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【21Lessons】21世紀を生きる、僕らが持つべき人生の指針

日曜日は、読書*ブログの日です!

前日に引き続き、ハラリ̪氏の『21Lessonns』を論考していきます。本日は、総まとめ編です!

こちらの本、読まれた方はわかると思うのですがかなり難解です。

ハラリさん天才過ぎます。。

僕がこの本で読んで学んだこと、不透明な21世紀時代を生き抜くことで、人生の指針になると考えたことをまとめていきます。

まずは、結論からです。

21世紀を生き抜く上で、最も必要とされるのは”常に自分を改革する、アップデートする力”になる。そのために、①物語(虚構)に踊らされることを避ける。②自分を知り、心の聖域を守る。という2点を学ぶ必要がある。

以上が、大きな結論になります。その背景も含めて順を追って説明していきます。超長いですが、お付き合い下さい。

■現代教育の限界点

現代教育において、教師がさらに情報を与えることほど無用な行為はない。生徒はすでにとんでもない情報をもっているからだ。人々が必要としているのは、情報の意味を理解したり、重要なものとそうでないものを見分けたりするの能力、そして何より、大量の情報の断片を結びつけて、世の中の状況を幅広くとらえる能力だ。

僕は30歳代ですが、僕らがこどもの頃はちょうどインターネットの黎明期。グーグルで自分で調べたりすることがまだできなかった時代です。

大学の頃になり、スマホが登場し、一気に個人がアクセスできる、取得できる情報の量が広がりました。

情報が少ない時代において、先生(教師)すなわち知識を与えているくれる存在は、貴重でした。

しかし、グーグルが全ての答えを与えてくる時代において、知識を与える教師、そして学校という組織、制度そのものが見直しを迫られます。

今のこどもたちは、Youtubeで学び、Wikipediaで調べ、TEDの講演で知識を養う世代です。

そこで、様々な教育論が説かれています。STEM教育、4C教育などなど。

しかし、問題はだれも10年後、20年後の未来を予測できないことです。

あらゆる知識とスキルのライフサイクルが短くなっています。今、C言語を学んでも5年後にはAIが遥かに優れたソフトウェアを書くかもしれない。

語学を学んだのに、5年後にはグーグルの翻訳機能がそのすべてを能力を代替するかもしれない。

ライフサイクルも同様です、今までは終身雇用で定年まで勤め上げれば未来が見えた、つまり第1期の学習期、第2の労働期の時代。

しかし、今後10年では3年後に価値のあったスキルが5年後には廃れ、50歳から新しい自分を再構築する時代が来るかもしれません。

そのような時代で必要な能力とは何か。

社会的にも存在価値を持ち続けるには、絶えず学習して自己改造する能力が必要だ。-50歳のような若い世代では間違いなく。

この自己改造能力を手にするために、”大人”も”テクノロジー”も頼りにできないと、ハラリ氏は述べます。

なぜなら、大人の叡智はすでに時代遅れになる可能性が高いし、テクノロジーに頼るのは、テクノロジーへの依存を招きかねないからです。

簡単にテクノロジーが僕らの人生を支配するかもしれません。

スマートフォンに目が釘付けになったまま通りを歩きまわるゾンビを見たことがあるだろう。あなたは彼らがテクノロジーを支配しているの思うだろうか?それともテクノロジーが彼らを支配しているのか?

そしたら、最後は”自分に”頼る、しかない。そう思いますよね。これもハラリ氏は、危険だといいます。

そもそも、僕らが自分の声に耳を傾けたときに、そこでささやく声は、本当に自分の声なのでしょうか。

現代は、グーグル、Facebook、バイドウ、Netflix、そして政府。あらゆる、主体があなたの脳をハックしに来る時代です。

今日、あたなが観たその映画は誰が選びましたか?

それは、あなたかNetflixか。

今日、あなたが選んだそのレストランは誰が選びましたか?

それは、あなたか食べログか。

今後、さらにAIが進化し様々なアルゴリズムが僕らを観察するようになります。何を買い、どこへ行き、誰に会うのか。

あなた自身をよく理解しているのは、あなたかそれともAIか。

AIがあなた以上にあなたを理解したとき、抵抗するために残された手段はありません。

では、21世紀型学習能力。

絶えず自己を改造する能力はいかに獲得するか。

まずは、物語から距離をおくこと。

そして、汝を知ることです。

アルゴリズム、アマゾンや政府よりも前に自分自身を知っておかなければならない。先回りする時は、荷物をたくさん抱えていない方が良い。幻想はすべて置いていくに限る。ひどく重たいから。

