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ややツンドク傾向の読書好き。ついでに文章が書けたらいいな、とふと思い、noteを試して…

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ややツンドク傾向の読書好き。ついでに文章が書けたらいいな、とふと思い、noteを試してみる。

最近の記事

本のある生活_2023年12月

先日所属する派遣会社主催のセミナーに参加して、トーハン桶川センターというところを見学した。Wikipedia曰く「世界最大級の書籍物流施設」。仕事を通じて聞いているセンターの役割は「既刊の書籍を搬入、出荷するセンター」。ぼんやりとしたイメージだった。 百聞は一見にしかず。目の当たりにするとぼんやりしたイメージは具体化する。 既刊書籍とは、新しく出版された本ではなく、市場に出回っている本を取り扱うということ。センター内で、そうした既刊書籍はフロアごとに4つのタイプに分けられ

    • 本のある生活_2023年11月 

      心機一転。肩の力を抜いて、これから月1回、本、をキーワードに思うことをしたためてみようと思い立つ。この記事はその第1回目(2023年11月)。 なぜ「本」をキーワードに文章を? それはもちろん、私にとって本のない生活なんてありえないから。 なぜ本を読むのだろう? 私の場合そこ本があるから。そして私の場合、その場所は図書館。 私は親に本を買ってもらった記憶が思い浮かばない。買ってもらったことは間違いなくある。でも思い出せない。かわりに思い出せることは、子どもの頃、母が毎週土

      • 今週の新聞[2022.12.24-12.31]

        脚本家 中園ミホさんは、インタビュー記事で「20代で大失恋」したから「脚本家になれた」という(朝日新聞「「壁」があるから…恋愛のオキテ」2022.12.31, p6) 中園さんは記事の中でこう語っている。 中園さんを振った脚本家の「脚本を国立国会図書館ですべて書き写しました。好きな人が書いたセリフだからしみるんです。だんだん脚本の構造も分かりました。大失恋から2年。私は脚本家になりました。」 2021年1月1日、私は「私が日々新聞を開いて心に感じたことを、つつぶやくよう

        • 今週の新聞[2022.12.17-12.23]

          「(サンタさんは)どうしてよなかにくるの?」 「おれいを いわれるのが はずかしいからだろ」 暉峻淑子さんの絵本『サンタクロースってほんとうにいるの?』から(朝日新聞「誰かのために何かしたい サンタの心は誰にでも -- 経済学者 暉峻淑子さん」2022.12.18, p23) 思わず微笑んでしまった、一節でした。

        本のある生活_2023年12月

          今週の新聞[2022.12.10-12.16]

          ノンフィクション作家 星野博美さんが『世界は五反田から始まった』を出版されたのを機に掲載された記事「いま本当は「戦前」かもしれない」を興味深く読んだ(朝日新聞2022.12.11, p4)。 星野さんが、ご自身の祖父の歩みをたどった本だ。 私の母方の祖父は岐阜から上京して目黒区に町工場を構えた。私の父方の祖父は先代の荒物屋を引き継いで財を為し、戦争中は大田区にあった店を畳んで横浜の片隅へ疎開したと聞く。父母や親せきから、折々に耳にしてきた祖父母の人生も、星野さんのご著書と

          今週の新聞[2022.12.10-12.16]

          今週の新聞[2022.12.3-12.9]

          「ナラティブとは「物語」とか「語り」と訳される。ストーリーには筋書きがあるのに対して、ナラティブは自由に語り継いで内容を変えることができるのが特徴だ。」(朝日新聞「科学季評:新たなナラティブ「未来可能性」   : 科学と人々の信頼つなぐ」2022.12.8, p13) このコラムで霊長類学者 山際寿一さんはナラティブとストーリーの言葉の違いを説く。そしてこのコラムを次のように結ぶ。 「地球の現象は様々な要素が組み合わされて大小の効果を生む。それを予測するのが科学者の役割で

          今週の新聞[2022.12.3-12.9]

          今週の新聞[2022.11.26-12.2]

          サッカーW杯の開催をめぐってさまざまな意見があるけれど、あまり注目を浴びない国を知るチャンスだと気付きました。 「幸福度1位の小国 あふれるサッカー愛 : コスタリカ 日本とあす対戦」(朝日新聞2022.11.26, p35)によると、 「地球幸福度指数1位/152カ国」 「常備軍を持たず、環境保護や人権尊重への意識が強い」 そういえば絵本『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』は、南米ウルグアイの大統領のお話だったっけ。南米は治安が悪い国が多いという印象があるけれど、

          今週の新聞[2022.11.26-12.2]

          今週の新聞[2022.11.19-11.25]

          「多くの民族音楽は演奏者の上手い下手を人間的な面白さとして包み込む寛容さがあり、演奏者に潔癖さを求める近世以降の西洋音楽に比べて、構造的に壊れないという。」 朝日新聞に掲載された、ミュージシャン 後藤正文さんのコラム「人間らしい音楽のゆくえ」(朝日新聞2022.11.23, p31)で引用されていた、若尾裕さんの著書『親のための新しい音楽の教科書』の一節です。 そしてコラムはこう締めくくっていました。 「私たちの考え方次第では、失敗する可能性のある演奏家があらかじめ排除

          今週の新聞[2022.11.19-11.25]

          今週の新聞[2022.11.12-11.18]

