YT

主に世界の歴史、名言・言葉、数学について、情報提供していきます。

YT

主に世界の歴史、名言・言葉、数学について、情報提供していきます。

最近の記事

マルタン・ゲール ー 別の男に家と家族を乗っ取られた身元詐称事件の被害者

今回紹介するのは、マルタン・ゲールです。 マルタンは、16世紀のフランスの農民で、戦争に従軍するために家を出て、10年以上を経て家に戻ると、別の男がマルタンを名乗り、家と家族を乗っ取っていました。この詐欺師アルノー・デュ・ティルは、あまりにも巧妙にマルタンになりすましていたことから、マルタンの妻さえも騙していました。 マルタンは、アルティガという村で妻と結婚し、息子を1人もうけ、その後村を去りました。その後8年間、マルタンの妻は、女手一つで息子を育てていましたが、ある日、

    • 世界の教養:四諦八正道(したいはっしょうどう) ー ブッダの悟りの中核

      今回紹介するのは、ブッダの教えである「四諦八正道(したいはっしょうどう)」です。 四諦とは、四つの真理のことで、ブッダの悟りの中核です。 第一は、この世の人生は苦であるということ。 第二は、この苦にには原因があり、それは煩悩(欲望)であるということ。 第三は、苦が消滅した涅槃(ねはん)という境地があるということ。 第四は、煩悩を滅して涅槃に至る道が存在するということ。その道を八正道(はっしょうどう)と言います。 八正道は、正見(正しい見解)、正思(正しい考え方)、正語(正

      • 世界の教養:コギト・エルゴ・スム(我思う、ゆえに我あり)

        今回紹介するのは、ルネ・デカルトの言葉である「コギト・エルゴ・スム(我思う、ゆえに我あり)」です。 フランスの哲学者デカルト(1596〜1650)のこの言葉は、信じているものすべてを徹底的に疑った末に出てきたものです。彼は、正しいと確信できないものをすべて排除していきました。しかし唯一、自分が考えているということだけは、疑うことができませんでした。疑がっているときでさえも、疑わしいのではないかと「考えている」からです。デカルトは、さらに考えを発展させて、私が考えているのが確

        • 世界の教養:カール・マルクス ー これまでの哲学者たちは、世界を様々に解釈してきただけだった。しかし重要なのは、世界を変えることである。

          今回紹介するのは、「カール・マルクス」です。共産主義の生みの親として有名ですね。 マルクス(1818〜1883)は、他のどの哲学者よりも20世紀に大きな影響を与えました。ドイツでキリスト教に改宗したユダヤ人一家に生まれた彼は、研究者の道に進もうとしましたが、過激な政治思想のために大学に就職できず、ジャーナリストとして数年間働きました。 マルクスの歴史理論によると、歴史や政治の変化は経済的な生産手段によって説明されるとしています。社会には、食料や住居などを生産する決まった手

        マルタン・ゲール ー 別の男に家と家族を乗っ取られた身元詐称事件の被害者

        • 世界の教養:四諦八正道(したいはっしょうどう) ー ブッダの悟りの中核

        • 世界の教養:コギト・エルゴ・スム(我思う、ゆえに我あり)

        • 世界の教養:カール・マルクス ー これまでの哲学者たちは、世界を様々に解釈してきただけだった。しかし重要なのは、世界を変えることである。

          大局から物事を考える重要さ ー 論語の言葉を紹介

          論語に、以下の言葉があります。 子曰く、 人 遠慮(えんりょ)無ければ、必ず近憂(きんゆう)有り。 訳:人は遠くまで見通す配慮が無ければ、近くに心配事が起こる。 大局的に遠い将来を考えていないから、近く憂(うれ)えることになる。その日その日をしのげばいいわけではなく、物事全体の成り行きを考えると、大方の心配事やトラブルは回避できる、とこの言葉では言っています。 私は、大局的に将来を考えなかったために、結果的に後悔することが主に2つありました。  1つ目が、言葉の通り

