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立ち上がれ!

割引あり

前書き

哲学者、國分功一郎の「暇と退屈の倫理学」は何度も読み返しても飽きない、素晴らしい文章だ。

彼の魅力は何といっても、「アクセルとブレーキの絶妙さ」である。普通の人が小難しく考えるところをスパッと片づけ、凡人が気にならないところで立ち止まる。

この切り口の鋭さが、ただでさえ優れた彼の頭脳を、さらに際立たせて「名著」の域に運ぶのだ。

「退屈」というテーマから、「幸福」をちょっと違う切り口から考えてみました。学校の授業がクソ退屈な理由も、少し見えてきます。


考察(本文)

パスカル、という人を知っているだろうか。
数学が好きな人なら、「パスカルの三角形」が頭に浮かぶだろう(彼はもともと、天才数学者として知られていた)。
何も知らない、という人でも、この言葉だけは知っているのではないだろうか。

「人間は、一本の葦に過ぎない。自然の中で最も弱いものである。だが、それは考える葦である。」

パスカル「パンセ」

『パンセ』という書物に記された、あまりにも有名な、「考える葦」と呼ばれる箴言である。
だが、今回問題にしたいのはそれではない。

彼が同じ書物の中で述べた、こちらの方を考えたい。

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