イアン・ジョージ

すぐに終わった瞬間 刹那

イアン・ジョージ

すぐに終わった瞬間 刹那

最近の記事

変わってしまったかいマイフレンド

古い友に久しく会う時、相変わらずに居てくれるととても嬉しい。正直有難い🙏🏽🙏🏽🙏🏽 私の知っているあの人が残っていると安心するし、私はまだこの人の友だと思える。 懐かしい話をして、最近の話をして、これからの事を自信なさげに少し話して、その刹那、毛先を弄る癖や、パスタを丁寧に巻いて口に運ぶ姿や、笑い方にその人を感じる。あの頃を盗み見る。 それだから、やっぱり寂しくなるなぁ。 そんな事考えるようになったんだ、話してた幸せとは離れた場所を選んだんだ、そういう服を着るようになったんだ

    • 悲しみのような恵み。

      雨が降ってた。 空気は湿って、窓は濡れて、空が曇っていた。 雨はよく悲しいことの例えに使われる。恵みなのに。粒がガラスやコンクリートや草木に当たって弾ける、その小さな音で自分は大きなモノに囲まれて暮らしているんだと自覚する。そこに何かが確かにある事を音を通して初めて知る感覚。人が受け取る情報の8割は視覚だけど、その情報が確信に変わるのは残りの2割の部分があるから。 雨が降ってる、窓を叩く雨粒の音、コンクリートから甘い匂い、髪が濡れる、なんか汚いガスとか混じってそうだから上向い

      • はじめまして、出逢う前のあなた。

        私はZ世代、スマホ依存症、エモ快楽中毒、仮想現実由来の統合失調症、沈黙の世代。 バイト先で使っている手のひらサイズのメモ帳をポケットから出して机に置いた時、脳死で表紙を指で一回タップした。 ふと思いついた詩を書き留めようと思ったのに、その条件反射がやけに悲しくて、せっかく思い付いた詩も嘘になったような気がして書かなかった。(今まで書き留めてきた詩が全部本当な訳でもないだろうに。) そんで結局スマホを開いてこんな文をフリック入力してる。どうしようもねえ。 社会というあだ名の匿名

        • 話せばながい空の広さ

          東京の空は狭いとよく聞くが、私にとってはとても広い。それはもうだだっ広い。 入学したばかりの頃の中学校の校舎より広い。 どれだけのものなのか本当に知ってるの?その例え合ってるの?カッコつけてない?って言われたら、「ぇ、いや、別に...ていうか、その...ゴニョゴニョ」ってなるよ。それはあんたが優しくないだけ。やめて。 でも私は私なりに空の広さを知ってる。 私が産まれたのはオーストラリア クイーンズランド州 ケアンズ とても住みやすくて、南半球なので一年中暖かい。海も近い

        変わってしまったかいマイフレンド

          あいの惑星

          人に優しくする事はどんなに無償だとしても、回り回って自分の為にしているに過ぎない。 そんな斜に構えた考え方がいくら浮かぼうが、誰に対しても柔らかく暖かい人で居たいと思うのは愛という魔法じみて曖昧な概念が持つ力を信じて止まないからだと思う。 愛じゃご飯は食べられないし、誰かからの、又は誰かへの愛を言葉にしてしまえば一気に陳腐なプロモーションに成り下がる気がするから、概念の枠から外して形にする事に意味を感じられない時がある。 でも、それでも愛の歌を聴くし、愛の詩や絵に涙するし、愛

          鳥ほどの脳みそで思う事。

          詩じゃなくて文章。 フリーターになってからやけにスラスラ書けるから、noteにも並べてみる。 表現がしたい。何かを作っていたい。 そんな事を意識的に思いながら絵を描いて、歌を歌うようになったのはいつからだろう。 幼い頃は、それら全ては口で話すのとさほど変わらなかった。なんなら、ただでさえ饒舌な私が、言語を超えた何らかの形で更に喋り倒して居られる事がちょっと心地良い程度で、口で喋って、絵に書いて、そこからまた口で喋って、飽きてきたら歌いながら喋ってた。 小さな詩人だったなー。

          鳥ほどの脳みそで思う事。

          冷たい詩、もしくは優しさ。

          私は割と 冷たい人間なので もし貴方が落ち込んでいたら 泣いていたら 軽率に肩を貸して 慰めて 甘やかします。 貴方が誰かなんて よく分からないまま、 貴方がどうするべきかなんて わざわざ言わずに、 ただ ただ 今だけは誰かの所為にさせてあげます。 じっと見詰めれば 悪い所と同じだけ 良い所なんて 山ほど出てきます。 それを目に付いた順に音読してるだけ。 間に挟まる 句読点のような例外を飛ばして。 だからお礼なんて言わないでいい、 時間なんて別に、好

          冷たい詩、もしくは優しさ。

          踊れ、私の悲しみ。

          心が壊れそうな夜 誰かの歌を聞いてしまったら、 誰かの物になってしまいそうで、 私だけの歌が必要で 私だけの詩が大切で 誰かの一瞬に頼るのは、 私だけの歌、じゃないかも。 偶に 貴方のものになって欲しいなんて思う 貴方が歌ってくれたなら 重い腰が 軽快にステップを伸ばすだろう。 あまりに滑稽な私をみて 笑ってしまって歌えなくなる貴方。 恥ずかしくなって止まったなら 私がまだまだな証。 それで嬉しいなら 私が貴方を愛している証。