          大局から物事を考える重要さ ー 論語の言葉を紹介

          「志を立てるためには 人と異なることを恐れてはならない 世俗の意見に惑わされてもいけない 死んだ後の業苦を思いわずらうな また目前の安楽は一時しのぎと知れ 百年の時は一瞬にすぎない 君たちはどうか いたずらに時を過ごすことのないように」(吉田松陰) …熱くさせてくれる言葉。

          「志を立てるためには 人と異なることを恐れてはならない 世俗の意見に惑わされてもいけない 死んだ後の業苦を思いわずらうな また目前の安楽は一時しのぎと知れ 百年の時は一瞬にすぎない 君たちはどうか いたずらに時を過ごすことのないように」(吉田松陰) …熱くさせてくれる言葉。

          世界の教養:社会契約 ー 政治制度の起源と正当性を理解するための政治哲学で用いられる概念

          今回紹介するのは、「社会契約」です。 まず前提として、過去に人類には政府も法律もなかったと仮定します。この人々は、自分たちの”安全の確保”と”繁栄の条件”を生み出すため、法による安定・安全を引き換えに、すべての人が自分の持っていた自由の一部を政府に譲渡します。これが社会契約の考え方です。 最初に社会契約説を展開したのは、ホッブズ(1588〜1679、イギリス)で、彼は著書「リヴァイアサン」にて、政府が存在する以前の生活(自然状態)はあまりにもひどく、よって、支配者がどれほ

          世界の教養:社会契約 ー 政治制度の起源と正当性を理解するための政治哲学で用いられる概念

          世界の教養:アリストテレス ー 人はみな生まれながらに知ることを欲する

          今回紹介するのは、「アリストテレス」です。 アリストテレスは(前384〜前332)は、哲学と西洋文化全般に大きな影響を与えました。彼は、ギリシアの北のマケドニアで生まれ、アテネへ移ってプラトンの学園アカデメイア(アカデミーの語源)で学びました。 アリストテレスは、哲学は正確な順序で学ばなくてはいけない、と考えていました(当時の哲学は、修辞学や自然科学など様々な分野が含まれていました)。 第一に学ぶべきは、論理学。論理によって、諸々の事実の結びつきが分かるためです。彼は、

          世界の教養:アリストテレス ー 人はみな生まれながらに知ることを欲する

          世界の教養:アルファベット ー 古代エジプトの王たちの苦悩

          今回紹介するのは、「アルファベット」です。 約4000年前、古代エジプトの王たちは、ある問題に頭を悩ませていました。近隣諸国との戦争で勝利するたびに敵兵を捕まえ、奴隷にしていました。が、奴隷たちは、ヒエログリフ(エジプトの文字)が読めなかったので、文書で命令を伝えることができませんでした。 ヒエログリフを含め昔の文字は、文字が何千個もあって、その一つ一つが単語を表していて、覚えるのに何年もかかりました。そのため、当時のエジプト人でも読み書きできたのは、ほんの一握りでした。

          世界の教養:アルファベット ー 古代エジプトの王たちの苦悩

          世界の教養:「ロリータ」

          今回紹介するのは、「ロリータ」です。 ナボコフの小説「ロリータ」(1955年)は、最も素晴らしく、かつ最も物議を醸した20世紀小説の一つとされているようです。 ロシア生まれのナボコフ(1899〜1977)は、イギリスで教育を受け、同国で執筆活動を開始し、のちにアメリカに移って大学教授になりました。その過程で、読者によって好き嫌いが分かれる知識人であることを意識したわざとらしい語り口調を編み出しました。 「ロリータ」は、中年の大学教授ハンバートが12歳の少女に抱いた、ゆが

          世界の教養:「ロリータ」

          世界の教養:ボヴァリー夫人

          今回紹介するのは、「ボヴァリー夫人」(1857年)です。 フローベールの小説「ボヴァリー夫人」は、満たされない女性が不倫に走る写実主義的な描写で、当時としては斬新だったそうです。このあらすじに人々は憤慨し、フローベールと出版社は風紀紊乱(びんらん)の罪で訴えられました。 1789年のフランス革命後、貴族に代わって実業家や商人から成る中産階級が勃興してきました。知的エリートとして育てられてきたフローベールは、この新興成金の物質主義的な価値観を毛嫌いしていました。この嫌悪感が

