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『イタリア式 ホワイト・ウィーク ~雪山も全力で楽しむイタリア人~』

年始からさまざまなニュースがイタリアにも入ってきましたが、皆さまにとり健やかで心穏やかな1年でありますように。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 
イタリアではクリスマスから間もなく1か月が経ちます。子どもたちの休みは日本の冬休みと変わりませんが、大人は1月2日から日常に戻ります。
ただ、この期間に有給休暇を取得する人が多く、今年は1月7日ごろまで休む人が多かったかもしれません。

イタリアでは1月6日が祭日でもあるため、連休にして雪山に行ったりします。この期間を『セッティマーナ・ビアンカSettimana Bianca』と呼びます。直訳すると『白い1週間』日本の『ゴールデンウィーク』とどこか似たネーミングです。
年末年始にかけてや1月、2月に取る冬休みの呼び名で、冬の時期なため1週間程度雪山に行く人が多いのです。

雪山のスポーツの定番と言えばスキー、スノーボード、ノルディックスキーが上げられると思います。イタリアでは若い人でもスノーボードよりスキーをする人の方が多い印象です。随分と少なくなりましたが、スキー場ではスキーリフトが残っているところもあります。スノーボードをする人にはとても乗りにくいのですが、スキー人口が多い名残でしょうか。
また、ノルディックスキーを楽しむ人も多いのが日本との違いかもしれません。筆者自身もやったことがありますが、とても体力を使うというか、汗だくになった記憶です。

スキー場に行って面白いのが、国境をまたぎスキー場があること、シャレーで体を温める飲み物がホットチョコレートホットワイン、お昼にビールやワインを片手にのんびりすることでしょうか。

ちなみに、フランス、スロベニア、オーストリア、スイスと国境を面しているイタリアではそこにもスキー場があるのです。スキー場があるというのは山があるからなのですが、日本でおなじみのフランスとの国境にある『モンブラン/Mont Blanc』イタリアでは『モンテビアンコ Monte Bianco』スイスとの国境にある『マッターホルン/Matterhorn』イタリアでは『チェルビニーノ』と呼ばれています。
『モンテビアンコ』は直訳すると『白い山』、日本でも石川県『白山』がありますね。おそらくこのネーミングは雪が降るところにある山だといろいろとありそうですね。ちなみに『チェルビーノ』イタリア語で『鹿の角』という意味で、ドイツ語だと牧草地を意味する『Matt』角を意味する『Horn』が語源のようです。こちらも言語は違っても同じような表現ですね。

太陽が燦燦とふりそそぐイメージのイタリアですが、北イタリアはアルプスに囲まれているので、冬スポーツが身近でさかんなのです。
また、ピエモンテ州にあるスキー場のひとつ『セストリエーレSestriere』、ここはトリノから60マイルの距離にあるスキー場で、語源はラテン語の数字60から由来しています。
ピエモンテ州の州都はトリノ、トリノは『FIATの城下町』と言われていたほど、イタリア各地、特に南イタリアから多くの人が職を求めてやってきた町でもあります。創業者『ジョヴァンニ・アニェッリ(Giovanni Agnelli)』が、土地を購入し、リゾート開発したところ、冬のスポーツから遠い暮らしであった庶民との距離をぐっと縮めたとも言われています。
 
雪山で思いっきり冬のスポーツをするのもよし、のんびりとシャレーで過ごすのもよし、日光よくしながらおしゃべりするのもよし、思い思いにどんな休みも全力で楽しむのがイタリア式でしょうか。

『L'essenza della vita(レッセンツィア・デッラ・ヴィータ)~ 暮らしへのエッセンス ~


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