような書類以外は流作業の確認で済ませてしまっているのが現状です。 ある日、何の資料かは記録していないのですが、 「フリースペースたまりば」理事長の西野博之さん の言葉が私のメモには残っています。 34年間、不登校の子どもと関わってきた人間の言葉は、お役所から届いて回覧される様々な教育政策のお知らせやガイドライン、確認事項より、 すっと自分の中に入ってくる感覚がありました。 (その時の読書メモも再度まとめてみま

          今日を生きるために、引きこもる。

          仲良し関係をつなぐ「スケープゴート」

          スケープゴートと聞いて「城之内くん」を想像した人も多いはず。 オシリスでもオベリスクでもなく、ラーの翼神竜を選んだあなたは、特殊能力も財力も地位も名誉もない平凡な金髪高校生が、赤と青の絶対的存在を、ドラマティックにぶっ壊していくありえない展開を期待していた当時の私に共感してくれるはず。自分でも何を言っているかよくわかりません。 というわけで、今日も一日お疲れ様でした。 おやすみ前に、スケープゴートの話をします。みんなで羊を数えましょう。 1. クラスで紹介した『友だち

          仲良し関係をつなぐ「スケープゴート」

          大人は子どもを操っている。

          1週間が始まりましたね。今日は久々に全員出席の月曜日でした。私の朝のテンションは子どもたちの出席率に大きく影響を受けているようです。 そんな私の受け持つクラスの一人が書いた「言葉に操られている感覚」に書かれた作文を紹介します。私にとって大切な作文であり、自分自身の何かが変わるきっかけになった作文です。 書いてもらった作文の内容には、簡単に書くと以下の通りです。 「最高学年としてのリーダー論をよく先生たちの話から聞くようになった。」 先生たちの言葉に操られている感覚

          大人は子どもを操っている。

          授業って「ジャズ」ってる。

          みなさんは「ジャズ」と言う音楽を知っていますか? 私は良く知りません。浅い知識しかありません。でも授業が「ジャズ」ってる話をします。 止まりません。 1.私の音楽性。(中学編)突然ですが、中学時代の話から始めます。 人生で最初に買ったCDが「慎吾ママのおはロック」だった私は、中学時代、雑誌「CDでーた」でJPOPの細かな流行の動きに注目するのが友達との楽しみでした。 その頃はまだ9mm Parabellum Bulletの特集を読み飛ばし(4人が暴れ、菅原が叫んで

          授業って「ジャズ」ってる。

          あなたの選択は「ナッジ」されている。

          「みなさん立ってください。」「気を付け,礼。」 「さようならー。」「バイバーイ。」 「またあとでね。」 子どもたちは一斉に動き出す。 (ぞろぞろぞろぞろぞろぞろぞろ…。) 「(子どもたちが帰る様子を見ながら)kaku先生見てください。あれを。」 「何ですか。」 (ざわ…ざわざわ…ざわ…ざわざわざ…ざわ…) 「・・・ってすげええええええ。(笑)」 1.私が見たもの。 集団で下校していく1年生の子どもたち全員が,見事に一直線に書かれた白線の上を歩いているんです。

          あなたの選択は「ナッジ」されている。

          「新しい友達グループに入るためには、どうしたらいいの?」

          皆さんだったらなんて答えますか? 「一緒にマリオパーティか桃鉄をすればいいんだよ。」 って個人的には答えたいんですけど、きっとこの質問者はそんな答えを望んでないと感じました。 なんでグループ作りたいんだろう。やっぱ不安なんだろうな。でもクラスには同じ小学校出身もいるわけで。不安?焦り?子どもであろうと,大人であろうと同じように悩む人間関係づくりについて,2冊の本から考えてみました。 1.そもそものきっかけ「中学生になったら,〇〇小と一緒になって新しいクラスになるでしょ。

          「新しい友達グループに入るためには、どうしたらいいの?」