■人生の物語に依存するリスク

私は何者か。人生で何をすべきか。人生の意味とは何か。人間は太古からこうした問いを投げかけ続けてきた。

これは、人類史上最大の課題です。

誰もが、自分は何者なのか。人生で何を成し遂げるべきなのか。

を考え続けます。

だから、僕らはいろんな物語にとびつきます。

日本人というアイデンティを得るために、日本という国の成り立ちを学び、日本のという国の物語を信じます。

人生で成功するために、よく勉強し、良い大学を卒業し、大企業に勤め、安定して生活を得るというサラリーマンの物語を信じます。

将来の不安にそなえるために、投資をはじめ、投資が本業収入を超えて、年収が1000万を超えた投資家の物語を信じます。

結論を申し上げますと、ハラリ氏はこれらはすべて虚構だと断じます。

それでもなお、僕らがそれを信じてしまうのは、物語が僕らにアイデンティを与えくれる、さらに所属する集団もその上に成り立つからです。

日本人であるというアイデンティと日本国、日本企業、などの集団も日本という虚構の上に成立します。

なぜ、虚構なのか。また虚構を信じることの何がリスクなのでしょう。

虚構に、土台(現実)はありません。

例えば、日本という国はどこからどこまでが日本なのか。排他的経済水域の領域??だとしたら、なぜ領土問題は起きるのでしょうか。

日本人は竹島を日本の領土だと考える、韓国人は竹島を韓国の領土だと考える。そこには、国家の土台も証拠もありません。

人々が何を信じるか、どの物語を選ぶのかというだけに過ぎないのです。

虚構は、暴力の温床になります。

しかし、そんな虚構のために人類は現代までの歴史で何千万、いや何億ともいえる殺し合いを繰り返してきました。

第2次世界大戦では、7000万人近い死者を出しました。それも、ナショナリズムという虚構が生み出した国家を拡大し、そして守るために。

虚構は、視野を狭めます。

人は、ある特定の物語(虚構)を信じていると、その物語の細かい点には強く関心を持つ一方で、その外にあるものに目を向けなくなります。

例えば、熱烈な資本主義者は成長と拡大を志向します。儲かっているのか、利益は確保できているのか、競合には負けてないのか。

しかし、自分の企業活動が地球環境に与える影響に目もくれないでしょう。

虚構は、永遠には続きません。

虚構は永遠には続かないことは歴史が証明しています。

ナショナリズム、国家が誕生したのはつい200年ほど前です。日本という国家は、大政奉還(1867年)を迎えてから誕生しました。

まだ、生後150年近くの赤子です。ホモ・サピエンスは寿命200万才、地球は46憶才。日本国家の歴史は、地球の歴史の3200万分の1に過ぎません。

そして、みなさんもご存じのように大企業の終身雇用で安定生活という虚構は30年足らずで崩れ落ちました。

結論、虚構を盲目的に信じることは、自己を常に改造するという21世紀型の自己学習能力の獲得の弊害なりうる。

ということです。

外の世界への視野が狭くなる、永遠に続かないものを信じる、現実でないものを信じる。

それでもなお、自己を常に改革するという能力を獲得することは、僕は茨の道だと思います。

物語を盲目的に信用し、依存することのリスクはわかりました。

では、いかに常に自分をアップデートしていけば良いのか。

そのためには、汝を知る。ことです。

■自由意志がないからこそ、汝を知る。

「自由意志」という言葉を自分が欲することをするという自由という意味で使うなら、たしかに人間は自由意志がある。だが、「自由意志」を自分が欲することを選ぶ自由という意味で使うなら、人間に自由意志はない。

僕らは、自分の人生の選択は自由に自分で決定すると考えます。

しかし、ハラリ氏は実際のところ人には、欲することを選ぶ「自由意志」などは存在しないとしています。

ハラリ氏からすると、それは脳内のニューロンの働きで、”生物学的な揺れ”にすぎないのです。

ここが超難解です。例えば、僕はnoteを書く行為というのは、自分が欲することを選ぶという意味で、自由意志があると言えそうです。

しかし、ここでハラリ氏は主に自身の感情、生物学的な反応に注目します。

あなたは思考や情動や情動や欲望を経験するが、それらを支配していないし、所有もしないし、そのどれでもない。人々は、「私は何者なのか?」を問い、物語を聞かされることを期待する。しかし、自分について真っ先に知っておく必要があるのは、あなたは物語ではない、ということだ。

