S@仕事しながらバンドマン

Ground Levelというバンドのvocal。二児の父。仕事しながら月2回のバンド…

S@仕事しながらバンドマン

Ground Levelというバンドのvocal。二児の父。仕事しながら月2回のバンド活動を全力で楽しんでいます。【すべての人生経験は音楽活動に繋がり、音楽活動は人生に繋がる】という信念のもと、これまでに味わった経験を無理矢理でも音楽活動や自分の生き方に結びつけて生きてます。

最近の記事

受動的リスナーから能動的リスナーへの転換が音楽との出会いを熱くする

こんにちは。バンドマンのSです。いつも演者としての覚悟というか、努力については、もう自分の中に染みついているぐらい当たり前なことですが、今回はリスナーの側からの提案をしたいと思います。 最近、世の中はものすごいスピードで変化し続けています。僕が愛用しているiphone8も今となっては古いと言わざるを得なくなっています。 最近では、17Liveとか、clubhouseとか、新たな情報発信、交流手段が生まれていますが、正直ついていけてない自分がいます。 また、コロナ禍によっ

    • 努力はウソをつかないの本当の意味とは

      こにちは。バンドマンのSです。やっと自身のバンド物語を書き終え、ほっとしているところです。最後までお読み頂きありがとうございました!! まだお読みでない方は、長いですが(笑)、以下の記事からどうぞ! 書いてみると、様々な思い出がすごく鮮明に蘇ってくるのですが、どちらかというと思い通りにならないことの方が多かった気がします。 (脳科学では、ポジティブな体験よりもネガティブな体験の方が頭に残りやすいということが言われているということを耳にしたことがありますが、もしかしたらそ

      • The story of a band ~#52 最終話 close the door ~

        葬儀の後、今河を偲ぶ会が別会場で有志により行われた。誠司も仁志も参加した。東京から来た相葉夫妻、そして、ECHOES結成時のギタリストで、親友の丘も出席した。 会場には元ECHOESの辻仁成の花が飾られていた。そして、これまでの音楽の軌跡がまとめられた映像、世に出された音源など、今河との思い出が形となって存在していた。 今河との思い出話をしていると、ひょっこりと「みんな何してんの?」と今河が顔を出してきそうな気がしてきた。 「今河さんの練習場所にあるドラムセットどうする

        • The story of a band ~#51 永遠の別れ ~

          2019年の暮れに今河から仁志に電話があった。仁志は直接会って今河と話したかったので、仕事終わりに今河の自宅に向かった。 相変わらず開けづらい玄関の引き戸を引く。 「今河さん、仁志ですけど~!」 気づいたのか、今河が2階からゆっくり降りてきた。 「ああ、久しぶりだね!2階あがって。」 仁志は、2階の今河のドラム練習部屋に招かれた。 久しぶりに会った今河の表情は明るかった。 しかし、仁志は今河の声がガラガラとしていたので思い切って尋ねてみた。 「今河さん、あの、

        受動的リスナーから能動的リスナーへの転換が音楽との出会いを熱くする

          The story of a band ~#50 cloudy ~

          5月。秋田市ライブの余韻を残したまま、誠司は一旦バンドを離れた。 8月の横手『音フェス』の出演は、3人体制でのアコースティック形式による出演。ライブから一週間後には、もうその練習が始まった。 これまでのバンドサウンドをアコースティック調にする取組。迫力はないが、いろいろなアプローチができる。 しかし、今河の身体の調子が更に優れなくなっていた。カホンを叩くのだが、いつもよりアタックが弱い気が仁志には感じられた。 今河はそのことにはもちろん気づいており、試行錯誤を重ねてい

          The story of a band ~#50 cloudy ~

          The story of a band ~#49 CLUB GEL LIVE ~

          秋田駅前にCLUB GELはある。dredkingzのメンバー全員が初めて知ったこの場所は、おしゃれな雰囲気を醸し出していた。ステージ正面に映像が映し出されており、ライブ演出効果も期待できる。 メンバーは、リハーサル時間に間に合うように、駅前の駐車場に到着。 昼過ぎには、会場に入った。 会場入り口の前には、ライブ企画者であるヘルガがいた。 「お久しぶりです!ヘルガさん!」 久しぶりに会い、テンションが上がる。以前イベンターのヘルガ企画のライブに出演させてもらったこっ

          The story of a band ~#49 CLUB GEL LIVE ~

          The story of a band ~#48 野外ライブ~

          5月の秋田市内ライブに向けて練習が進められたが、その前にもう一つ5月の大型連休中にライブイベントへの出演が決まった。 毎年、横手市増田町で行われている『MASUDA BAND FES』である。以前は、屋内ライブであったが、事情により野外ライブになっていた。野外ライブはもちろん閲覧無料ということだった。 誠司も仁志も、「無料」というところが気になっていた。客側からすれば、ありがたい話ではあるが、演者側の責任感の薄れやお客側の特別感の薄れが懸念されることである。 バンドは無

          The story of a band ~#48 野外ライブ~

          The story of a band ~#47 葛藤と覚悟 ~

          ライブが終了し、静けさが戻ってくると、4人と志保は、共演者の榎本のはからいで、宿泊先に向かった。そして、そこで、深夜のバンドミーティングが始まった。 仁志は、今後のバンドの建設的な話を期待していた。 しかし、なぜか誠司のギター奏法についての話がメインとなった。 「もう少し、こういう弾き方のほうがいいんじゃない。」 お客は喜んでくれたが、演者側からの要求やアドバイスが誠司に集中的に向けられた。 誠司と仁志は気分良く今日のライブを終えられたことを喜んでいたが、このミーテ

