大局から物事を考える重要さ ー 論語の言葉を紹介

論語に、以下の言葉があります。

子曰く、
人 遠慮(えんりょ)無ければ、必ず近憂(きんゆう)有り。

訳:人は遠くまで見通す配慮が無ければ、近くに心配事が起こる。

大局的に遠い将来を考えていないから、近く憂(うれ)えることになるその日その日をしのげばいいわけではなく、物事全体の成り行きを考えると、大方の心配事やトラブルは回避できる、とこの言葉では言っています。

私は、大局的に将来を考えなかったために、結果的に後悔することが主に2つありました。

 1つ目が、言葉の通り、先のことを深く考えずに楽観的に捉えていて、後悔するパターン。
 例えば、高校や大学の進学時に専門分野を選択したり、就職先を選択したり、部活動を選択したりする時などに、自分の特性をあまり考えずに進んだ場合、入ってから合っていないことに気づいたり、自分の思っている将来像と違うと思ったりすることがあります。
 私の場合は、就職のときにそれを味わいました。「とにかく社会に出て日銭を稼ぐために働こう」と思い、自己分析が足りていない中で就職したのですが、全く興味がない仕事で、おまけに向いていないことが入社してから分かりました。いやー、入ってからが、大変でしたね。残業や休日出勤も多かったので、やりたくなくて、しかも向いていない作業を、平日も休日もほぼ一日中しないといけなかったので地獄でした(笑)。そのとき、この論語の言葉に出会い、身に沁みました。・・・自己分析や将来設計は本当に大事ですね。

 2つ目が、相手からの依頼等をあまり乗り気ではないのに断ることができずに、その場では了承して、結果的に長い時間、苦しんでしまうパターン。
 断ることが得意だったり、ハッキリ言える性格の人は、このようなことにはならないと思うのですが、私は断らなかったために、過去に何度も悩みました。大局から物を考えれば、断ればその時だけ勇気がいりますが、断らなければ、そのあとずっと嫌な思いをし続けます。断った方が嫌な思いをする時間は少ないですね(上手に断るスキルは必要ですが)。


人が幸せに生きるためには、いくら過去に栄光があったとしても、今が良くないと幸せになれないのではないかと思います。ただし、今この瞬間だけでなく、将来の”今”も楽しく生きられるように、大局から物事を考えることが重要だなと思います。


参考文献
監修 加地伸行, 編集協力 小島 毅, 子や孫と読みたい日常語訳 beポンキッキーズの論語, 2013年, 36-37p 

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