僕ら、人間は自分の感情をコントールすることさえできません。また、血圧や心拍数、ニューロンの動きなどを支配することもできません。

例えば、ダイエット。

あたなたは、インスタで友達が紹介していたダイエット方法に憧れ、10Kgやせるためにダイエットをスタートさせます。

10Kg痩せた友達のインスタのポストが眩しくて仕方ありません。水着を着ている友達が高級ホテル、バー付きプールでリア充ポストしています。

私も、僕も、あんなふうになりたいと意欲を燃やします。

しかし翌日、別の友人が超大人気スイーツをインスタにポストして、あなたの夢は崩壊します。ダイエットはおさらば、スイーツ食べて大満足。

ここでの学びはいくつかあります。

①人間は自分の感情をコントロールできない。
②友人のインスタも虚構であるかもしれない。

人間は、痩せたいと思った意欲、スイーツを食べたいと思った食欲をコントールできません。

ですからハラリ氏は、そういった感情や欲望に夢中になるのではなく、それらを理解する、ことから始めるべきだといいます。

プールのリア充ポストも現実のように見えるが、その経験は実際には身体に接続されるものであり、体と心の流れに注意を促すべきといいます。

リア充に見えるポストも、そのプールの温度が冷たくて体は冷え切ってるかもしれないし、実は5分後には恋人と喧嘩しているかもしれない。

そんな虚構におどらされるのは、バカバカしい。

であるならば、そもそもそんな物語(虚構)は聞くべきでもないし、それよりも自分の感情や心と体の流れを理解する。

つまり、汝を知る。

方が、遥かに大切だと、この本は伝えています。

「あれ、この考えは私ではないぞ。ただの生物学的な揺れにすぎない!」と一旦悟ると、自分が何者か、どんな存在か、見当さえつかいないことにも気づく。これはどんな人間にとっても、これ以上ないほどの胸躍る発見の旅の始まりとなる。

そして、そのためにハラリ氏は瞑想を実践しています。

■瞑想する。

自分の心については無知に等しく、心を制御するのがほぼ不可能であった。どれほど努力しても、息が自分の鼻の出入りする実状を10秒と観察しない内に、心がさまよいだいしてしまう。
私は、長年、自分が人生の主人であり、自己ブランドのCEOだとばかり思いこんでいた。だが、瞑想を数時間してみただけで、自分をほとんど制御できないことがわかった。私は、CEOではなくせいぜい守衛程度のものだった。

最終章ハラリ氏が虚構の呪縛から自己を解放し、汝を知るために提案しているのが、”瞑想”です。

その理由は、上記の通りです。ハラリ氏は、瞑想を始めることで、

どれだけ自分が自己をコントロールすることができないか、

いかに、自分というもののに自由意志がないか、

を改めて実感したそうです。

瞑想を通じて、自分の呼吸を知り、体中の感覚を理解し、感情を観察することで、自分を知る。

自分を知ることで、物語(虚構)を通さずに、現実のありのままを見る、ということを学んだそうです。

瞑想がもたらす集中と明晰さが、名著『サピエンス全史』『ホモ・デウス』を生んだと言います。

ハラリ氏は毎日2時間、瞑想をされるそうです。

ここまでくるとかなりもう仙人レベルです。チャレンジしたい方は、是非やってみましょう!

話を戻します、僕ら一般人がこの本から学ぶべきこと、そして不透明な21世紀の時代にいかに自分をアップデートし続けるべきなのでしょうか。

そのための、人生の指針は何なんでしょうか。

■最終結論

①虚構に踊らされるピエロにならない。
②自分を知り、心の聖域を守る。

この2点が本書を読んだうえでの2つの結論です。

僕らは、人生の問いに答えるためについつい自分が好きな物語(虚構)を選択してしまいます。

それが、アイデンティを与えてくれるからです。

しかし、それは先に述べたように”持続性がない””視野を狭める”というリスクがあります。

不確実性が高い21世紀において、上記の2点は自分自身を改革する、変化させ続けさせるための弊害になりかねません。

また、その物語を信じることで、不要に傷ついたり、苦しむことも発生します。

しかし、あらゆるものが物語(虚構)であり、それが断続的であると気づけば、客観的に、冷静になれます。

例えば、現代の資本主義が物語(虚構)に過ぎないかもしれない。

あと20年で崩壊するかもしれないと考えられれば、いざ崩壊したときに心の動揺を抑えることができ、心の準備もできます。

僕らは、物語(虚構)に踊らされるピエロになるべきではありません。

そして、変化に対応するために常に自分をアップデートし続けるためには、AI、アルゴリズムよりも、自分のことを理解しなければなりません。

数か月に1一度、アプリアップデートの通知が来ます。アップデートすると、新しい機能が追加されます。

同様のことが、人類の未来おいても起きるかもしれません。AIとアルゴリズムがあなたの脳をハックし、数か月毎にあなたをアップデートします。

勉強する必要はありません、最新の情報と最適な意思決定のお作法をAIがあなたなにアップデートしてくれます。

その時に、あなたの主人は誰ですか。

AIか、それとも自分自身か。

AIに自分をハックされるのを避けるのであれば、僕たちは自分に対する理解を進めていかなければなりません。

そのための第一歩は、”あまりにも自分は自分を理解していない”という謙虚な姿勢です。

ハラリ氏はそのための第一歩に瞑想を選びました。しかし、別の方法もあると述べています。

運動かもしれないし、セラピーかもしれないし、芸術かもしれません。

僕の場合は日記です。あくまでも、虚構の上に自分があることを認識しながら、自分が何を考え、感じたかを文字にしていく。

それは、客観的に自分を見つめ、理解するという作業です。


混沌とする現代を生き抜く人類は、近い将来AIとアルゴリズムに代替され、人類の定義すら変わるかもしれません。

その時に、脳はハックされても、心はハックされないように人類は自分と真剣に向き合う時代に直面しています。


みなさんは、どう考え、どう行動しますか。


このブログ、みなさんの考えるきっかけになれば幸いです。


本日もありがとうございます!












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