          The story of a band ~#47 葛藤と覚悟 ~

          The story of a band ~#46 寿命~

          荻窪club docotorでの今河の還暦祝いライブに、大勢の客が来場した。 この日は雨。更にライブハウスがある同じ建物の2階では、他団体の別イベントも行われており、楽屋はいつも以上に狭く感じられた。 出演バンドやミュジーシャンは、dredkingzを入れて5組。今河に縁のある出演者達だ。 それにスペシャルゲストである高橋研を交えてのライブ。まさに今河の還暦を祝うための記念ライブである。 ライブは始めから熱気に包まれており、来場した客の期待値の高さが感じられる。 弾

          The story of a band ~#46 寿命~

          The story of a band ~#45 決意の背中~

          3月30日に行われるライブに向けて、最終調整が行われていた。ライブを想定した音楽室での通し練習も、残すところ終盤に近づいている。 そんな時だった。 「ごめん、何かさ、曲数減らしてほしいんだけどいいかな?」 今河からの提案だった。 「えっ?どうしたんですか?」 3人は、今河を見ている。 「なんか足が思うように動かなくて。ほら、貧乏揺すりみたいに聞こえるでしょ?」 (ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド・・・) 確かに曲が終了し、次の曲に移ろうとするタイミングでバス

          The story of a band ~#45 決意の背中~

          The story of a band ~#44 WAVE ~

          念願だったMVの配信。それと同時にサブスクでの楽曲配信。地元の人にも知って欲しい出来事だった。 そこで、地味ではあるが、地元民がよく集まる居酒屋やBAR、CAFE、ラジオ局などに手作りのポスターとCDを持ち、宣伝に回った。古いやり方であるが、やはり人の顔が見える宣伝は、いつの時代も大切である。 快くポスターを貼り、CDを置いてくれる店が多かった。 地元ラジオ局こそ紹介してほしいことだったのだが、直談判はしても、残念ながらそれは叶わなかった。 もしかしたら、そうした地元

          The story of a band ~#44 WAVE ~

          The story of a band ~#43 Detonate~

          東京から地元に戻り、その一週間後にはライブが控えていた。 地元横手市で行われている『音フェス』。有志が音楽で横手市の町おこしを目的に開催しているイベントだ。最近では、地元だけでなく他県からの出演者も増えており、毎年8月はこのイベントがあるということは多くの地元民に周知されるまでになった。 『音フェス』は、会場を市内に分散し、あらかじめ出演者を割り当てており、お客は自由に見て回ることができるようにしている。このイベントにdredkingzも参加することになっていた。 ちな

          The story of a band ~#43 Detonate~

          The story of a band ~#42 rolling stones ~

          7月18日。地元横手市にある『mock』というlive barで、dredkingzはライブを行った。 mockは、かつて駅前にあり、dredkingzの宣材写真を撮ったところであるが、事情により移転していた。そこでは、若手バンドを中心とした企画が奇数月に1回のペースで行われており、店長は、そうした企画に対して快く場所を提供してくれていたのだった。dredkingzも出演をこちらからお願いしたところ、企画者から了承されたのである。 地元でのライブは非常に珍しく、かつてお世

          The story of a band ~#42 rolling stones ~

          The story of a band ~#41 変わらぬ思い ~

          神崎を迎えての初のライブは、地元横手市の増田町で行われた。年一回行われているイベントであり、『MASUDA BAND FES』と名付けられている。 増田町の練習場所を使用しているバンドの多くがこのイベントの出演者となっている。dredkingzが出演するのは、今回が初めてとなる。 会場は同町内の体育館施設にある収容人数100人程度の多目的ホール。4人が会場に着くと、すでに機材がステージ上に運び込まれており、音響セッティングが行われていた。 他の出演者は、すでにリハーサル

          The story of a band ~#41 変わらぬ思い ~

          The story of a band ~#40 再始動 ~

          時間ばかりが過ぎていく。もどかしい毎日が続いていた。 そんな時、誠司に電話が来た。 「今河だけど。お久しぶりです。」 「あ、今河さん。お久しぶりです。元気でしたか?」 「うん、元気だよ。仁志くんは帰ってきたの?」 「はい、とっくに(笑)」 「なんだよ~。連絡ぐらいしてよ(笑)」 「いやあ、なかなか連絡しづらい感じだったんで(笑)ほら、今河さん新しいバンドやっちゃってるでしょ?」 「ああ、あれね。でも、東京にいるメンバーだからね(笑)。それより、今週末でもいいん

          The story of a band ~#40 再始動 ~

          The story of a band~#39 困難な船出~

          2年が経った。dredkingzにとっての空白。あまりにも長い年月のように感じられた。 「もう活動は無理かもしれない。」 そうした思いが生まれてきても仕方のない時間だった。 それぞれのメンバーは、どのように長い時間を過ごしたのか。 誠司は、バンドには関わらず、ギターを弾いたり、趣味であるスノーボードをしたりしていた。誘われていたバンドもあったが、どうしてもやる気になれず、断ったこともあった。やるのであれば、仁志のボーカルが必要だと思っていた。 今河は、東京に自身のバ

          The story of a band~#39 困難な船出~