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フルリモート企業がオンボーディング改善で行った5つのこと

DUMSCOでコンテンツマネージャーをしている月岡です。
この記事ではDUMSCOのオンボーディング改善で行ったことについてまとめたいと思います。

コロナ禍以降、オンラインをベースに働くようになった企業において、課題とされがちなのが「新しいメンバーへのオンボーディング」。

DUMSCOはコロナ禍以前からリモートワークが多い会社ではあったものの、少人数かつある程度の期間を一緒に働いてきたメンバーが多かったため、長い間オンボーディングが課題となることはありませんでした。

しかし、事業拡大に伴いここ1〜2年でメンバー増員に至り、一刻も早くオンボーディングの仕組みを整えなければ…!ということで、社内チームが編成されました。

課題を見つけたきっかけは「新メンバーのモヤモヤ」

DUMSCOは2023年1月~2023年7月の間に5人のメンバーを増やしました(今後さらに入社予定)。
それまでは正社員8人だったため、立て続けに大幅な増員です。
しかし、前述の通りオンボーディング体制が整っておらず、社内のさまざまなルール(Slackのコミュニケーションルールや経費精算のガイドラインなど)も未整理だったため、増員2人目あたりから混乱が生じ始めました。
ちなみに筆者は増員1人目です。

どのような混乱が生じたかというと、具体的にはオンボーディングで「誰が」「いつまでに」「何を」教えるのかのガイドラインが定まっていなかったため、

・わからないことを誰に聞いたらいいのかわからない
・他のメンバーがどんな業務を行っているのかわからない
・自分の仕事の期待役割が不明瞭
・Slackで気軽に発言しづらい

などの「モヤモヤ」が新しいメンバーに溜まっていってしまいました。せっかくパッションを持って入社してきてくれたのに、これでは出鼻を挫かれてしまいます。

メンバーを増やす前は、「見知った仲だし色々と細かいルールを決めなくても、都度コミュニケーションをとったり阿吽の呼吸的なものでなんとかできる」という状態だったとのこと。
しかし、会社として人を増やし規模を拡大していくフェーズに入ったため、このままさらにメンバーを増やし続けるのは組織にとって危険信号!

そんな経緯で、新しいメンバーたちとCTO、人事で「オンボーディング改善チーム」を編成することになりました。

オンボーディング改善で行ったこと

新メンバーから課題の洗い出し

まずは前述のような、あまり良いとは言えないオンボーディング体験をしてしまった筆者含む新メンバー3名から、どのような部分が不足していたかを洗い出しました。
このとき、「新入社員から古参メンバーへの不満」のような形になりがちなのかもしれませんが、険悪な空気になるのは組織全体のために避けたいところ。
あくまで「我々の体験をポジティブな方向へ生かし、これから入ってくるメンバーにはもっと良いオンボーディングができるように一緒に改善しましょう!」というスタンスで進めたのが意識したポイントです。
ベンチャー企業なので何もかもが最初から整っていることはありませんし、新しいメンバーがこういったプロジェクトを主体的に進められる人たちだったのが良かったと言えます。

洗い出した課題をマッピングし、優先順位づけ

洗い出された課題を踏まえ、タスクを洗い出しました。

タスクは分担してnotionで進捗管理

具体的に実施した改善策

具体的に行った改善策は次のようなものです。

1.新メンバー入社後に全員との自己紹介の機会を設定
2.わからないことを何でも聞けるチャンネル作る
3.メンバー全員の経歴や人となりがわかるプロフィールをnotionに作成
4.Slackのコミュニケーションルール制定
5.入社時に押さえておくべき情報をまとめたnotionを作成

1.新メンバー入社後に全員との自己紹介の機会を設定

入社後1〜2週間のうちに、社内メンバー全員と新メンバーが1on1で30分程度オンラインで話す機会を設定しました。オフラインのときの「デスクを回って新しいメンバーが自己紹介や挨拶する」ようなイメージです。
新メンバーがまだ話したこともない社員と1on1を設定するのは少しハードルを感じるだろうと言うことで、人事がスケジュール設定する形にしました。

今後社員数が増えていくにつれ、社員全員ではなく関連するチームメンバーのみとする場合もあるかと思いますが、実業務で本格的に関わる前に、30分でも15分でも一対一で話したことがあるというだけで、心理的安全性が高まるでしょう。

2.わからないことを何でも聞けるチャンネル作る

入社してからしばらくの間は、実業務に関することから社内の経費や勤怠や諸々の設定周りなど、日々わからないことだらけだと思います。
メンターや上司などに質問すれば答えてくれるでしょうが、新しい人が入ってくる度に一対一で質問と回答を繰り返すのは非効率です。

そこで「経費・勤怠・IT設定関連、ほかわからないことを気軽に聞けるチャンネル」を作成しました。

社員は全員入っていて、「誰かが質問を投げかけたら、自分がわかることであれば気づいた時にリアクションして助けてあげよう!」というものです。

このチャンネルに質問と回答が溜まっていけば、誰かが同じ質問をしたときも過去のやり取りのリンクを貼ってあげれば早く解決できますし、誰かが疑問に思っていることは大抵他の人も知りたいことだったりするので、新メンバー以外の社員にも役立っています。

