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#2品詞の概要

英文法の学習、いや英語の学習において最も重要なものの一つが「品詞」です。英語学習者の殆どが「品詞」についてよく分かっていないし、指導者も時間の関係上どうしても省略してしまいがち...
しかし、「品詞」というのは、様々なところで応用できる、基礎基本の「キ」です。

例えば、「to不定詞」を勉強するとき、"名詞"的用法とか、"形容詞"的用法とか、"副詞"的用法とか、出てきますね。
「品詞」がわからないのに、「to不定詞の"名詞"的用法は"名詞"と同じ働きをします」と言われても理解できるはずがありません。

実際に、to不定詞の理解を「訳を覚える」ことで止まってしまっているのではないでしょうか?
使い方まで分かっていますか?

そもそも品詞を理解していれば、「訳を覚える」ということすらする必要がなくなります。

この例以外にも、英語学習の上で、たくさんの場面で品詞を考えないといけないときがきます。
品詞を習得することは、ゲームでいうコントローラーの使い方を知るようなものなのです。

体系的に英文法を理解するためにも、基礎である「品詞」をしっかり学習していきましょう!

品詞とは?

国語辞典で引いてみると、
品詞というのは「単語を形態・職能などによって分類したもの。」と書かれてあります。
ようするに、「品詞は、単語が文中で果たしている機能(役割)を表したものである」と言えますね。

なので、品詞を使いこなすためには、その単語の役割がなんなのかを理解し、習得する必要があります。

ここで注意なのですが、一つの単語に一つの品詞(役割)が当てられているわけではありません。一つの単語には、複数の品詞(役割)が当てられている場合がかなりあります。
簡単な例でいえば、"train(トレイン)"は、「電車」という名詞もあれば、「トレーニング(訓練)する」という動詞もあります。
もう少しレベルを上げれば、"patient(ペイシェント)"なんかは、「患者」という名詞と「しんぼう強い」という形容詞があります。

そもそも、単語に品詞が当てられているというよりは、「文の中でどんな風に使われているか」で品詞は変わるという認識の方が適切でしょう。

(参考文献)
新明解国語辞典第7版
ジーニアス英和辞典第5版


品詞の数

さて、まずこの質問からしてみましょう。

「品詞の数はいくつありますか?」

この質問は、品詞を理解できる最低条件が整っているかの確認に使えます。ゲームのコントローラーのボタンの数をまず知るというようなことです。

では、答えられますか?無限にあるように感じますか?
「名詞?」「疑問詞?」「冠詞?」「関係詞?」「形容動詞?」...

早速答えを言えば、「8つ」です。

案外少ないような気がしますね。

名詞
代名詞
動詞

形容詞
副詞

前置詞
接続詞
感嘆詞

この8品詞が、日本の学校教育で一般的に教えられるものです。
これらは、品詞の第一段階目のざっくりした分類です。
さらに詳細にそれぞれの品詞の中に、細かい分類がたくさんあります。

例えば、「名詞」の中に、
「可算名詞(数えられる名詞)」や「不可算名詞(数えられない名詞)」があったり、
「代名詞」の中に、
「指示代名詞(this / that)」や「人称代名詞(I / you / him など)」、「不定代名詞(one / other / anotherなど)」があったりします。

あれ?「疑問詞?」「冠詞?」「関係詞?」「形容動詞?」は?
という質問にもお答えしておきましょう。

「疑問詞」は、「疑問代名詞(who・whom・whose・what・which)、疑問形容詞(what・which・whose)、疑問副詞(when・where・why・how)」 の総称のことです。
「冠詞」は、「形容詞」の中にある詳細な分類の一つです。
(※冠詞を大きな括りに含めて一つの(形容詞とは)別の品詞として考える場合もあります。そのときは、品詞は全部で「9種類」になります。)
「関係詞」は、「関係代名詞(that・which・who(m)・whose・what)、関係副詞(when・where・why・how)、関係形容詞(what・which) 」  の総称のことです。
「形容動詞」は、日本語文法に出てくるもので、英語の文法に「形容動詞」は存在しません。


