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睡眠時無呼吸症候群(SAS)の話 「元気があればなんでもできる」
ポケモンスリープが世に出たあたりから、SNSで自分の睡眠について考察する人がちらほらみられるようになった。「朝早く目覚めてしまうのがバレている」「いびきをかいているらしい」など。
私は過去に睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されて治療を受けた。その結果びっくりするほどQOLが上がったことを実感しているので、自分の睡眠の質向上へ意識を向ける人が増えることはとても良いことだと思っている。まずQOL云
泳げない大人が水泳を始めた 「のびしろのとりこ」
小中高の10代の時期、水泳の授業では確実に学年でいちばんできない子だった。スピードが遅いとかじゃなく、けのびからバタ足をしたら止まってしまうレベルでダメだった。それでもテストだからと、けのびと歩きで25メートル進んだ時間をクロールのタイムとして計測された無意味さが忘れられない。
もっと幼少期には、近所のプールで足がつかないところで遊んでいて普通に溺れた。水泳には本気で何ひとつ良い思い出がない。
ほんとうに好きなことを思い出す「好きは作れるものだけど」
本がずっと好きだったかもしれない。読書感想文が嫌いすぎて本のこともまとめて嫌いになっていた。
身体を動かすことは苦手じゃなかったかもしれない。10代で膝を怪我して以降は、運動なんて全部嫌いだと思っていた。もっと子供の頃は、アスレチックやクロスカントリースキーが好きだった。
お菓子を作るのが好きなのかもしれない。作ったら食べなきゃいけないし、お金がかかる割に食事にはならないからって興味なくなった
病識があったり、なくなったりする意味 「摂食障害を抜けださない」
もつおさんのコミックエッセイ「高校生のわたしが精神科病院に入り自分のなかの神様とさよならするまで」を読んだ。
かわいい絵柄で描かれてはいるけれど、実際当時どれだけ辛い思いをしていたのかな、と想像するとギューッと胸が痛くなる。
摂食障害自体は以前よりもよく知られるようになってきたと思う。でも入院加療の実態や回復過程までは私も初めて知るところが多く、漫画でサクサクと読ませてくれて、かつリアルで、当事
思い込みのキャラを脱ぐ。「スポーツをたしなむ側の世界線」
先日、ボルダリングのコンペに出た。ビギナーでも参加できる、いわゆる草コンペというやつ。よく行くジムで開催するというので、軽い気持ちでエントリーを決めた。
エントリーしてから気が付いたが、スポーツの大会に出るというのは我が人生で初めてのことだった。運動苦手、体育嫌い、部活は文科系だったもので全然縁がなく、自分から進んでこういうイベントに参加する日が来るなど思ってもみなかった。
なんだか違う世界線
私は仕事を選択できたのか? 「はたらくおとな」
普段サービスを受けるとき、例えば美容師さんとかスポーツジムのスタッフと接したりするときに『この人はこれが仕事なんだよなぁ』と妙な感想を抱くことがある。職業というか職業選択に私はたぶん興味がある。オタクとしてイベントに参加したとしても、その小道具ひとつ、調達して経費精算した人がいるのだ。全体の段取りを組んでリードした人がいるのだ。すごい。みんながどうやってその仕事に辿り着いたのか、辿り着こうと何を考
もっとみるからかうなんて無くなればいいのに 「愛情は表のままで」
私には小学生の姪がふたりいて、上の子は聡明で活発な美人さん、下の子はやや天然が入っていてこれまた元気、二人ともとてもかわいい。この下の子がちょっと変わっていて、姉によると今は立体の展開図に興味を示しているらしい。それを聞いてかなりビビった。私も同じころ、立方体の展開図を延々と書いていた記憶があるからだ。そんな一致あるんだな。
この前会ったときは、数え棒(小学校1年生でもらう算数の教材。4色くらい
この靴のバフ効果 「どこまでもいけるくつ」
靴が好きだ。靴というオブジェクトがもう好きだ。ファッションに関するカテゴリーの中で、明らかに靴に対してだけ好きがすぎる。服や小物、他のどの装備より、アイテム感があるからだろうか。とにかく形が良い。
学生の頃はヒールの高さも厭わず、しかもシルバーだったりゴールドだったり赤いエナメルにスパンコールだったり、ツイード素材にでっかいリボンがついていたりと派手なものばかり好んで履いていた。服が質素でも靴が
イマジナリー猫「いつも心にネコチャンを」
うちでは架空の猫を飼っている。床にハサミを置きっぱなしにしたりすると、「猫が踏んだら危ないから」と言って片付ける。魚を食べた後は、「猫がいたずらしちゃうから早く片付けよう」と言って骨を袋に密閉する。猫はいない。いつかは飼いたい。夫が猫派であることを強めに確認してから結婚したのだから。
昔、実家で猫を飼っていた。家族以外には懐かない猫だった。
姉の友人のところで生まれた子猫をもらってきたのだが、き
好きなもの全てを好きじゃなくていい 「母と八朔と私」
果物が好きだ。ただし食べるときは一口で食べられるサイズに切ってからと決めている。キウイは丸ごと皮をむいて切るし、バナナも皮をむいて2センチくらいにちぎる。
何故かというと、皮膚がベタベタするのがなんとなく苦手だと気付いたからだ。そういえば私は夏が苦手だが、多分暑さそのものよりも汗をかいて肌がベタつくのが嫌で夏が嫌いになっている。うすら弱い感覚過敏なのかもしれない。ウールのセーターなんかもチクチク
色字共感覚の世界「奇数はソリッドカラー、偶数はスモーキーカラー」
数字や文字に色を感じるタイプの共感覚を持っている。色字共感覚というらしい。概念を知ったのが二十歳を超えた頃だったのでそのまま生きてきてしまったけど、できれば来世では脳科学の研究者になりたい。人の認知はこんなにもバリエーションに富んでいて、おもしろい。
共感覚は複数の感覚を同時に知覚することで、音に色を感じたり、においに感触を感じたりする。研究にもよるけど共感覚を持つ人は全体の約10%と言われてい
似ているようでぜんぜん違う「読書と読書感想文」
どうやら読書が好きみたいだ。読書というか、テキストが。ネットニュース、Twitter、note、新聞。電子書籍も軽率に買うし、今いちばんの推しは小説家(品田遊さん)だ。動画や音声のコンテンツより、ゲームより、はるかに多くの時間を使っている。
最近まで私は読書が苦手だと思っていた。以前後輩に「中野さんって語彙が独特ですけど昔から読書好きだったとかですか?」と聞かれたときも、「いや〜読書は嫌いだった
君が見ている世界には。「認知されたい人、見つかりたくない私」
ドルオタの先輩がいる。
めちゃくちゃ仕事ができるわ、子煩悩でお子様も優秀だわで一見カッコいい大人だが、地下アイドルに重課金しているしお酒を飲めば確実に深酒、出てくる話は書けないレベルのクズエピソード、という尖った人材だ。良い。
新卒で入った会社でオタク話にも引かないやつとして可愛がってもらい、その後私が転職したので今は会社は別々だけど、年に1回くらい思い出したように飲みに行く話になる。それでお互