最近の記事

鏡よ鏡

20年間を共に過ごしてきた雨傘が、今日その命を終えました。 何の気なしに、とんっと足下を突いた拍子に傘の先端(石突という名前をさっき初めて知りました)と生地をつないでいる部品が外れてしまったようです。 それは、ネイビー・ブルーのミッフィーの雨傘で20年前、ある大切な人から、誕生日にプレゼントしてもらったものでした。 意外にも、というと傘に怒られるかもしれませんが、とても丈夫でちょっとぶつけてもびくともしないタフな傘でした。 さすがにここ最近は、生地が少し色褪せてきたのと、錆

    • 風と共に去りぬ

      十代の頃、「フリッパーズ・ギター」が大好きでした。 その中でもとりわけよく聴いていたのが「Singles」というアルバムでした。 アルバムの内容もさることながら、私がとても好きなのがそのジャケットです。 水色の背景に外国人の女の子が丈の短いショッキングピンクのネグリジェを着て本を眺めている。 そのジャケットを初めて見た私は、水色とピンク色という「あっち側とこっち側」同士のカラーの取り合わせに、衝撃を受けました。まさにびっくり仰天です。まさか色に一目惚れするとは。保守的で無味乾

      • 晴れの日は

        目薬ばかりさしています。 ハードコンタクトレンズを着けているのですが もともとのドライアイの症状が、年々ひどくなっているようでして、目薬が手放せない・・・、そんな体になってしまいました。 涙に近いという人工涙液タイプを使っていますが、これ、良いですね。大好きです。ストックは切らしません。 私の大切な目薬は、シャンプーやボディソープのストックを置いてある棚に一緒に並べてありまして、ごそごそと狭い棚に頭を突っ込んで、在庫チェックするのがとても楽しいです。 でも、最近になって気が

        • noteをノート代わりに

          昔からなんでも紙に書いてみないと気がすまない性格でした。 文章を書くのがとても好きでした。 子どもの頃から、友達と話しているなかで会話に出てきた初めて聞く単語や、好きな言葉、相手独特の言い回しやなんかを忘れないうちに指でササッと空に書いてみる。その後の授業中にノートの隅っこに書いて確かめる。なにか違うような気がする。でもどこが違うのかわからない。 話をしている間、友達は明らかに怪訝な顔をしているけれど、その場では何も言わない。でも私のことを見るからに疑いの眼差しで見ている。

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          罪悪感の正体

          自分が20歳だった頃、職場にいる40歳から50歳くらいの年代の人たちは、皆堂々としていて、はるか彼方を歩いていく自信に満ちあふれた大人に見えました。 ちょうどその世代を通り過ぎようとしている今、14歳の頃からほとんど変わっていない自分に気づくたび、愕然とし、また可笑しくなる時があります。 同じくらいの年齢で、この記事を読んでくださっている皆さんはどうですか? 変わっていないとは言ったものの、いちおうそれでもさすがに多少の変化というものはありました。 その中でも1番大きなこ

          罪悪感の正体

          わけもなくはないけれど会社へ行きたくないとき

          そそくさと乗り込んだエレベーターが1階へ到着した瞬間、 「ああ!」と思わず声が出ていました。 外は雲ひとつない晴天。今日の降水確率は0%。文句なしの快晴。 私の手には長い雨傘。 なんということでしょう。 でもまだアパートの敷地内。すぐに部屋に戻って置いてくればいいだけのこと。 なんでもないこと。 だけど私は知っています。こういう日は職場でもぼんやりしてポンコツなことをする可能性が高いことを。経験は本当に宝ですね。 職場ではできる限り気を張っておられる方がほとんどではないかと

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          アンガー・マネジメント

          最近職場で頭にくること、ありましたか? 私も若い頃は、しょっちゅう怒ってばかりいました。 仕事だけに限らず。 でもたまに思い出しては、恥ずかしさのあまり、シャンプーしながらドラえもんに出てくるオシシ仮面のように「グエーッ」と断末魔の叫びをあげたりしています。飼い猫が心配そうに覗きに来ますね。 今では、あまり怒ったり、いらいらしたりすることはほとんどなくなりました。 それは、腹を立てたあとに、しばらくしてからそれがちょっとした誤解や行き違いだったり、いらつきを覚えたその人の