品詞を覚えよう

品詞というのは、英文法を理解するのに最低限必要なものです。
ひとまず分からなくても構わないので、この8つをまずは覚えてしまいましょう。

細かな役割は、後でみることにします。

名詞
代名詞
動詞

形容詞
副詞

前置詞
接続詞
感嘆詞

「名詞、代名詞、動詞」
「形容詞、副詞」
「前置詞、接続詞、感嘆詞」
このグループで覚えてしまいましょう。

大まかなあ役割は以下の通りです。
「名詞、代名詞、動詞」・・・主語と述語になる(文を構成する)
「形容詞、副詞」・・・修飾語になる(文に飾りをつける)
「前置詞、接続詞、感嘆詞」・・・その他

この8つを把握するところから品詞の学習は始まります。
これからは、「名詞が….」や「接続詞の使い方は….」など、すでに登場人物を全員わかっているという前提で解説を進めます。

一旦ここまでをまとめました。
確認しておきましょう。
また品詞の詳細についてはこれから見ていきますので、軽く目を通しておいてくださいね。

(参考文献)
英文法総覧
英文法の核


それぞれの品詞の役割

ここからは、簡単にそれぞれの品詞の役割を確認します。
(さらに詳しい品詞の解説については、今後のNote記事にご期待!)

・名詞
名詞は、「人やものの名前をあらわす」と説明されますね。
しかし、名詞の役割は?と聞かれて、このように回答しては、答えになっていないと言えます。
名詞の役割は?と聞かれたら、「主語」「補語」「目的語」と答えましょう。
今はまだ「主語」「補語」「目的語」の意味が分からなくても大丈夫です。
具体的な名詞の単語は prince / book / computer / tea / paper / Osaka / Eiffel Tower などがあります。

・代名詞
代名詞は、「名詞の代わりに使われる」もののことです。
名詞の代わりなのだから、もちろん役割も名詞と同じです!
(イメージとしては、「リーダー代理はリーダーと同じ仕事をする」ような感じです。リーダー代理が来たのに、リーダーの役割を担わないで、経理をし始められると、目が点状態ですよね?代わりなのに他の仕事(役割)をされるとびっくりしますね。)
つまりは、「主語」「補語」「目的語」が役割になります。
さらに、大きく分けて、代名詞は、
「I / my / me / mine」などの「人称代名詞」、 「this / that / these / those」の「指示代名詞」、「one / other / another」などの「不定代名詞」があることもおさえておきましょう。

・動詞
動詞は、「主語の動作や状態を表す」ことばのことを言います。
役割は、「(述語)動詞」になるということです。
品詞における「動詞」と文を作る動詞の役割である「(述語)動詞」は完全なイコールにはなりません。
詳しい解説は、「文型(動詞の型)」の解説に任せるとして、とりあえず「動詞」は「(述語)動詞」になると覚えてしまいましょう。
また、動詞は、「動作を表す」と説明するだけでは「動詞」というものを完全に説明できていないことにも注意が必要です。
動詞には、動作を表す「動作動詞」と状態を表す「状態動詞」の二種類あります。
例を挙げてみれば、
「write(書く) / read (読む)」などは動作を表しているので動作動詞で、
「think(考える) / love(愛する)」などは状態を表しているので状態動詞となります。

・形容詞
「名詞の様子や性質、状態などをあらわす」というのが形容詞になります。
一般的に「名詞を説明することば」と言われることが多いですね。
役割をと言えば、二つです。「名詞を修飾する」ことと、「補語」になること。
「名詞を修飾する」はすぐに出てくるのに、なかなか「補語」になるは出てこないので、すぐに思い出せるようにしておきましょう。
かなり大雑把な説明にはなりますが、この「名詞を修飾する」形容詞の使い方を「限定用法」、「補語になる」形容詞の使い方を「叙述用法」と言います。
I know the smart girl.
(私は、その頭の良い女の子を知っています。)
これは、smartがgirlを説明しているわけですが、
このとき「色々な女の子(girl)の中でどんな女の子(girl)なのかを区別(限定)」しているので、「限定用法」と言われます。
一方で、
That girl is smart.
(あの女の子は頭が良いです。)
のように「補語(be動詞isの後ろ)」にきている場合は、
「女の子(girl)という名詞を単に説明(叙述)」しているので、「叙述用法」と言います。

