見出し画像

もし母になったら子に渡したい本、自尊心を高く持つこと

こんばんは、エマです。今日は読書感想文です。

中学の頃、明るくて笑顔の印象的なクラスメイトがいた。彼女はいつも朗らかで、ごくまれに泣いている時すらどこか爽やかで嫌味がなかった。彼女の言葉が10年近く経っても胸に残っている。

「パパに言われてるんだ、勉強はできなくてもいいから友達を大切にしなさいって。友達は一生の宝だよって」。

彼女は新しいものが好きでセンスが良く、たくさんの友人に囲まれていた。家族の愛を素直に受け取り、まっすぐなエネルギーを発していた。かといって暑苦しい訳ではなくて、チアリーディングがよく似合う魅力的な女の子だった。進学や就職で環境が変わっても、新しい出会いを楽しみながらも古くからの友人とも関係が続いているようだった。

友達を大切にしたいという想いを言葉にできる人は少ない。台詞めいた言葉だから、自然に口にしていて驚いた。中学生ならではの言葉かもしれないが眩しかった。可愛い外見よりも内面がチャームポイントだと心底感じた。彼女の父もカッコイイ人に違いない。

もしいつか母になったら、彼女の父のように友達を大切にしてほしいと伝えたい。当たり前のことこそ言葉にして送りたい。

こんな風に生きたい、あの時こう思えたら良かった。結婚もしていない私なのに子供に教えたいと思う本だった。その子供は、まだ見ぬ自分の子供か、それとも過去の幼い自分か。

『うまくいっている人の考え方 完全版』ジェリー・ミンチントン

うまくいくための100のヒントが載っている。ここでいう「うまくいっている」とは経済的に調子が良いとか運が良いというような、ちょっと胡散臭いニュアンスではない。自尊心を高く持ち、人生をよりよく生きるということだ。

調子に乗るでもネガティブになるでもなく、自尊心を高く保つことは難しい。日々の些細な出来事に一喜一憂してしまうから。切り替えようと理性が訴えても、心の切り替えに一瞬で成功することはない。せいぜい表に出さずにやり過ごすくらいで、それから自分なりの方法でゆっくりグラデーションのように切り替えていく。慣れていても何日も引きずることもある。

自尊心の高い人は、精神的に安定している。事実をありのまま受け止め、俯瞰で自分を見ることができる。(※ちなみに「事実をありのまま受け入れる」というのは矢沢あい作『NANA』のタクミの言葉で、私のモットーのひとつです。完結を切に願います。)

冒頭のクラスメイトは自尊心を保っていたのだと、大人になって気づく。落ち込んでもうんざりしても、自分をまるごと否定することはなかった。自分を大切にできるから他者も大切にできる。大切にするから、大切にされる。「うまくいっている」。

自分を大切にして、自分に責任を持つということ。当たり前だけどあまり言葉にされない。当たり前すぎていつの間にか忘れている。そんな内容を淡々と語りかけてくれる本。優しかったりシビアだったり、適度な距離感が心地よい。読み終わる頃には元気になりました!なんて程でもないけれど、気持ちが少し軽くなる。ネガティブに沈んでいる時、地上に戻してくれる感覚。

K-POPアイドルBTSの「Love Yourself」、芸人みやぞんさんの「自分の機嫌は自分でとる」、ひと昔前だと「自分にご褒美」だろうか。自分を肯定して、自分が好きな自分でいるための思考法。落ち込むときがあれど、その考え方のコツを知ることで安心できる。最近はもっぱら電子書籍派ですが、本棚に加えたい一冊。どんな状態の自分も受け止められる人でありたいし、受け止めて良いんだよ、といつか子に話したい。


#エッセイ #日記 #読書感想文 #読書記録 #最近の学び #自尊心 #自己肯定感 #イラスト


この記事が参加している募集

読書感想文

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?