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ペールアイリスと共に歩む話
梅雨は好きじゃない、とみんな口を揃えていうけれどわたしはこの季節がとてもとても愛おしい、と、少し気取ってみる。
ちょうど2年前の今日、雨の中2人で傘をさして、紫陽花の咲く道をてくてくと歩いて。少しして雨が止んで、晴れ間がさしたとき、彼はわたしに向かって、すき。とつぶやいてくれた。突然のことにぼんっと顔が赤くなったこと、そしてそんなわたしをみて、彼も同じようにぼんっと顔を真っ赤にしたこと。雨に濡れ
オレンジに包まれる話
なんとなく頬がくすぐったいような、そんな感じがしてじわじわと目が覚めた。夕暮れの日差しが差し込んて、彼の瞳を照らしている。
起こした、ごめんと眉尻をさげて苦笑いをする彼の手を掴んで引っ張ると変な声を上げた。そのまま自分の頭の上に乗せ、『撫でて、』蚊の鳴くような声で言うと彼は『なに?寝ぼけてんの?』と目をまん丸くした。
疲れていたのか、たまたまそんな気分なだけなのか、らしくないのは百も承知だけど、甘
ハニーイエローの休日の話
ゆっくり瞼を開けると、少しだけ開いたカーテンの隙間から差し込む光が2人の枕元で煌めいた。
『おはよ、』隣から掠れた声。「おはよ、う」寝返りを打ちながら答えるとくすりと笑った。まだ少し怠い身体を起こしキッチンへ向かう。
「飲む?」布団にくるまったままの彼に声をかける。『はちみつ、』「はいってるよ」そう答えるともぞもぞと起き上がる。なんだか可愛らしくて口元が緩んだ。ベッド横の座椅子に腰掛けて、マグ片
パステルブルーの朝の話
こんなはずじゃなかったんだけどな、僅かばかり明るくなり始めた空を背負い、鍵を差し込んでドアを開くと、なぜか灯りが漏れてきた。まって電気消さなかったっけ、最悪。溜息と共に肩を落とし、『ただいまあ、』一人暮らしでも癖になったコレ。腑抜けた声は空間に溶ける、「おかえり、」溶けるはずだった。『え、?』「いやなんでって顔すんな」『…来るなら、言ってよ』首を傾げてから、「言わずに来たらダメ?」なんかやましいこ
もっとみるとりあえず妄想していい?
彼氏いない歴イコール年齢といっても過言ではないほど恋愛にご縁がない。趣味は某アーティストのおっかけ。北に南に、推しが踊るとならば限界まで飛び回る。どうも、限界喪女オタクです。ありがとうございます。ちなみに理想のタイプは、わたしの好きなものを否定しなくて、清潔感のある優しい人。余裕があって頼れる人、それにコンバースとスキニーが似合う人、絶対に翼のアートが書かれた壁の前で写真撮ったことない人
アレ?ま