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          自分を半分空けておくということ

          「いっぱい・いっぱいになってしまった・・・」 去年1年間で562回くらいは言ったような気がします。 さっき数えてみました。 上司や同僚、まだ名前が覚えられないけれど、スーツの着こなし的におそらく偉いであろう人など、職場にはある一定の時間、多くの他人たちが集まります。 自分に割り当てられた業務と役割をこなしながら、彼らと大なり小なりコミュニケーションをとっていく。 とんでもない神業です。 新社会人の皆さんや、今年から新しい職場でスタートをきった皆さん、 おつかれさまです。

          自分を半分空けておくということ

          楽に生きたらどこへ行けるだろう

          早朝の夢に、去年亡くなった叔母が出てきました。 夢のなかで、私は家族たちと叔母の葬儀に参列していました。 こじんまりとした広さの葬儀会場には、明るい音楽が流れています。 天井の照明は煌々と会場全体を隅々まで明るく照らし、きちんと並べられた椅子も壁に貼られたクロスも色はホワイトで統一されています。 祭壇は色とりどりの花々や果物で飾られ、とても華やかです。 私は喪服姿です。でも、あるいはもしかしたらコム・デ・ギャルソンのワンピースだったのかもしれません。 私は、自分の席で焼香の

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          元気を出すための3番目くらいの方法

          今朝起きたら雨が降っていたので、ほっとしました。 なぜなら薄暗い曇り空の下なら、うつむいて肩を落として歩いてもそれほど目立たないような気がするから。 今日一日、とてもじゃないけれど笑えるような気持ちになれない日は、空もどんより沈んでいてくれると、「よかった、無理して元気を出さなくてもだいじょうぶ」と力を抜くことができる。サンキュー、曇天。 太陽の光を浴びても、逆に自分が情けなくて泣きたくなるようなとき。 べったべたの底のどん底まで気持ちが落ちたとき、そこから一体どうやって元

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          朝も夜もおんなじ

          今日も夜がやってきました。 そして数時間後には勝手に朝が来るのでしょう。 去年の春は、川沿いのベンチでひとり、川の流れをぼんやり眺めながら 「私も川底の石になって、鯉たちの休憩所になりたい」と思っていました。 石たちには、明日もおそらく100パーセント今日と変わらない同じ日がやってくるから。悩みのない毎日。 うらやましい。私も石になりたい。砂でもいいです。 変化は、時にとんでもないダメージを私たちに与えることがあります。 いつも前向きにいられたらいいのに、と思いながらもな

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          やっぱり愛か

          前回の記事の続きを書こうとしています。 この記事から読んでくださった方に、前回のあらすじを。 「なにもないのはマイナスではありません」 これです。 しかしながら、マイナスになるかもしれないことへの計り知れない不安が 私たちについてまわるわけですね。 私が「新生活」をテーマに選んだ理由は、この言葉に含まれているポジティブさに、自分はどれくらいの明るさなら、目を開けていられるだろう?、脅威とならずにすむだろう?、と考えたからでした。 そして、この記事を読んでくださる方がもしいる

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          なにもないのはマイナスじゃないしね

          昨日から記事を書いてみて思ったのは、文章を書くということは本当に楽しいことだなということでした。 それでも「楽しい」というのは「善きこと」とされていると感じますが、同時にプレッシャーにもなることでもありますね。 幼稚園の頃、毎朝家を出る時間になると玄関先で大泣きするのが私の日課でした。 ある日曜日に、遊びに来ていた叔母さんが、居間で機嫌良く遊んでいる私に向かって「どうして毎朝泣くの?どうして幼稚園に行くのがいやなの?」と訊いたそうです。 途端に私は悲哀感を出した表情でもって

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          あたらしい生活

          自分にはなにもないのだ、と呆然としたのは数年前の春のことでした。 というと、まるで自分がなにも不自由なく、なんでも持っていると 思っていたみたいですが。 もっとひどい。 それは例えるなら、友達グループから煙たがられているのにもかかわらず 長く気づかずにいる若い女の子が、ショッピングの約束に 自分だけ嘘の待ち合わせ場所を教えられていたことを知って 逆切れするような感じです。 救いがちょっと遠くにある感じですね。 温かい泥 それ以来、直面する現実に愕然としながらも、胸元まであ

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          はじめては

          ご挨拶からこんばんは。はじめまして。Emma(エマ)といいます。 ついさっき、noteに登録したばかりで、その流れで今、この文章を打っています。手のひらが汗でびしょびしょです。 今の時刻は午後6時8分。雨が降っています。昼間からずっと降っています。 昨日までは、夕食を適当に済ませたあと、飼い猫とくっついて互いの体温を交換しながら、横になってYou Tubeを観ている時間でした。どうでもいい時間。 どうでもいい時間には、いろんなことを考えるものですね。いろんなこと。 そのいろ

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