世界の教養:生殖 ー パートナーを見つけるのはコストが大きい

今回紹介するのは「生殖」です。

植物界、動物界における生殖方法は、無性生殖と有性生殖があります。前者はリスクが高く、後者は手間がかかります。

無性生殖であれば、親がひとりいればよく、わざわざ時間と体力を使って相手を見つけたり、求愛したり、性行為に及んだりする必要は全くありません。イチゴやアスペン(ポプラやハコヤナギの類)などで見られます。無性生殖では、生まれる子どもは常に親と同一の遺伝子を持っています。そのため、遺伝的な多様性がなく、環境の変化に対応して進化するのが難しく、安定した環境で繁殖する傾向があります。

有性生殖は、二体の異なる親が自分の遺伝子を子に伝えるため、適応力があります。これは、環境が変化している時には大きな利点となります。概して高等生物は、すべて有性生殖を行います。しかし、その一方で、配偶子(自分の持つ遺伝子の半分を持った細胞)を作ったり、つがいとなる相手を見つけたりするのに大量のエネルギーを使わないといけないです

補足
・ヒトデは再生による無性生殖を行い、腕がちぎれるとその腕が成長して、まったく新たな個体ができるそうです。
・生物の中には、有性生殖のコストが大きくなりすぎると、無性生殖に代わるものがあるそうです。


参考文献
デイヴィッド・S・キダー, ノア・D・オッペンハイム, 小林朋則 訳, 文響社, 1日1ページ読むだけで身につく世界の教養365, 2018年, 178p

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