          踊れ、私の悲しみ。

          どこを見ても奴が居る。

          可愛い人に惹かれる事は全然ない。 私を惹き付けるのはいつも 憎たらしくて嫌な奴。 手に入るようなものじゃなく 勝手に離れていくようなものじゃなく 只者じゃなく そんな奴の優しさは 気付けるかどうかだった。 優しく受け取れるかどうかなんて分からない。 誰しも 自分ですら気づかない美しさを持っている。 「知らないんでしょう」 と、笑う。 私を褒めてくれるのは、叱ってくれるのは、 期待させてくれるのは、懲らしめてくれるのは 教えてくれるのは、誰よりも先に彼奴

          どこを見ても奴が居る。

          PIELES

          誰より素敵な 貴方に逢う度 貴方のようじゃない 私を嘆く そんなんだから 貴方は振り向いてくれない 貴方に都度 言うように 私は素敵だと言えたら 醜い隠し事 1つ 無くなった時 目がなくても 鼻がなくても 聞こえなくても 味気なくても はっきり分かる 薄い皮膚の 奥に居る 貴方に触らせて

          なにを抱こう

          言葉を探している。 私達が生きながらえている奇跡を表す言葉を。 この空の、見えない先の色を見ようとして。 社会の規範に尊厳を抱き 時代を牽引し 逞しく 喧騒の渦中で 営みに勤しむ人達からすれば、 私なんてものは 風に乗っかるポリ袋のように 中身の無い、なんともか弱いものだろう。 全く仕方の無い事で、私には充分過ぎるのだ。 日々続いていく勤しみの中、 目覚めの朝、瞳孔を指す陽の光 絶えずこの胸に流れ込む、木々の吐息 分厚い雲の上で、今も空は美しく広がっ

          蓮の花です。

          傍に居てくれる それがあなたの好きな所です。 何よりも近くで 誰よりも私を知っている。 大切な時は 肩を並べてくれましたね。 一世一代に 背中を叩いてくれましたね。 悲しい時 一緒に泣く代わりに笑顔をくれましたね。 傷付いて帰る度 あなたに話し、高らかなその声を聞くと 傷は強さになりました。 あなたは世界一輝く人だというのに その姿が見付けられないのは何故 電車が過ぎた後の、風の香りの中を探す 荷物を下ろしても 人混みの中横になっても この息苦しさは収

          君が去りし祝日

          孤独な夜に目を閉じれば 闇は白んでいく 苦い薬を一息で飲み干せば きっと良くなるだろう 分かりきった解決策ではなくて 些細な、小さな喜びを時間内に積み重ねた日 苦しくても暫くは大丈夫だと 喧騒の街への電車に乗り込んでいく君よ 激痛を待ち構える朝に 交わしきれない刃を受け止める昼に 落し物を数える夜に 図らずも戻り行く君よ 会えなくなるその日までに 君は世界の瞬きを忘れてしまわないだろうか 世界を愛する事をやめてしまわないだろうか 世界で起こる奇跡を

          貴方の見る全ての花が、咲いていますように。

          逞しい人 賢くて、優しくて、少し鈍感 ずっと どうしようも無い私の隣に居る 貴方は 高く高く飛べる人 そんな貴方の 肩胛骨から生えた翼が 強く大地を蹴るための長い足が 輝きながら今尚終わりに近付く心臓が 同じ毛布を被り 同じ温度の中にいる 大好きな歌声に 慰めて貰いたいけど イヤホンは10秒で充電が切れて 悲しくて 相変わらず何も出来ない 貴方の話す声に 叱って貰いたいけど 貴方はきっと愛想を尽かして この身体を貫いて終わるでしょう また、後ろ向

          貴方の見る全ての花が、咲いていますように。

          昭和町

          些細な目的で 初めて来た町 不思議な巡り合わせが 私をこの町に引き込んだ 顔を合わせる、言葉を交わす、 人々の笑顔と、限りある時間 許す限り ここに居たい 初めて来た故の見積もりじゃ この町の魅力を知り切れないと思った 控えめで、でも溢れる様なあの人の話 摩訶不思議で、私を魅了するあのお店 お茶目で、すぐに溶けていくあのケーキ 必ず戻ると約束するから 出来れば、自分本位だけど、 願わせて欲しい。 私がまたここに来るまでに この町の時が 動きません

          沈黙と休符は、冥王星

          宇宙へ 誰か1人を連れて行けるなら まず貴方に声をかけるでしょう それほどに、貴方は素直で 訝しい人 私の目の前で 考えて見せてくれる 投げ返す前に 一度言葉を撫でてくれる 貴方の話は 散りばめられた星達の様 脈略もなく ただそこにあるだけの雑学達 取り留めのない星達を 線で結ぶと 夜空が白んで 貴方の輪郭が浮き上がる 殆どの人は 忘れているような事を 貴方はちゃんと覚えていて 悟られないように 見つからないように 抱えてる 自分のエゴだと言った口

          沈黙と休符は、冥王星