・副詞
副詞は、学習する上でかなり苦戦する人が多い品詞の一つです。
でも、ゆっくりと確認していけばそれほど難しくはありません。
まず、副詞は、「程度や頻度など」をあらわすと覚えましょう。
主に役割として「動詞・形容詞・副詞・文など(名詞以外)を修飾」します。
形容詞は「名詞」を、副詞は「名詞以外」を修飾すると考えれば暗記量が減りますね。
しかし、副詞は「文の要素(主語・(述語)動詞・補語・目的語)」にはなりません。
いわゆるSVOCには、なれないのです。副詞を見かけたら、その点注意しましょう。
さて副詞の例を見てみます。
He runs so fast.
(彼は、とても早く走る。)
この文では、fast(副詞:早く)はruns(動詞:走る)を修飾していて、so(副詞:とても)はfast(副詞:速く)を修飾しています。
副詞は、このように「動詞」を修飾することも、
「副詞」が「副詞」を修飾することもあります。忘れないでくださいね。

・前置詞
前置詞は、「場所や時などをあらわす」品詞です。
前置詞は、単体では使われず、必ず後に名詞が続きます。
書いて字の如くですが、「名詞の[ことば]」で「前置詞」です。
役割としては、<前置詞+名詞>のかたまり(前置詞句)で形容詞と副詞の働きになります。
早速ここでも応用が効いてきましたね。形容詞と副詞の役割はなんでしたか?
形容詞は、「名詞を修飾する」ことで、
副詞は、「名詞以外を修飾する」ことでした。

・接続詞
「単語や句、節などをつなぐ」ものを接続詞と言います。
接続詞は、単に二つを同じよう(並列)につなぐ「等位接続詞」と、
文を繋ぎ名詞や副詞のカタマリとして働く「従属接続詞」があります。
I have a pen and an apple.
(私は、ペンとリンゴを持っています。)
このandはa penとan appleをそのまま並列で繋いでいます。
I don’t care if you don’t have money.
(私は、あなたがお金を持っていなくても気にしません。)
ここではifが接続詞です。
Ifは副詞のカタマリを作っており、if you don’t have money(あなたがお金を持っていなくても)が、
don’t care(気にしません)の動詞を説明(修飾)しています。
ここでいう、andが「等位接続詞」、ifが「従属接続詞」になります。

・感嘆詞(間投詞)
感嘆詞は、「驚きや喜び、感動などの感情をあらわす」ものです。
oh / ouch / wow などが挙げられますね。
この感嘆詞は、感情を表すわけなので、他の品詞に比べると”文法的”重要性はそれほど大きくはないと思います。
こういう種類の品詞があるということだけ知っていれば十分です。
もちろん深堀すれば面白いので、英語が得意!と言えるようになってから勉強してみてください。
(ちなみに、そのうちNoteに記事を書く予定なのでお楽しみに!)

(参考文献)
英文法総覧
英文法の核
一億人の英文法


最後に

さて、今回は「品詞」の概要について解説しました。

今回の概要は、これから文法を理解していくための最低限覚えておきたいポイントになります。
途中で挟んでいる「ポイント板書」を何も見ず空で書けるように復習しておいてください。

これから、各品詞のことについても解説していきますので、
今のうちにフォロー!しておいてください!!

また、動画でも解説しています。
動画は、文章だけでは伝わらない解説を(口頭&板書にて)加えたり、
耳で覚えられる効果があったりと、便利な使い方ができると思います。
ぜひ、ご活用くださいね!!

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