          「母語には危険な罠があるんですよ。なんでも自由に言えると思っているけれど、母語に隠された暗黙のプレッシャーを無意識に引き受けてしまうので、だんだんものが言えなくなってしまう。(中略)シンプルな言葉のほうがうまくコミュニケーションできる瞬間があって、面白いなと思っていたんです」(朝日新聞夕刊2022.11.16, p2)。 作家、多和田葉子さんが『太陽諸島』刊行に際して語った言葉です。 私は50歳を超えても英語を学び続けている。母語、日本語を話す時、言葉が持つニュアンスを考

          今週の新聞[2022.11.12-11.18]

          今週の新聞[2022.11.5-11.11]

          ユーモアとアイロニー。日本語でユーモアは「おかしみ」「滑稽さ」。アイロニーは「皮肉」。ウィキペディアやコトバンクによると、日本語のユーモアとアイロニーは、英語のhumorとironyと多少語感が違うようです。けれど、いずれにも通底するものがあるらしい、と思わせてくれる記事を2つ見つけました。 「樋口恵子賞」は、80代90代の、なにをするにもヨタヨタヘロヘロの高齢世代を「ヨタヘロ期」と命名し、この世代が社会参加しやすくする活動を表彰する賞として、今年創設されたそうです(朝日新

          今週の新聞[2022.11.5-11.11]

          今週の新聞[2022.10.29-11.4]

          挨拶は知っている人にするもの、あるいは私とある程度関係性のある人にするもの、と考えていた。ところが見知らぬ人にも挨拶することもあるようだ、と知ったのは、私が小学生の頃、母に連れられて祖父の田舎へ行ったときのことだった。母曰く「田舎の人は知らない人にも挨拶するのよ」 首都圏に住む私はそんな経験をすっかり忘れて成長した。 成人してアメリカに留学した時、在米歴の長い日本人の友人と町を歩ているとホームレス風の男性がこちらの方をじろじろ見る。私が目をそらせて通り過ぎようとするのに反

          今週の新聞[2022.10.29-11.4]

          今週の新聞[2022.10.22-10.28]

          心に余裕がないと思うこの頃。心に余裕を持たせるためのヒントに感じた記事から抜き書きします。 備忘録1: 教育「私たちはなぜ学ぶのか」養老孟司さん(朝日新聞2022.10.26, p26)より >ネットに情報はあふれているが、共感できるものばかり見ていたら頭は固くなるよ。 >社会のシステムが大きくなり、安定しているけれど、自分が働いた結果がどう自分に返ってくるか、よく見えない社会になってしまっている。その分、参加している人の生きがいや素朴な感覚が失われてしまっている面もあると

          今週の新聞[2022.10.22-10.28]

          今週の新聞[2022.10.15-10.21]

          恐縮ながら、私事で始めます。 最近私は職場で「すみません」が口癖になっているようだ。10か月前から派遣社員として働き始めた職場で、恐らく二回り若い男性正職員のアシスタントとして働いている。前職とは違う業種に飛び込んだこともあって勝手がわからないし、失敗ばかりもする。いつの間にか「すみません」が私の口癖になっていたらしい。ある日、その彼に「あまり誤らないでください」とたしなめられたのです。若い男性正職員がおばさんを指導することに難しさを感じているだろう、という私の胸の内が言動

          今週の新聞[2022.10.15-10.21]

          今週の新聞[2022.10.8-10.14]

          古代中国の斉の国に、記録係の兄弟がいた。主君を殺した重臣について事実をそのまま長兄が記録したところ、怒りを買って処刑された。兄を引き継いだ1番目と2番目の弟も、「殺した」と書き続けたために処刑される。3番目の弟が書くに至り、重臣は諦めた 今年のノーベル平和賞の結果を受けて、天声人語で紹介されていた中国の故事です(朝日新聞2022.10.8, p.1)。 気になってネットで調べてみる。Wikiペディアによると、『史記』『春秋左氏伝』『春秋』に記されている故事だという。 さ

          今週の新聞[2022.10.8-10.14]

          今週の新聞[2022.10.1-10.8]

          新聞は日頃のちょっとした疑問に、不意に答えてくれ時があります。 Q: スーパーで買った肉は洗ってい洗ってから調理するべきか否か? A: 食中毒予防のために生肉は洗わないほうが良い。 肉に付着している菌は加熱で殺菌できるから。ところが肉に付着していた菌が周囲の調理器具や食品に飛び散ると、その菌が食中毒を引き起こす可能性がある。だから肉に付着する菌をまき散らさないために水洗い不要。 Q: スーパーで買った魚は洗ってから調理するべきか否か? A: 一匹丸ごとの魚と殻付きの貝は、

          今週の新聞[2022.10.1-10.8]

          今週の新聞[2022.9.24-9.30]

          「62歳 最高齢で医師国家試験合格」(朝日新聞2022.9.25, p.27) 専業主婦から、51歳で決意して、54歳で医学部に入学し、64歳で国家試験に合格した女性を紹介する記事。 「「独学」の熱 では本質は」(朝日新聞2022.9.27, p.25) 「独学」の効用や技法をうたう書籍の刊行が増える中で、独学についての識者の意見を紹介する記事。 これらの記事を読んで、ふと考えた。 さて50を過ぎても、私はなぜ今だにTOIECを受験してみたり、おもむろにVBAの勉強

          今週の新聞[2022.9.24-9.30]