本のある生活_2023年11月
心機一転。肩の力を抜いて、これから月1回、本、をキーワードに思うことをしたためてみようと思い立つ。この記事はその第1回目(2023年11月)。
なぜ「本」をキーワードに文章を?
それはもちろん、私にとって本のない生活なんてありえないから。
なぜ本を読むのだろう?
私の場合そこ本があるから。そして私の場合、その場所は図書館。
私は親に本を買ってもらった記憶が思い浮かばない。買ってもらったことは間違いなくある。でも思い出せない。かわりに思い出せることは、子どもの頃、母が毎週土曜のピアノのお稽古の前に私を公民館の図書室に連れていったことだ。そして「1冊好きな本を選びなさい」と言われて本を借りていた。特別本の虫だったわけではない。病気でお稽古をお休みした時は母が私の代わりに本を借りてきた。母が借りてきた本で覚えているのは『24の瞳』。今の小学生はこんな本を読むのでしょうか。まもなく私はもう少し大きな図書館をみつける。そこにあった『赤毛のアン』シリーズに魅了され、ピアノのお稽古の前に借りに行くのが楽しみとなっていった。
中・高校生になると、図書館へ行くことはなくなり、代わりに読書家の父の蔵書を読むか、学校の図書室で借りていたが、正直、部活と勉強でほとんど読んでないに等しい。
三つ子の魂百までとはよく言ったもの。
大学になりと、お金はないけど時間に余裕ができた。私はなぜか図書館に入り浸った。まず大学図書館で映画を視聴できることを知って映画を見まくることから始まった。次第に自分では買えない高価な美術書の存在を知り、ひも解くようになった。社会人になっても、非正規雇用のため収入は雀の涙だから、勤務先の近くに図書館を見つけては本を刈りまくる。でも手にする本は変わってきた、仕事の憂さを晴らすべく小説を読むようになっていた。
私にとって、本は買うものではなく借りるもの。書店にあるような、きれいに着飾った本ではなく、図書館にあるちょっとくたびれた本が生活に潤いをもたらしてくれる。そんなライフスタイルを教えてくれたのは、母でした。