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重要事項は自信と確信を持って言える位まで確認する事が重要事項

高尾山6号路から入り、岩屋大師と琵琶滝で癒しを頂き、大満足で下山をする事にした。

ここで注意しなければいけないのは、紅葉時期などのハイシーズンの
6号路は一方通行区間が設定されるという事だ。
登りはOK、下りはNGというわけだ。

今回のルート、6号路入り口から琵琶滝までのコースは往復通行が可能なので
来た道を引き返す事にした。

しかし6号路の道幅は本当に狭い。
すれ違う事が出来ない道が多々ある。
ハイシーズンに一方通行になるのは頷ける狭さである。

登山者が登って来るのが目に入った。

確か山の基本ルールとして、登りが優先だったよね・・・

なんでも、下りの人の方が相手に気づきやすいという事と、
登りよりも下りの方が転倒しやすく、落石を起こす危険がある為だそう。
落石は危ない危ない・・・

という事で、下りのわたしが道を譲った。

狭い場所で道を譲る時は、山側によける。これも山ルール。
すれ違う人が楽に通れる様に、なるべく広く道をあけて待った。

ズンズン・・・・・すれ違う。
ズンズンズンズン・・・・・すれ違う。

さすがハイシーズン、途切れる事なく続く登りの人。

やっと人が途切れた。
やれやれ、やっと下れる・・・

出口に向けて下り始めるとまたすぐに狭い道になった。

登山者が登って来るのがまた目に入った。

山の基本ルール、登りが優先。山側によけましょう・・・
とよける。

今回はさっきより長い列だ。
ズンズンズンズンズンズンズンズン・・・・・・・・

まだ続く、まだ続く・・・
ズンズンズンズンズンズンズンズン・・・・・・・・

「けっこう急だよね〜」
「既に疲れた〜!アハハ〜」

お仲間同士でおしゃべりをしながら山側で道を譲っている
わたしの横を楽しそうに通り過ぎて行く。

ズンズンズンズンズンズンズンズン・・・・・・・・
さすがハイシーズン。どんどん登ってくるなぁと思っていると

「すみません」

すれ違う時に笑顔で言われた。

「いえいえ、どうぞ」とわたしも笑顔で言うと、次の人も
「すみません」と言った。
どうもこのお二人はお仲間らしい。

「いえいえ、どうぞ」とまたわたしも笑顔で言った。

次の人からはまたお仲間とワイワイ盛り上がりながら
わたしの横を通り過ぎていった。

やっと登りの人がいなくなり、さぁ、下りますか・・・と
下り始めた。

ふと思った。

あれだけたくさんの人がわたしの横を通り過ぎたのに、
「すみません」
と気遣ってくれたのは、たったの2人だったなぁ。

10月に初のソロ登山をした時は、狭い道をすれ違う時には皆さんが
「すみません」とか「こんにちは」とかご挨拶をしてくれていたし、
わたしもご挨拶をした。
まぁ、あの時は4号路だったけど。

笑顔で譲って譲られてが、すごく心地良くて、山っていいなぁ〜と
思っていたのに。

山での挨拶は「挨拶をすると気持ちが良い」という事だけではないそうだ。

登山者に何かあった時に、「6号路の琵琶滝付近ですれ違いました」
という具合に、記憶に残す目的もあるそうだ。

この目撃情報は捜索する方にとって、大きな手がかりとなる。
山での挨拶は命につながる面もあるのだ。

まぁ、今の時期は紅葉目当てで普段は山登りをしない人が多いからって事なのかな。

いや、山云々でなく、人に譲ってもらったらお礼を言うのって
特別な事じゃ無いんじゃないかな・・・

なんて事を悶々と考えながら下りていると、また登って来る人が見えた。

山の基本ルール、登りが優先。山側によける。

「すごい狭いね〜」
「ほんと!結構急だよね〜」

お仲間同士で喋りながらわたしの横を通り過ぎて行く。
更に登りの列は続く。

ズンズンズンズンズンズンズンズン・・・・・・・・

誰も何も言ってくれなかった。

そういうもんなのかな・・・譲って当然って事なのかな・・・
ハイシーズンとはこういうもんなのかな・・・
ちょっと悲しい気分で山道を1人下っていく。

それにしても、こんなにたくさんの人とすれ違ったのに
誰も何も言ってくれないものなのかなぁ・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ちょっと待って・・・

ふと不安になった。

6号路の一方通行って、琵琶滝より先の道だよね?
入り口から琵琶滝間は往復OKだよね?

だってわたしちゃんと調べたし、入り口の看板にもそう書いてあった・・・
・・・・・よね?

え!?

ちょっと待ってちょっと待って!
マジで不安になって来た!
もしかして、この道、往復しちゃダメなの!?

だとしたら・・・・

わたし、ルールを守らないスンゴイ迷惑な登山者じゃんッ!!