          世界の教養:ボヴァリー夫人

          世界の教養:レフ・トルストイ ー 幸せな家族は、みな一様に似ているが、不幸な家族は、それぞれが違った形で不幸である

          今回紹介するのは、「レフ・トルストイ」です。”戦争と平和”の小説で有名ですよね。 ロシアの文豪トルストイ(1828〜1910)は、作家たちから大きな敬意を捧げられていて、昔から手も届きそうにない天才だと考えられてきたそうです。その名声は、主に二つの大作「戦争と平和」と「アンナ・カレーニナ」によるもので、どちらも現代小説の原型となっているようです。 ロシア貴族の名家に生まれたトルストイは、大学教育を受け始めたものの、退屈して中退しました。その後は、軍隊に入ったり、学校を開い

          世界の教養:レフ・トルストイ ー 幸せな家族は、みな一様に似ているが、不幸な家族は、それぞれが違った形で不幸である

          世界の教養:侵害受容(痛みを知覚すること) ー これがないと生きるのが困難

          今回紹介するのは、「侵害受容(痛みを知覚すること)」です。 侵害受容は、人間が生きていく上では欠かせないもので、この世にある様々な危険を知る単純で有効な方法だそうです。痛みを感じると反応を起こす信号が発せられ、例えば沸騰しているお湯から手を引っ込めたり、割れたガラスから一歩下がったり、ひねった足首を安静にしたりします。 高等生物(ヒトに最も近い動物種)は、痛みを知覚する神経系を持っているそうで、鳥や動物も人とまったく同じように体をよじったり、うめき声や叫び声をあげたりしま

          世界の教養:侵害受容(痛みを知覚すること) ー これがないと生きるのが困難

          世界の教養:生殖 ー パートナーを見つけるのはコストが大きい

          今回紹介するのは「生殖」です。 植物界、動物界における生殖方法は、無性生殖と有性生殖があります。前者はリスクが高く、後者は手間がかかります。 無性生殖であれば、親がひとりいればよく、わざわざ時間と体力を使って相手を見つけたり、求愛したり、性行為に及んだりする必要は全くありません。イチゴやアスペン(ポプラやハコヤナギの類)などで見られます。無性生殖では、生まれる子どもは常に親と同一の遺伝子を持っています。そのため、遺伝的な多様性がなく、環境の変化に対応して進化するのが難しく

          世界の教養:生殖 ー パートナーを見つけるのはコストが大きい

          世界の教養:シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」

          今回紹介するモダニズム作曲家シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」は、20世紀の無調性音楽と前衛音楽への扉を一気に開け放った作品です。 ソプラノ歌手と小編成の室内楽団による歌曲で、歌詞は感傷的でときには恐怖さえ感じることも多いエピソードを通じて、主人公が暗い夜空で月に寄せる恋情や狂気、斬首などの恐ろしげなイメージを叙述しているそうです。「月に憑かれたピエロ」は、1912年にベルリンで初演されると、聴衆からは大きな非難を浴びましたが、何人もの批評家から高く評価されました。

          世界の教養:シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」

          別れを切り出された時に、助けてくれた論語の言葉

          今回は、論語の言葉を一部紹介したいと思います。 私も過去に付き合っていた中で、別れを切り出されたことがありました。「他に付き合いたい人がいて、その人の方が将来性がありそう」と言われました。彼女の立場で考えると、「確かにそうかもな」と思うところもありましたが、数年尽くしてきただけに、なかなかにきつかったです。 自分の心を保つために、心を強くしてくれる言葉が欲しい。人生の先輩から何かヒントとなる考え方を得たい。そんな中、手に取った本の中に論語があり、そこに書いてある内容が心に

          別れを切り出された時に、助けてくれた論語の言葉