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離婚を迷っている人へ。グレーを受け入れるメリットとデメリット|ドラマ「1122 いいふうふ」

コップに注がれる水がこぼれる瞬間がいつなのか、わたしたちは知らない。

だからいつも突然になってしまう。

白黒はっきりさせなくていいと言うけれど、はっきりさせないと心が壊れてしまう。

そういう時だって、たぶんある。

6月14日(金)からPrime Videoで配信されているドラマ「1122 いいふうふ」を見て、わたしはグレーを受け入れるメリットとデメリットを再確認した。


グレーのまま進んでいくドラマ「1122」


Prime Videoで世界独占配信しているドラマ、「1122いいふうふ」を見ている。

引用:ドラマ『1122 いいふうふ』オフィシャルサイト

全7話中の5話までみて、結婚には思っていたより包容力があることを再確認した。

友だちのようになんでも話せる夫婦のおはなし。

妻の一子を高畑充希、夫の二也を岡田将生が演じている。

二人はとても仲がよいが、セックスレスで、子どもがいない。

そして、夫には妻公認の恋人(西野七瀬)がいる。

毎月第3木曜日の夜は、夫が恋人と過ごす日。妻は深入りしない。何も聞かない。

ドラマの紹介文には、『「ふたりでいること」をあきらめないすべての人に届けたい』とあるのだが、すでに「ふたりでいること」をあきらめた経験があるわたしからみると、ちょっとむずがゆいほどにリアルだ。

「ふたりでいること」をあきらめないすべての人に届けたい——、30代夫婦のリアル・ライフ。

引用:ドラマ『1122 いいふうふ』オフィシャルサイト

そこはかとなくグレーに見えるこの結婚のかたちは、今の時代らしくて、なんだかとても学びが深い。

白黒思考は「悪」なのか?


結婚が白で、離婚が黒だとしたら、このドラマはグレーのまま進んでいく。

多様性を認めざるを得なくなってきた現代において、白黒思考をつらぬくのは難しい。

白黒思考(二分思考)
=「100か0か」「白か黒か」「○か×か」といった対立する二つの概念のどちらかに極端に偏ってしまう思考のこと

参考:ベックの抑うつ理論:抑うつの認知理論
参考:うつ病の認知療法・認知行動療法|厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業

発達障害の人に多いとか、うつ病の人に多いとか、なんだかずいぶんな言われよう。

白黒つけたがったっていいではないか。白黒思考は「悪」じゃない。

ただ、今まで白だったものが黒になり、黒だったものが白になる現代において、かたくなに二分思考を貫いていると何も残らなくなってしまう。

その事実に、わたしたちは気がつきはじめている。

グレーを受け入れるメリットとデメリット


グレーを受け入れたフリをすれば丸く収まる。

恋をしている夫と婚姻関係を継続するというグレーを受け入れてしまった一子のように、痛くないフリをすればいいだけだ。

グレーを受け入れるメリット:問題が表面化しない
グレーを受け入れるデメリット:痛い

でも、長くはもたないことを自覚しないと傷はどんどん深くなる。

白黒はっきりさせることは、なんだかとてもやさしくないことのように見えるけど、本当は反対だ。

グレーの世界のほうがやさしくないのは、誰かのガマンの上に、なんとなく成り立ってしまっている世界だから。

誰かを傷つけていることに無関心なだけの世界じゃ何の解決にもならない。

女性向け風俗店のセラピスト(吉野北人)に一子は、こう言われる。

ふつうに嫌だったんじゃない?旦那さんに恋人ができたの

引用:ドラマ『1122 いいふうふ』オフィシャルサイト

今はいきすぎた二分思考の呼び戻しの時代。

グレーの世界を賞賛する人が多すぎるように思う。

世界が白黒を嫌ったとしても、人は人。自分は自分。イヤなものはイヤなのだ。

***

離婚するちょっと前、彼は別居婚を提案してきた。

「オレ、地方転職して〇〇で暮らす」

突然だった。彼はすでに仕事を辞めていた。

わたしは驚くと、ちょっと怒った顔になってしまう。

「え、突然すぎない?わたしそんなに急に仕事かえられない」

「お前は東京でがんばればいいよ」

よくわからなかった。彼は言った。

「離婚はしたくない。パートナーでいたいんだ」

「パートナー」の言葉の意味を何度も何度も聞いたけど、当時のわたしには、その言葉の意味がよくわからなかった。

ちらちらと女の人の影も見えていた時期だったので、そういうことなのかなとも思った。

何度も説得されて、相談を重ねた上で

「別居という選択肢はないかも。それなら、離婚したい」

とわたしが言うと、

「あ、そっか…そういうかんじか」

と、彼は残念そうに言った。

そういうかんじもなにも…。自分のガマンの上にしかなりたたないグレーの世界を受け入れる余裕はわたしにはなかった。

「ふたりでいること」よりも「終わりのない痛み」が怖かった。

一子なら「ふたりでいること」をあきらめないのだろう。

そういう選択も、今ならなんとなくわかる。

***

当時のわたしには、グレーはグレー1色だった。

でも、グレーのグラデーションは無限にある。薄いグレーから濃いグレーまで、自分で選べる。相手と選べる。

離婚になんの後悔もない。むしろ私の場合は、白黒はっきりさせてよかった。

でも、今度また同じ選択を迫られたら。
自分だけのグレー、ちょっとだけチャレンジしてみたい。


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