ココは下りNGだよ。何こいつルール破ってんの?ってやつ!?
だから誰も挨拶してくれないの!?
やだ〜〜〜〜!!超ヒンシュクじゃん!!恥ずかしい!!

いや、でもこの区間は往復OKなはず。
ヤバい・・・自信がなくなって来た。

往復NGなのかも?
いや、OKのはずだ・・・
でも下る人はわたししかいない。

どっちにしても居心地が悪すぎる。
とにかく早くココから出たい!

なんとも言えないアウェイ感を感じつつ、早足で出口に向かう。
と、すれ違った人が背後で言った。

「琵琶滝まで行って引き返す人もいるんじゃない?」

あ、やっぱOKなんだよね?
つーか、6号路は全区間一方通行と思っている人もいるのかな。
だとしたらその人にとっては、わたしはマナー違反登山者だ。

やだ、も〜〜〜〜〜ッ!!
ルールは守っているのに、このなんとも言えない罪悪感は何ッ!?
とにかくバツが悪い!
とにかく6号路から出たい!

大きな石がゴロゴロの登山道を、捻挫しないように気をつけながらも
大急ぎで下山した。

道が広々とした頃、看板が見えた。
行きに見た看板だ。

えっと、えっと・・・
入り口から琵琶滝までの区間は・・・

ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
やっぱ往復OKだった〜〜〜〜〜〜〜〜!!

ルールをちゃんと守っている登山者だと証明された事に心底ホッとした。

なんだかドッと疲れた下山だったなぁ・・・

下を見てトボトボ歩いていると綺麗な紅葉が見えた。

おバカさんねぇ〜、あれこれ考えすぎよ〜
ホラ見て、地面に落ちてもワタシキレイでしょ。

ふと前を見ると大好きなお不動さんがいた。

「何をやってんだ」

あたたかい口調で、そう言われてる気がした。

紅葉とお不動さんに励まされ、ケーブルカー清滝駅に着くと
ケーブルカー、リフト待ちの列が更に長くなっていた。

ス・・・スゴすぎる・・・

大勢の人にビックリして、さっきまでの落ち込みが、すっ飛んだ。

さぁ、わたしは京王線高尾山口駅に向かおう・・・

大行列を横目に駅への道を進んだ。
まだ11時40分という事もあって、高尾山口駅からどんどん
たくさんの人がケーブルカー乗り場に向かっている。

フゥ〜・・・
すごいなぁ〜ハイシーズンの高尾山は・・・
改めてそう思った。

なんだか今日の登山は散々だったな。
まぁ、あれこれ考えすぎた自分の思考にやられたって感じだけど。

あ、そうだそうだ。
今日の自分を元気付ける為に、大好きな酒饅頭を買って行こう。
行きに見た千代乃屋の酒饅頭・・・とお店の方を見ると
・・・そこも大行列だった。マジか・・・

行きに買わなかった事を大後悔しつつ、まぁ〜、また次のお楽しみに
しようと気を取り直して高尾山口駅へと向かった。

高尾山口駅前の紅葉もキレイだ。

「これに懲りずに、またおいで」

そうあたたかく言われているような気がしてほっこりした。

家に帰って、高尾山で撮った写真を見た。

ん?

6号路への分岐の写真だ。

「琵琶滝までは往復通行可」と太字で書いてある。(写真は切れてるけど)

ハァ〜〜〜・・・
看板さん、ご丁寧に太字で言ってくれていたのに・・・

ここでものすごく反省した。

重要事項は自信と確信を持って言える位まで確認する事が重要事項だなと。

今回はちゃんと調べて行ったにも関わらず、言い切れるほどの
自信を持てなかった。
ちゃんと落とし込んでいなかったという事だ。

そこでどんどん不安になって、心が乱れていった。
足場の悪い山道を早足で下山する・・・なんてリスクの高い事も
やってしまった。
転んで大怪我をしたら一大事である。
本当に大反省である。

重要事項は自信と確信を持って言える位まで確認する!

心のメモ帳に赤字で書いて、更にマーカーで印をつけた。

あと、もう一つ。
一方通行になる時期は往復OK区間でも、下山するルートに入れないようにする。

ここはOK区間だと知らない登山者もいるのでは無いだろうか・・・と
わたしの心が乱れるから。

自分の性格を考えてそうした方が良いと今回、痛感した。

自分の性格を考えて登山ルートを考える。

体力的にキツイかどうかだけがルートを決める物差しになるわけじゃ
無いんだなぁ〜と、今回本当に勉強になった。

そんな事、登山経験者さんなら当然の事なのだろうが、
なんせまわりに登山する人がいないので、アドバイスを
してくれる人はいない。
なので日々勉強である。

とりあえず、ハイシーズンの6号路、入り口から琵琶滝の往復はやらない。
そう固く心に誓ったわたしなのであった。

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