チャンネルの説明文。社歴問わずみんな気軽にいろいろ質問するようになりました。

3.メンバー全員の経歴や人となりがわかるプロフィールをnotionに作成

1と関連して、誰がどんな人で、どんな仕事をしているのかを理解するためのメンバーディレクトリを作成しました。
内容はプロフィール、経歴、自分の特徴(得意分野、現在の業務内容、性格など)で、これを見ればメンバーがどんなバックグラウンドを持っていて、何ができる人なのかがわかります。

写真にも人となりがあらわれています

入社時に作成してもらうようにして、全体定例でメンバーディレクトリを見ながら自己紹介をしてもらうようにしました。
改めてまとめてみると、社歴が長い人同士でも知らないことがあったりして、お互いの理解を深めるきっかけになったのが良かったです。

4.Slackのコミュニケーションガイドライン制定

DUMSCOは全体でのコミュニケーションツールにSlackを採用していましたが、これまで明確に定めたコミュニケーションガイドラインはありませんでした。

やはり人数が少なく阿吽の呼吸でなんとかなっていたという面と、エンジニアが大半だったため実業務でのやりとりはSlack以外(Jiraなど)でできてしまっていたという理由がありました。

今回新しく入ったメンバーは非エンジニアがほとんどだったことと、人数が増えて働く環境やタイムゾーンも異なっていたため、メンションのルールや休暇取得時の連絡方法などを決める必要が出てきたため、ガイドライン制定に至りました。

ガイドラインの目次

内容は他社が公開しているガイドラインを参考にさせていただきつつ、DUMSCOの自由な社風を尊重したかったのでルールで縛りすぎることは避けました。「メンションは気軽にしてOKで、受け取る側が通知をコントロールする」「DMは原則しない」「プロフィールはアルファベットで」くらいの粒度です。カスタム絵文字の使用と作成も推奨しました。
ガイドライン制定以降、Slackでのコミュニケーションが活発になりましたし、発言のハードルがとても下がったので制定して良かったです。
カスタム絵文字でSlackが賑やかになると、発言のハードルも下がりますしリアクションが可視化されて良い雰囲気です。

実際に新しくジョインしたメンバーからは、こんなフィードバックをもらいました。

前職はSlack上でのカジュアルなコミュニケーションはOKな文化だったけど、DUMSCOはどうなんだろう…?空気読めない人だと思われたくないな…と思っていたので、Slackのガイドラインは助かりました。

Slackと一言に言っても、会社によってやりとりの作法が異なることもあるので、自社のガイドラインを定めておくことはスムーズなオンボーディングの一助になると思います。

5.入社時に押さえておくべき情報をまとめたnotionを作成

新しく入ったメンバーはいろんなことを一度に教わるのでPCがブックマークだらけになりがちです。
そこで、「notionに入社した日はこれを見ればOK!」というページを作りました。

新メンバー向けnotionのTOP。花束絵文字がウェルカム感を醸成しています。

内容は、

・ツール、アカウントのサインアップ🔨
・Slackの設定💬
・マニュアル・規定類📚
・オフィス設備🏢
・自律神経(余白)ファーストな社内ルール
 └SlackのANBAI連携🌤(げんき予報)の設定
 └社内会議は食事しながらOK
・自己紹介👋🏻(メンバーディレクトリ作ってね)

など。これを見ながら初日を過ごせば完結するページです。ちょっとフランクな言葉遣いでウェルカム感を醸成しているのもポイント。
オンボーディングする側も、このページを共有して一緒に確認すれば良いので「どこまで教えたっけ?」が無くなって、お互いにとって効率的です。

まとめ

他にも、業務における期待役割のすり合わせのためにCTOとの1on1を設定したり、オフラインで関係を構築するために任意参加の歓迎会を開いたりなど、コミュニケーションを活発にするための施策を複数行いました。

上記で挙げた内容はどれも、ある程度の社員数がいる企業であればあたりまえに整っているものかもしれませんが、実際これらを整えて実行したことによってかなりオンボーディングが改善されました。
さらに、新しいメンバーだけでなく社歴の長いメンバーにとっても、オンラインでの社内コミュニケーションが活発になったことによる良い影響がかなりあったようです。

ベンチャー企業では、創業メンバー数名から徐々に人数を増やしていく過程で、いかにカルチャーを醸成し「会社」としてのまとまりを作っていくかはとても難しい課題です。
今回のようなオンボーディング改善や社内ルール制定はその基本となる部分かと思います。しかしその基本をしっかり整えることが、組織の基盤を作るのだなあと今回実感しました。

DUMSCOはまだまだ拡大途中の企業ではありますが、実業務はもちろん、こういった社内のカルチャーづくりにも積極的に携わってくれるメンバーが集まってくれていることを嬉しく思います。

今後も様々な社内施策を実行・アップデートしていければと考えています!

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